Netflixが「キムチ」を中国語字幕で「辛奇(シンチ)」と表記し、韓国で注目を集めている。
これまでNetflixでは、多くの作品でキムチを「泡菜(パオツァイ)」と表記することが多かったからだ。
11月27日、誠信(ソンシン)女子大学のソ・ギョンドク教授は、自身のフェイスブックを通じて、「11月22日の『キムチの日』を迎え、多くのネットユーザーから情報提供が寄せられた」とし、「確認したところ『フィジカル100: ASIA』第12話でキムチの中国語字幕が『辛奇』と表記されていた」と明らかにした。
なぜ中国語表記にこだわる?

日本では馴染みが薄いが、韓国ではキムチの中国語表記について、強いこだわりを持っている。中国がキムチを「自国の文化」と主張している状況が背景にあるからだ。
韓国文化体育観光部は2021年に「公共用語の外国語翻訳および表記指針」を一部改正し、キムチの正しい中国語表記を「辛奇」と定めたが、依然として「泡菜」と訳されることが多いのが現状だ。
実際に、日本の牛丼チェーン「松屋」でもキムチの中国語表記が「泡菜」と表示されており、一部で注目を集めたこともあった。Netflixも同じく、多くの作品でキムチを「泡菜」と訳している。

そして、韓国の無形文化遺産と知られる多くの文化が、中国では自国の遺産として管理されている実態もある。
国会・文化体育観光委員会に所属するパク・スヒョン議員が、2024年10月4日に国家遺産庁から受け取った「中国が自国文化遺産として指定した韓国遺産の現況」という資料によると、「朝鮮族」関連という名目で、中国の「国家級」無形遺産で20件、「省級」遺産で81件の韓国遺産が指定管理されているという。
「キムチの製造方法」も中国では、吉林省・延吉市の伝統技芸として指定されているのだ。
ソ教授は「中国ではキムチの起源が『泡菜』であるとする“キムチ工程”を絶えず展開している」とし、「このような状況の中で今回のNetflixの『辛奇』表記は極めて歓迎すべきことである」と喜んだ。
さらに、「Netflixが持つ世界的影響力は非常に大きいだけに、今回の『辛奇』表記は中国の無理な主張を無力化する良い手本になる」とし、「今後もグローバルOTT(オンライン動画サービス)におけるキムチ表記が多言語で正しく行われるよう最善を尽くす」と付け加えた。
今後、さまざまな場面でキムチの中国語表記が「辛奇」へと変更されていくのか注目される。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
■【画像】「最低限の礼儀守れ」ついに“排便”する姿まで 韓国の文化遺産で外国人観光客の迷惑行為



