広島東洋カープの羽月隆太郎容疑者(26)による違法薬物使用疑惑が波紋を広げている。
その影響は日本国内にとどまらず、韓国でも注目を集めている。
羽月容疑者は昨年12月16日頃、麻薬性薬物とされるエトミデート、いわゆる「ゾンビたばこ」を吸引した疑いで逮捕された。本人は使用を否定しているものの、尿検査では陽性反応が確認されたと報じられている。
この問題について、韓国メディアも相次いで報道した。『スポーツソウル』は、日本球界を揺るがす出来事として、羽月容疑者の経歴や逮捕に至る経緯を詳しく伝えている。

エトミデートは、日本では未承認の医薬品で、鎮痛や麻酔を目的とした成分だ。吸引後に異常な挙動を示すことがあるとして、海外では電子たばこ型製品に混入されたものが「ゾンビたばこ」と呼ばれる場合もある。『スポーツソウル』は、日本ではSNSを通じて比較的容易に入手できる点が問題視されており、警察やスポーツ団体だけでなく、企業などからも「挙動が不審な人物について薬物検査を実施してほしい」との相談が寄せられている状況を紹介した。
では、韓国ではエトミデートはどのように扱われているのか。
看護助手が不正入手し荒稼ぎ
韓国では、エトミデートは長らく医療用麻酔剤として流通してきたが、乱用や不正使用への懸念が高まったことを受け、政府は昨年8月、これを「向精神性医薬品」に指定した。事実上、麻薬類として管理対象に加え、製造・流通・使用を厳しく監視する体制が敷かれている。
それでも不正使用は後を絶たない。昨年末、大邱(テグ)の皮膚科医院に勤務していた看護助手の女性が、医師の名義を不正に使用してエトミデートやプロポフォールを大量に購入し、約4年間にわたり数千回に及ぶ違法投与を行っていたとして摘発された。
この事件では、インターネット配信者や自営業者などを対象に、自宅や病院内で不正に薬物を投与していたとされ、警察は関係者8人を立件。主犯格の看護助手ら2人は拘束された。
警察によると、看護助手はエトミデート約7000本、プロポフォール110本を不正に入手し、虚偽の診療記録を作成して薬物使用を隠蔽していたという。違法投与による収益は約6億ウォン(約6000万円)に上り、高級マンションや外車、ブランド品の購入に充てられていた。警察はこの事件について、「医療従事者の職業倫理の欠如と制度の隙が重なった構造的犯罪」との見方を示している。
もっとも、当局もこの事例を例外的なものとは捉えていない。韓国では近年、医療用麻酔薬の不正流通や乱用が問題視されており、エトミデートもそうした流れの中で法的管理が強化された薬物の一つだ。
今回の羽月容疑者の件も一選手の不祥事として片付けるのではなく、医療用薬物がスポーツ界や一般社会へ流入するリスクという観点から、アジア全体で共有すべき課題として捉える必要がありそうだ。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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