ついにデビュー前の練習生にまで、私生活を脅かす過激ファン、いわゆる“サセン”の手が伸びた。
3月25日、SMエンターテインメントは、男性練習生チーム「SMTR25」の私生活を深刻に侵害する行為が相次いでいるとして、異例の警告文を発表した。
その被害は、宿舎への無断侵入、過度な身体接触、タクシーへの無断同乗だけでなく、建物内で練習生の名前を叫ぶ騒音行為、ゴミの不法投棄、立ち入り禁止区域への侵入にまで及んでいるという。
SMエンターテインメントは「正式デビュー前の練習生たちが日常生活でも不安を感じる状況に置かれている」とし、すでに口頭警告や警備強化では限界に達したとして、法的措置まで予告した。
K-POPにサセンは昔からいた。だが、今回の件が衝撃的なのは、被害者がすでに巨大な人気を持つトップアイドルではなく、まだ正式デビューすらしていない練習生だという点にある。
デビュー前から宿舎を突き止められ、身体に触れられ、移動にまで割り込まれる。これはもはや“熱心なファン”の域ではない。スターになる前の少年たちの生活そのものが、商品を見るように消費され始めているということだ。

サセンという最悪の推し活
もちろん、サセン被害自体は今に始まった話ではない。
2PMのジュノは、自宅のベルが深夜3時に鳴ったり、玄関前にサセンが座っていたりした経験を告白している。SHINeeのテミンも「家に泥棒が入った」と語り、物は盗まれなかったが、そのかわりゴミが家の中に捨てられる被害を受けたと話したことがある。

さらにジェジュンは、夜中に寝ていたところ、自宅に侵入した人物にキスをされたという信じがたい体験まで明かした。「度を越した愛は深刻な恐怖だ」という彼の言葉は、サセンがすでに“愛情表現”ではなく、明確な加害であることを示していた。

世界的スターBTSでさえ例外ではない。JUNG KOOKは除隊直後、自宅玄関のパスワードを何度も入力して侵入しようとした女性のせいで警察沙汰に巻き込まれた。Vも自宅で待ち伏せされ、車を追いかけられた。さらにRMは、韓国鉄道公社の職員に3年にわたり乗車券情報や住所、携帯電話番号などを盗み見されていたことが明らかになっている。
JUNG KOOKはライブ配信で「家の住所を全部知っているじゃないか。YouTubeに打てばすべて出てくるだろう」と語り、どこか達観したように「自分の宿命だと思い、ただ自分の前だけを見つめる」とまで言った。トップスターですら、諦めに近い態度を取らざるを得ないほど、被害は常態化している。

しかも、いまのサセンは単に家の前で待つだけではない。2025年には、BTSなど有名芸能人の航空券情報を不正取得した航空会社職員らが検察に送致された。搭乗情報は流通業者を通じてオープンチャットやSNSで売買され、サセンはそれを買って同じ便に搭乗したり、機内食を勝手に変更したり、さらには航空券予約を取り消すといった行為までしていたという。
つまり、いまのサセンは個人の執着だけでなく、個人情報を商品化して稼ぐ“ビジネス”とも結びついている。推し活が行き過ぎたというより、もはや犯罪と取引の世界に入り込んでいるのだ。
こうした状況に対し、事務所側も法的措置を次々に宣言している。BLACKPINK・ジェニーの所属事務所も最近、デマや誹謗中傷だけでなく、移動経路の追跡やプライバシー侵害に対しても民事・刑事上のあらゆる法的措置を取ると表明した。
だが、現実にはサセン被害は止まっていない。警告し、守ろうとすればするほど、今度は別の問題も生まれる。
たとえば空港では、Hearts2Heartsの“人間バリケード”警備が「公共空間の私物化」と批判され、ビョン・ウソクやCRAVITY、NCT DREAMのケースでは、警備側が一般人やファンに実害を与えて法的責任まで問われた。守るための警備が、今度は“過剰防御”として叩かれるのだ。

結局のところ、韓国芸能界はいま、放置しても地獄、守っても地獄という状態にある。サセンを甘い言葉で包み、「有名税」や「過熱した愛情」で片づけられる段階はとうに終わった。
宿舎侵入、待ち伏せ、身体接触、個人情報の不正取得や売買、移動妨害は、いずれも立派な犯罪行為であり、デビュー前の練習生にまで及び始めた以上、この問題は“推し活の行き過ぎ”では済まされない。
SMTR25の一件が突きつけているのは、K-POPの人気が拡大した先で、最も守られるべき境界線がいま崩れ始めているという現実だ。
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