出所後、十数年にわたって仕事がないと吐露してきた元韓国歌手が、日本のAV業界に目を向けるような発言をして物議を醸している。
韓国芸能界で「電子足輪1号芸能人」と呼ばれてきた元Roo’Raのコ・ヨンウクだ。
コ・ヨンウクは7月12日、自身のSNSに「人々を笑わせながら、ただ楽しく生きたかった」と綴った。
続けて、「韓国では職業を探すのは難しそうだから。日本の男性AV俳優が不足しているという話をどこかで見た気がする。法的に可能なら」と投稿した。
本気なのか、単なる自嘲的な冗談なのか。本人は具体的に説明していない。だが、未成年者への性的暴行および強制わいせつの罪で実刑を受けた人物が、日本の成人ビデオ業界を“働き口”のように口にしたことで、韓国では批判的な反応が広がっている。
日本で“男優”として働く?
コ・ヨンウクは2010年から約2年間、未成年者3人に対する性的暴行および強制わいせつの罪で起訴され、懲役2年6カ月の実刑判決を受けた。

身元情報公開5年、位置追跡電子装置、いわゆる“電子足輪”の装着3年も命じられ、2015年に刑期満了で出所している。芸能人として初めて電子足輪を装着したことから、韓国では「電子足輪1号芸能人」という強烈な汚名が残った。
出所後も復帰は容易ではなかった。YouTubeチャンネルやインスタグラムを開設して世間との接点を持とうとしたが、プラットフォームの規定や世論の反発により、アカウントは相次いで閉鎖された。
今年2月には「13年8カ月、何もできないまま無職として過ごした」「愛する犬たちの餌代を稼ぐ方法すらないのだろうか」と、仕事がない現実を吐露していた。
今回の“日本AV男優”発言は、その延長線上にあるともいえる。韓国で芸能活動も一般的な仕事も難しい。だから日本のAV業界ならどうか――。
もちろん、それが実際に可能なのか、本人が本気で考えているのかは不明だ。それでも、この発言は、今の韓国芸能界と日本AV業界の距離感を物語っているといえるかもしれない。
かつて日本のAVは、韓国社会にとって“隠れて消費するもの”だった。表で語るには気まずく、芸能ニュースの中心に置かれるようなものではなかった。しかし近年、その距離は確実に縮まっている。YouTube、Netflix、SNS、来韓イベントを通じて、日本のAV女優の名前や顔は以前よりはるかに知られるようになった。
象徴的なのが小倉由菜だ。日本の人気AV女優として活動してきた彼女は、韓国向けのYouTubeチャンネルなどを通じて現地ファンを獲得し、2023年には韓国の「黄金撮影賞」で親善文化交流賞を受賞した。

Netflixのバラエティ『ココだけの際どい話:日本編』にも出演し、単なるAVファンの間だけでなく、韓国の大衆文化圏でも一定の認知を得ていた。
同時に、その近さは危うさもはらむ。2024年、YouTube番組『ノーバック タク・ジェフン』で小倉が当時cignatureのジウォンに対し、「日本で人気が出そう」「ぜひ“デビュー”してほしい」といった趣旨の発言をしたことで炎上した。
韓国の若い女性アイドルにAVデビューを勧めたと受け止められ、番組側や関係者が謝罪する事態となった。
小倉由菜の例が示しているのは、韓国社会が日本のAV女優を一方的に遠ざけているわけではないということだ。むしろ、親しまれ、消費され、時には文化交流の担い手のように扱われることさえある。
日本AV業界と絡んで続く騒動
興味深いのは、その存在がK-POPアイドルや人気タレントの“表の世界”と交差した瞬間、隠れていた拒否反応が一気に噴き出す点にある。
THE BOYZのチュ・ハンニョンの件もそうだった。元AV女優の明日花キララと私的な場で会っていたなどと報じられ、最終的にグループ脱退と契約解除にまで発展した。
本人は性売買や違法行為を否定し、それを報じた記者が虚偽報道による名誉毀損の疑いで在宅起訴されたが、「AV女優と関わった」と報じられたこと自体が、韓国のアイドルとして大きなイメージダウンにつながった。

タレントのシン・ドンヨプも同じ構図に巻き込まれた。Netflix番組で日本の成人文化産業を扱い、AV女優たちとトークしたことで一部視聴者から激しい批判を受け、長年MCを務めてきた番組からの降板要求まで出た。
他にも、2024年には日本のAV女優が多数参加予定だったイベント「2024 KXF The Fashion」が、女性団体などの反発を受けて中止となっている。
つまり、日本のAVは韓国で以前よりも近い存在になったが、だからこそ、ひとたび芸能人の名前と結びつくと、好奇心と嫌悪感が同時に噴き出すことになっている。
コ・ヨンウクの発言が不快感を呼ぶのは、単に「AV」という言葉を出したからではない。未成年者への性犯罪で実刑を受けた人物が、社会復帰の行き場のなさを語る流れで、日本のAV業界を持ち出したからだ。
そこには、韓国社会が日本AVに抱く複雑な距離感と、彼自身が背負う犯罪歴への拒否感が重なっている。
陰で消費されながら、表に触れた瞬間に炎上する。日本のAVは今、韓国芸能界にとって遠い存在ではない。むしろ、近くなりすぎたからこそ危うい存在になっている。コ・ヨンウクの“日本AV男優”発言は、その矛盾した距離感をまたも浮かび上がらせた。
■【写真】デカい!日本のAV女優に“デビュー”勧められたK-POPアイドル



