俳優ビョン・ウソクの過剰警護騒動に対し、異例の判決が下された。
発端は昨年7月、ビョン・ウソクがファンミーティングのため香港へ出国する際に起きた事件だ。空港で警備員がゲートを封鎖し、搭乗客にフラッシュを浴びせたり、航空券を確認するなど、本来の業務範囲を逸脱した行為が問題視された。

仁川(インチョン)地裁のシン・フンホ判事は「光を照射する行為は物理力の行使に当たり、警備業務の範囲に含まれない」と指摘。公的権限を持たない警備員が一般客の移動を制限した点を違法と判断し、トラブルに関与した私設ボディーガードと警備会社に、それぞれ罰金100万ウォン(約10万円)の有罪判決を下した。
“警護される側”であるビョン・ウソクの空港利用の仕方にも言及があった。シン判事は「追いかけてくる人を避けるためなら、スケジュールを秘密にし、帽子やマスクで顔を隠し、人の少ない場所を利用すべきだった。堂々と移動したのは、ファンミーティングのように自身のスケジュールを演出として利用した側面がある」と指摘した。
今回の判決は、芸能人の空港移動に伴う私設警護の境界線を示したものとして注目されている。混雑を理由に一般客の通行を妨げたり、フラッシュ照射や航空券の確認といった行為は、警備業務の正当な範囲を逸脱していることが改めて確認された形となった。
判決について成均館大学のソ・ギョンドク教授は「今後、韓流スターや所属事務所にとって重要な先例となるだろう」と評価。また「公的な空間で一般市民に迷惑をかける行為はあってはならない。Kコンテンツが世界に広がるほど、基本的なエチケットを守ることがますます大切になる」と強調した。
韓国の芸能人が海外へ出国する際、空港での“出国ショット”は私服でプライベートな姿が垣間見える名物として、多くのメディアが詰めかけてきた。しかし今回のビョン・ウソクのケースが先例となり、同様のトラブルを避けるために、こうした風景も今後は減少していく可能性がある。