「夢のあるわくわくする球団にしたい」 ソフトバンクがホークス買収に名乗り | RBB TODAY
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「夢のあるわくわくする球団にしたい」 ソフトバンクがホークス買収に名乗り

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「野球を愛する思いを持って、夢のあるわくわくする球団にしたい」と意欲を示す孫正義氏
  • 「野球を愛する思いを持って、夢のあるわくわくする球団にしたい」と意欲を示す孫正義氏
  • 孫氏は佐賀県の生まれ。福岡で育ち、ソフトバンクを福岡で創業したことがあり、福岡に球団を持ちたい気持ちがあるようだ
 ソフトバンク・グループがプロ野球球団「福岡ダイエーホークス」の買収に名乗りを上げた。「野球を愛する思いを持って、夢のあるわくわくする球団にしたい」とソフトバンク・グループ代表の孫正義氏が意欲を見せた。

 この球団買収の発端だが、「一昨年から福岡で球団を持ちたいと考えており、非公式にダイエー(親会社)に気持ちを伝えていた」と2001年にまでさかのぼる。しかし現在でも「ダイエーの了承があるものではない。外部のコンタクトは今日が初めて。確定した話は何もない」といった状況だ。なお18日には、福岡にて九州電力社長の松尾新吾氏や福岡県知事の麻生渡氏と面会し、その意向を伝えている。

 このように2001年から球団買収に向け動いており、さらに最近ではさらにライブドアと楽天がプロ野球事業への参入を示しているにもかかわらず、このタイミングで買収を名乗らなかったのには理由がある。「先週よりも早いとダイエーさんに迷惑をかけるし、遅いと来シーズンに影響する」としたことによるものだ。「早いと迷惑をかける」としたのは、これまでダイエー本社は、球団を継続的に保有することを示していたが、先週、産業再生機構に入ることを決めたことにある。また「遅いと来シーズンに影響する」としたのは、「原則的に、新しいオーナーは11月30日までに決める必要がある」との理由があるためだ。

 孫氏は、「Yahoo! BBや日本テレコムのブランドは、まだまだ浸透していない」と認識しているという。球団買収の目的は、まずこの「ブランドイメージの向上」があり、これにより顧客獲得コスト削減の効果が期待できるとしている。同社はYahoo! BBと日本テレコムの顧客獲得で数千億円のコストをかけているが、「ブランドが浸透し、顧客獲得の効率が1割上がれば、年間100数十億円のコストダウンにつながる」といった効果を期待している。

 また、「ダイエーの再建スポンサーが球団も持ちたいというなら、無理矢理入っていかないし、地元のファンの皆さんに歓迎される形にしたい。『ダイエーさんの手からホークスが離れて第三者に渡るなら、私どもに渡して頂ければ』というのが前提条件」としていることからも、ブランドや企業のイメージを大切にしていきたいことが伝わってくる。

 「野球はコンテンツとして重要。ビジネスの面でも心底そう思っている」と本業の通信事業に対する付加価値としても期待しているようだ。「新しいファンとの接触のあり方を模索したい。具体的には、Yahoo! ショッピングでチケットやグッズを売ったり、選手とファンとの交流が携帯電話でできるなどの展開を模索している」と挙げている。ほかに、将来的な構想として「アメリカ、キューバ、韓国、台湾のナンバーワンチームと対戦して本当の意味のワールドシリーズを実現させたい」と示した。

 さらに、孫氏が「小中学生の頃は、夜になっても暗い中でボールを打ったり、家の周りを鉄げたを履いて回ったり」とするくらいの「野球小僧」だったことも、球団を買収する理由として挙げられるだろう。また、福岡に球団を持ちたいと考えたのは、孫氏が福岡で育ったことが大きく影響している。さらに、現在のダイエーホークスの枠組みを変えるつもりもなく、「もし球団を所有できるなら王監督に継続して欲しい」とするほどだ。

 これらの理由から、「ブランド向上とコンテンツ競争は長期的戦略であるため、球団を長期に保有して、真剣に取り組んでいきたい」と示した。
《安達崇徳》
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