訪日ブームが続くなか、多くの韓国スターがプライベートで日本を訪れ、楽しいひとときを送っている。しかし、なかには日本でトラブルに直面したという芸能人もいる。
11月9日に公開されたYouTubeチャンネル「スンアな」では、女優ユン・スンアの東京旅行が収められた。幼稚園児の息子とビデオ通話をしながら街を巡り、42歳とは思えぬ童顔ぶりで視聴者を魅了したが、あるレストランでの出来事が波紋を呼んだ。
「味も量も良かったが、子供が小さなおもちゃを持っていただけなのに、あまりにも不親切に止められた」
具体的な店名は明かされなかったが、“観光客×子連れ×文化の温度差”が露呈した形だ。
日本の飲食店では「安全や他客への配慮」を理由に行動を制止することは珍しくないが、言い方や空気感によっては“冷たさ”として受け取られる。観光客の増加と接客の省力化が進むなか、こうした摩擦は今後も増える可能性がある。

一方、旅行者側のマナーが炎上を招くケースもある。
女優ミン・ドヒは9月、母と訪れた東北旅行の写真を公開。和やかな親子旅行の様子が好意的に受け止められたものの、仙台空港のベンチに座り「靴のまま足をシートに上げた写真」が拡散されると、一転、「公共の場で靴を履いたままは非常識」「旅行の浮かれ気分でも最低限のマナーは必要」と批判が噴出した。
擁護の声もあったが、韓国国内では尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が電車の座席に靴のまま足を上げ物議を起こした過去も引き合いに出され、スターの影響力と“公共意識”のバランスが議論となった。

さらに、“治安の良い日本”というイメージとは裏腹に、恐ろしい体験を告白したのはSISTAR出身のソユだ。
彼女は日本の地下鉄で受けた恐怖体験を告白した。「日本の地下鉄に乗っていたとき、知らない男性が突然、私の顔のすぐ目の前まで近づいてきた。顔に向かって何かをしようとするような動きに、とにかく動揺した」とし、身体を硬直させる以外に逃げ場のない状況だったという。
犯罪心理の専門家はこれを「公共空間での異常攻撃の典型」と分析し、「性犯罪や無差別的行動の可能性を否定できない」と指摘した。実際、日本の都市部では満員電車や地下鉄でのトラブルが社会問題化しており、訪日客も“安全神話”だけでは自衛できないのが現実だ。

安全が“無事”を保証しないという点では、北海道での事例も象徴的だろう。タレントのイ・ジヘは1月に公開したYouTube動画で、札幌旅行中に高速道路で交通事故に遭遇したと明かした。
そのレンタカーは大きく損傷し、家族全員が「死ぬところだった」と語るほどの衝撃だった。事故後に示された修理費は約7万円。「ソウルの工場なら2万円で済むのに」と嘆きつつも、「これが命の値段だ」と割り切るしかなかったという。
日本のレンタカー事情や修理費の高さ、冬道リスクなど、観光客が事前に把握しにくい“コストと危険性の盲点”も浮き彫りになった。

これらのケースが示すのは、「日本は安全でも、すべてが観光客仕様ではない」という事実だ。接客の距離感、公共マナーの視線、地下鉄の密閉空間、地方の路面状況、レンタカーの補償体系など、訪れる側も迎える側も「常識の前提」が異なる。
円安と訪日ブームで人流は加速し、日韓の距離はかつてないほど縮まった。だが、距離が近くなるほど、小さな誤解や温度差は鮮明になる。
スターたちの“想定外の洗礼”は、決して芸能ニュースの一コマではなく、観光大国・日本と大量訪日時代にある韓国が直面する「新しい国境なき摩擦」の縮図ともいえそうだ。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
■日本の地下鉄で“変態”に遭遇と語った韓国歌手、今度は人種差別を主張も「むしろ逆差別」



