近年、広く知られるようになったマンジャロやウゴービ。
新たな可能性が示唆され、改めて注目を集めている。
6月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会では、GLP-1系薬剤の抗がん作用の可能性に関する研究が複数発表された。
クリーブランド・クリニックの研究チームが、肥満関連のがん患者約1万2000人を分析した結果、GLP-1系薬剤を服用していた患者は、肺がん、乳がん、大腸がん、肝臓がんの転移リスクが対照群より有意に低かったという。
また、ペンシルベニア大学の研究チームも、肥満女性約11万人のデータを分析した結果、GLP-1系薬剤の服用群では乳がんの発症リスクが約30%低いとの結果を報告した。

ただし、これらはいずれも過去のデータを分析した後ろ向き観察研究であり、因果関係を直接証明するものではない。研究チームは「因果関係を断定することはできないが、今後、肥満治療薬をがん予防の手段として研究する価値は十分にある」と説明している。
現在、ウゴービとマンジャロは、肥満以外への適応拡大をめぐって激しい競争を繰り広げている。
デンマークの製薬企業「ノボ ノルディスク」は、ウゴービの適応を心血管疾患の高リスク患者や慢性腎臓病へと拡大しており、韓国でも慢性腎臓病を対象とした第2相臨床試験を進めている。
一方、アメリカの「イーライリリー・アンド・カンパニー」は後発として、二重作用機序を持つマンジャロを武器に追い上げを見せている。最近公表されたアメリカの実臨床データでは、マンジャロ投与群は72週時点で平均20.2%の体重減少を記録し、ウゴービの13.7%を上回ったとされている。
さらにマンジャロは、睡眠時無呼吸症候群への適応追加を進めているほか、韓国では心血管疾患や1型糖尿病など4つの疾患を対象とした第3相臨床試験も同時に実施している。

業界関係者は、「肥満治療薬市場は、単なる減量効果だけでなく、心血管疾患や腎疾患、肝疾患、さらにはがん抑制まで含めた“適応症ポートフォリオ”を競う時代へと進化し、本格的な競争時代に突入した」と分析している。



