【GISフォーラム Vol.2】開発エンジニアは広告のことを考えてはいけない——Google Japan代表取締役社長 村上憲郎氏 | RBB TODAY

【GISフォーラム Vol.2】開発エンジニアは広告のことを考えてはいけない——Google Japan代表取締役社長 村上憲郎氏

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Google副社長兼Google Japan代表取締役社長の村上憲郎氏
  • Google副社長兼Google Japan代表取締役社長の村上憲郎氏
  • 「Gmailなどさまざまなサービスを提供しているが、ポータルになるつもりはない」
  • オレンジのドットはオフィス、研究開発センターは世界で6箇所。
 12日、都内で開催された「第53回GISフォーラム東京」にはGoogle副社長兼Google Japan代表取締役社長の村上憲郎氏も登壇し、「Google新戦略の展望とチャレンジ」と題して講演を行った。前半は同社の技術についての説明が主な内容だった。

 村上氏は、まずヤフーとグーグルの違いについて説明した。インターネットが書籍であると仮定し、書籍の情報を整理するために目次を作成、世間の事象を分類してひとつの項目に関連するサイトを目次のように表示するというところからスタートしたのがヤフー。これに対しグーグルは、「索引に目をつけた。手がかりになる言葉を探せば、その言葉がどのページにあるかがわかる考え方で、この違いは単純な差であったが、ビジネスモデルの大きな違いになっている」と語った。さらに、ヤフーのサービスをデパートに例え、ニュースからオークション、ショッピング、天気など、そこで大体の用が足りる素晴らしいサービスになっているが、ヤフーの編み出した“ポータル”はユーザーの滞在時間を長くするのが目的。これに対してグーグルは、ある言葉をフックにして探し物を見つけ、ユーザーはそれを見つけるとすぐに飛んく。つまり滞在時間を最小にしている点が大きく違うとし、その上で「グーグルは色んなサービスをだすので、ポータルになろうとしているのかとよく聞かれるが、ポータルとは対極にあるので、そういうことはない」と強調した。そして、すべてのサービスは検索の延長であり、「Gmailも組み込まれた自然言語処理の機能によってすべてのメールを分類しスレッドを自動的に作り上げている。メールサービスだが根幹にあるのは検索サービスだ」と説明した。

 また、「グーグルは情報を所有も占有もしておらず整理をしているだけ。ユーザーが情報を探しているときに、ここにあるというこを指し示しているだけ」として、ユーザーと情報の間をブリッジする役割を果たしたいというのがミッションステートメントであると強調。氏は、これらの技術は約3500人ものエンジニアによって支えられていると、同社の技術を支えるエンジニアについても触れた。実は「目次からではなく索引から」というアイデアはグーグルのほかにも存在したが、一番関連性の高いサイトを上に出すページランクというアイデアが支持を得た。このアイデアの採用によってユーザーが増えていくなかで学んだのは、「とにかく良いものを作れば意図せざる形でユーザは集まるということ。これを現在にいたるまで、我々の基本的なプライオリティーとしている」という。現在ページランク以外に数百のルールが存在するとのことだが、開発エンジニアはサービスを作る時にそこに広告が貼り付けられるかどうか、どうやってマネタライズしようを、いっさい考えてならないということになっている。これらエンジニアのモチベーションを支えているのが、世界最大規模のコンピュータシステムであり、そのインフラをリソースとし必要とされている通常では不可能と思われるアプリケーションやサービスを作成できるというのがポジティブフィードバックになっているという。しかしながら、(詳細はなかったが)そのサーバは全て内製で、コストパフォーマンスに優れた「世代的にはちょっと前のもの(チップ)」を使っており、決して最新のものを使っているわけではないという。使っているOSについては、ベースはLinuxであり、きわめて廉価に作り上げてるとの説明があった。

 さらに同社ではエンジニアの採用については厳選していると話す。同社の研究開発センターはマウンテンビュー、ニューヨーク、チューリッヒ、東京などを含めて6箇所存在する。「日本向けのサービスが充実していない2年前に東京にセンターができた時、「日本向けの開発が加速されていいですね」とよく言われたが、「実は日本向けのサービスはもやらないんですよ」と期待はずれの答えを返していた」と村上氏は振り返る。目的は、各地域において コンピュータサイエンスに優れたエンジニアに集まってもらう、その目的のみによって展開しているという。つまりエンジニアは得意分野にしたがって個別に参加しているだけで、日本向けのサービスは、もっぱらニューヨークとマンテンビューで行っているという。

 同社はこれまで、もっぱらインターネット上のすべての情報をインデックス化するということを進めてきたが、講演の後半で村上氏が触れたのは、これからのチャレンジだった。続きはVol.3で触れる。
《小板謙次》

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