女子バレー日本代表の島村春世(33)が、2025-2026シーズンの韓国Vリーグ女子部「最大のヒット選手」として注目を集めている。
ペッパー貯蓄銀行AIペッパーズ(以下、ペッパー貯蓄銀行)に所属する島村は、今季ここまでVリーグ4試合に出場して計59得点を記録している。1試合平均14.8得点という数字はミドルブロッカーとしては驚異だ。アタック成功率は47%で、ブロック部門でもリーグ全体8位に位置している。
身長は182cmと、ミドルブロッカーとしては突出して高い方ではないが、速攻や移動攻撃を自在に操る高い攻撃センスを持つ。セッターが難しいボールを上げても、自らステップとタイミングを調整して鋭いスパイクを決める姿は印象的で、韓国国内のミドルブロッカーではなかなか見られないタイプと目されている。

プレーの実力だけでなく、闘志あふれる姿勢やチームメイトとの調和といった面でも、チームに大きなプラスをもたらしている。まさに島村ひとりの加入が、チーム全体を生き生きと躍動させているといえる。
実際、ペッパー貯蓄銀行を率いるチャン・ソヨン監督も「島村はすでに本当によくやってくれている。エネルギーがあり、チームに良い影響を与えている」と評価する
島村の加入でペッパー貯蓄銀行はセンターラインが一気に強化され、シーズン序盤から旋風を巻き起こしている。11月2日の興国生命ピンクスパイダーズ戦ではストレート勝ち(3-0)を収め、クラブ設立以来初のリーグ首位に立った。ここまで4試合で3勝、直近2試合連続でセットスコア3-0の完勝と、その勢いはとどまるところを知らない。

活躍があまりに際立っていることから、指揮官は島村の攻撃参加をさらに増やしたい考えを示している。現在、島村のアタック占有率は17.7%で、ミドルブロッカーとしては異例の数値を出している。
チャン監督は「島村には常に占有率を確認しながら比重を与えている。もう少し高めてもいいと思う」とし、「練習中も多彩なプレーを求めている。スピードだけでなくパワーも兼ね備え、オープン攻撃も強烈だ。中央で相手を揺さぶることで、サイドの負担も軽くなる。効果は非常に大きい」と満足感を示した。
本来、島村はトライアウトで指名された選手ではなかった。ペッパー貯蓄銀行は当初、オーストラリア出身の長身アウトサイドヒッター、ステファニー・ワイラーを指名していた。ただ、同選手がアキレス腱負傷により出場が困難となったことで、代替選手として島村が選ばれる形となった。結果的に、この決断が大成功となったわけだ。

今季の韓国Vリーグ女子部に参戦した“新顔”の中で、これほど鮮烈な印象を残している選手は島村をおいてほかにいない。今後も彼女の活躍を期待したい。

    

          
          
          