[更新] 「20MbpsオーバーADSL」と書くのもはばかられる26M/24M ADSLサービス | RBB TODAY
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[更新] 「20MbpsオーバーADSL」と書くのもはばかられる26M/24M ADSLサービス

ブロードバンド その他
 6月下旬にダブルスペクトラムADSL、いわゆる24Mや26MのADSLサービスが開始されてから約2ヶ月。RBB TODAYの通信速度計測サイト「speed.rbbtoday.com」を見る限り、24Mサービスや26Mサービスについて、速度でサービス名を書くのはどうも不適切な印象だ。

 まずはこの数字をご覧いただこう。

回線事業者ごとの下り速度傾向
通信事業者 最大 平均 平均以下の
計測数割合
NTT東 13.92Mbps 4.09Mbps 24634/45157
NTT西 15.75Mbps 4.84Mbps 5018/8972
Yahoo!BB 20.99Mbps 4.77Mbps 9552/15171
イー・アクセス 17.23Mbps 5.20Mbps 2507/4179
アッカ・ネットワークス 20.30Mbps 6.03Mbps 8858/15648


 この数字は、9月7日までのspeed.rbbtoday.comのログから、NTT東西、Yahoo!BB、イー・アクセス、アッカ・ネットワークスの5社について、ユーザがダブルスペクトラム(24 / 26Mbps)ADSLサービスを選択して計測した計89,127件を対象に集計したものだ。(注:NTT東日本やイー・アクセスは、いわゆる12Mサービスの頃から「12」「24」といった速度を示す数字をサービス名に入れない方針としている)

 下りのスループットが20Mbpsを超えたのは、2ヶ月以上のログの中で、実にYahoo!BBの3アドレスとアッカ・ネットワークスの1アドレスのみ。あとは20Mbpsに届いていない。(YBBとアッカは、エコーキャンセラ(EC)を使って低い周波数側にも下り帯域を拡大しているため、ECを使用しないNTT東西やイー・アクセスより速度が稼げている。エコーキャンセラを使うADSLは同一カッドの他ADSL回線に影響するおそれがあるため、採用するかどうかは事業者の方針によって異なる)

 また、5社とも、最高速を出したケースだけを見ればなかなかのものという印象だが、平均下り速度が4〜6Mbpsということは、平均値を下回るユーザも多数いるということで、ほとんどのユーザが12Mbpsサービスでも実現できる速度で利用していると推測される。
 ちなみに下の表は5事業者横断で集計したトップ10だが、20Mは4件、19Mが1件、18Mが2件ということで、高い通信速度を出せているユーザは本当に少数となっているのがおわかりいただけるだろう。

ダブルスペクトラムADSLの下り速度上位10件
通信事業者 下り速度() 回線事業者 ISP
1位 20.99Mbps Yahoo!BB
2位 20.34Mbps アッカ・ネットワークス OCN
3位 20.13Mbps Yahoo!BB
4位 20.04Mbps Yahoo!BB
5位 19.25Mbps アッカ・ネットワークス So-net
6位 18.69Mbps アッカ・ネットワークス So-net
7位 18.34Mbps Yahoo!BB
8位 18.02Mbps アッカ・ネットワークス So-net
9位 17.78Mbps アッカ・ネットワークス So-net
10位 17.23Mbps イー・アクセス @nifty

(注:上位10件の抽出では、同一アドレスからの計測は、もっとも結果のよい回のみ採用)

 ダブルスペクトラムADSLは、下り信号の使用帯域を従来の1.1MHzから倍の2.2MHzまで拡大し、ADSLサービスの下り速度を大幅にアップできるというふれこみの規格。しかし、減衰しやすい高周波側に拡大して速度を稼ぐ仕組みのため、実フィールドでは速度が出ないと見られていた。今回の平均速度のデータは、そうした見方を補強する材料となりうるもの。

 ここまで見てきたように、現在は「いちばん速いユーザ層でも、事業者の言う“理論最大速度”を5〜6Mも下回る。それすらたった4人だけ」という状況である。「26Mサービスを契約すれば、26とはいわないけど20Mbpsくらいは出るだろう」という期待は、よほどの好条件でないかぎり、抱かない方がよさそうだ。


[更新]

 本文中の「平均値を下回るユーザも多数いる」という箇所についての補足として、表「回線事業者ごとの下り速度傾向」に、【平均以下の計測数割合】として、平均値(事業者ごと)を下回った計測結果の件数と計測全数の項目を追加しました。(2003/9/9 17:39)
《伊藤雅俊》
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