セーフなのか、それともアウトなのか。
ガールズグループaespaの日本出身メンバー、ジゼルがライブ配信中に英語で「ビッ○」と返した場面がオンライン上で拡散され、話題を呼んでいる。
問題の場面では、配信中のジゼルに向けて視聴者側から「ビッ○」という書き込みがあり、彼女がそれを拾って「今、私のことをビッ○って呼んだ?」という趣旨で返したあと、「OK、ビッ○」と言い返したと受け止められている。
文脈を踏まえれば、一方的な暴言というより、失礼なコメントへの反射的な応酬に近い。だからこそ、今回の件は単純に「失言」と切るにはやや微妙でもある。
だが一方で、ライブ配信という場で、刺激の強い単語がそのまま切り取られ、瞬時に拡散される危うさを改めて見せたのも事実だろう。編集も緩衝材もない生配信では、ほんの数秒の反応がそのままスター本人のイメージに接続されてしまう。

韓国芸能界では、こうしたライブ配信中の一言や振る舞いが炎上や謝罪に発展した例がこれまでも少なくない。
ライブ配信で炎上・謝罪したスターたち
象徴的なのが、BoAのケースだ。2025年4月、彼女はチョン・ヒョンムのライブ配信に酔った状態で出演し、かなり危うい言動を見せた。
チョン・ヒョンムとの距離感が近すぎるスキンシップに加え、パク・ナレとの熱愛説を問うコメントに対して「オッパ(チョン・ヒョンムのこと)がもったいない」と発言し、さらに過激なスラングまで飛び出した。最終的に公開謝罪を求める声が高まり、本人は謝罪に追い込まれた。

ここで問題になったのは、言葉そのもの以上に、酔った状態の“生々しい素”がそのまま流れてしまったことだった。
KISS OF LIFEのケースもまた、生配信の危うさをよく示している。2025年4月のライブ配信では、オールドスクールHIPHOP、とりわけ黒人女性ラッパーをモチーフにしたスタイリングを披露したが、人種差別的ではないかと批判された。黒人文化をステレオタイプ化したように見える演出やネーミングが問題視され、所属事務所は最終的に公式に謝罪した。
暴言ではないが、ライブ配信で見せた感覚や演出の雑さが、瞬時に“差別”として読み取られた例だった。
ENHYPENのジェイは2023年のライブ配信で、韓国史について「短編小説のようだ」と話し、歴史を軽く見たのではないかという批判を浴びた。ジェイ本人は後に二度謝罪文を出し、軽率な発言だったと頭を下げている。これも、生配信だからこそ出た不用意な一言が、本人の本意以上に大きな問題へと発展したケースといえる。

NewJeansのミンジの「カルグクス(温かい麺料理)って何?」発言も興味深い。言葉自体に攻撃性はない。だが、韓国でごく一般的な料理を知らないと言ったことが、「庶民感覚がない」「高飛車だ」といった批判につながり、最終的には本人が長文で心境を明かす事態になった。ここでは暴言でも差別でもない、何気ない一言が炎上材料になってしまった。

こうして並べると、ライブ配信の“失敗”にはいくつかのパターンがあることが見えてくる。酔っていて本音が漏れるケース、文化や歴史への認識不足が露呈するケース、差別的と受け取られる演出をしてしまうケース、そして今回のジゼルのように、視聴者との応酬がそのまま切り抜かれるケースだ。
共通しているのは、どれも収録番組なら編集で落とされていたかもしれないものが、ライブ配信ではむき出しのまま残るという点に他ならない。
その意味で、ジゼルの件はグレーゾーンにある。ジゼルは差別発言をしたわけでもなく、一方的に誰かを侮辱したわけでもない。むしろ失礼なコメントへの反射的な切り返しとして見る余地もある。だからこそ「セーフかアウトか」が割れており、注目を集めているのだろう。
ただ、それでも今回の件が話題になったのは、ライブ配信においてスターの一瞬の反応がどれほど拡大解釈されやすいかを、また一つ見せたからだ。
ファンとの距離を縮めるはずのリアルタイム配信は、その近さゆえに、スターにとって最も無防備な場所でもある。魅力であると同時に、失言、誤解、炎上と常に隣り合わせの場なのだ。
◇ジゼル プロフィール
2000年10月30日生まれ。本名は内永えり(韓国名:キム・エリ)。父親が日本人、母親が韓国人のハーフで、日・韓・英3カ国語を話せるトリリンガル。2020年にaespaのメンバーとしてデビューした。練習生期間は11カ月と現在SMエンターテインメントに所属する女性アイドルの中で最も短く、他を寄せ付けない圧倒的なラップスキルを誇る実力派。グループ内ではメインラッパーを務めるが、安定感抜群の歌唱力も高く評価されている。



