「AnnexA.exは他社サービスに影響を与えない」「言いたいことはITU-Tに言え」 イー・アクセスに対してソフトバンク孫社長が反論 | RBB TODAY
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「AnnexA.exは他社サービスに影響を与えない」「言いたいことはITU-Tに言え」 イー・アクセスに対してソフトバンク孫社長が反論

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「AnnexA.exは他社サービスに影響を与えない」「言いたいことはITU-Tに言え」 イー・アクセスに対してソフトバンク孫社長が反論
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 ソフトバンクグループのビー・ビー・テクノロジー(BBTec)は、現在試験サービスを実施している「Yahoo!BB 12M」サービスについての記者説明会を開き、これまでの経緯や今後の見通しについて説明した。

 席上、BBTecの孫正義社長は、先にイー・アクセスから指摘されていた「AnnexA.exのオーバーラップ部分が他社DSLサービスの上り速度に干渉する」「事前調整なしで新サービスをフィールドに導入するのはTTC(社団法人情報通信技術委員会)のルール違反である」という主張に対し、ITU-T国際標準に則った機器(※1)である上、TTCにそこまでの権限はない、サービス開始当初にNTTへ申告した内容は今回のサービスまで含んだもの(※2)のため問題はないと反論。フィールド実験で、AnnexA.exは自回線にすらほとんど影響を与えないことが実証されており、ましてカッド内の別回線への影響は非常に小さく、今回のイー・アクセスによる発表や総務省への苦情申し立ては『営業妨害である』『言いたいことがあるならITU-Tに言っていただきたい』と強気の姿勢を示した。総務省に対しても、反論を書面で提出したところだという。

(※1/※2 ITU-T規格ではエコーキャンセラはG.992.1コンタクトナンバー10.1.2に、S=1/2技術は同7.6.4に定義されており、NTTに申告した「G.992.1」にはこれらも含まれる、したがって12Mサービスは連絡済みであり「新サービスではないと認識」しているとした)

孫正義氏は、他社12Mサービスは発表は早かったものの「まだ現物を見たことがない」と先行をアピール


 この問題のそもそもの原因は、AnnexA.exが「G.992.1 AnnexA」をベースに、エコーキャンセラによる周波数オーバーラップやS=1/2技術による高速化を実現していることにある。もともと米国向けのAnnex.Aは、米国のISDN帯域には重ならないものの、日本のISDN帯域とは一部重複している。このため、ISDNとの干渉が原因で接続できない可能性があって、日本の環境に合わせた「AnnexC」が定義されたといういきさつがある。(AnnexCは、ISDNの影響を減らすため、ISDNの同期タイミングにあわせて送信方式を切り替えている)

 AnnexA.exが特に問題視されているのが、周波数オーバーラップである。これまでAnnexAが上りと下りの帯域を完全に分けていた(上り25KHz〜138KHz/下り138KHz〜1104KHz)ものを、上り帯域はそのままに、下りを上りの帯域まで拡大している(上り25KHz〜138KHz/下り25KHz〜1104KHz)。周波数が低い方が減衰しにくく遠距離まで届くため、問題がなければ通信距離の拡大と最大通信速度のアップにつながることになる。しかし、AnnexAやAnnexA.exは日本のISDNを無視して常に全シンボルによる通信をおこなうため、クロストーク(漏話)発生時には他社のサービスやISDNと干渉するおそれがあることがイー・アクセスのみならず、各所から指摘されていた。

 これについて孫氏は、愛知県大口町で実施してきたAnnexA.exのフィールド実験の結果を示しながら、もっとも影響があるはずの自己回線でも上りリンク速度への影響が少ないことを強調、「干渉」の問題視は過敏に反応しすぎたものだとした。ただ、干渉が起きないと語る部分では、孫氏の口調がそれまでとうって変わって重く口ごもりがちになり、大都市圏の回線密集地域における実証データのなさからか、今ひとつ自信がない様子もうかがえた。

 ただ、AnnexA.exがもとで問題が起きた場合は、AnnexAやAnnexCに切り替えるなどの対応を取るとしており、マルチプロトコル対応「コンボモデム12M」の機能の活用で回避するつもりのようだ。

Yahoo!BBコンボモデム12Mは、従来コンボモデムと外観はほぼ同じ。AnnexA.ex、AnnexA、AnnexCのほか、AnnexC.xにも対応しているという


 なお、既存ユーザにとって気になる「乗り換え」コストだが、8Mから12Mへのサービス変更は、Yahoo!BBへの変更手数料が2,000円、NTT局内工事費が2,800円の合計4,800円と発表された。ちなみに、12Mから8Mへの変更は、Yahoo!BBの変更手数料2,000円のみとなる。AnnexA.ex対応のDSLAMについては、開局済みの約1,200局のうち1,000局以上にすでに導入済みだとのことで、8月1日に予定されている本サービス開始の時点でほとんどのエリアが12Mサービス対応となる見込み。

会場に引かれたY!BB12M回線で実際に速度計測サイトでのデモをおこない、10Mbps以上(画面は10,704kbps)の速度が出ていることをアピールした
《RBB TODAY》
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