韓国芸能界が深い悲しみに包まれている。中堅俳優ソン・ヨンギュさんに続き、女性R&Bデュオ「As One(アズワン)」のイ・ミンさんの訃報が伝えられ、ファンや関係者の間で大きな衝撃が広がっている。
イ・ミンさんは8月5日、自宅で亡くなった状態で発見された。46歳だった。
現在は警察が詳しい死因を調査中で、所属事務所RANDNEW MUSICは「突然の悲報に、遺族および事務所関係者一同が深い哀しみに暮れている。葬儀は遺族の意向により、静かに執り行われる予定だ」と伝えている。
1978年12月15日生まれのイ・ミンさんは、1999年にクリスタルとのデュオ「As One」としてデビュー。『Day By Day』『Desire and Hope』『Wish you wouldn't know』などのヒット曲で知られ、韓国における女性R&Bデュオの“元祖”として評価されている。特に、イ・ミンさんの繊細な歌声はAs Oneを象徴する“色”だった。
As Oneでともに活動したクリスタルは、イ・ミンさんの訃報を受けて居住地のアメリカから急きょ韓国に緊急帰国している。

イ・ミンさんは2013年、ハワイで2歳年上の韓国人男性と結婚し、その後も音楽活動を続けてきた。先月にはAs Oneの新シングル『おめでとう、誕生日』をリリースすると、KBS2の音楽番組『THE SEASONS ~パク・ボゴムのカンタービレ』にも出演し、ライブパフォーマンスを披露していた。
As Oneのデビュー曲『Wish you wouldn't know』を作曲したユン・イルサンは、自身のSNSで「いつまでも唯一無二の美しい声で記憶している。君との作業はいつも幸せだった」と追悼の言葉を残した。
また、同時期に活動した歌手キム・ヒョンソンも「今となっては理由なんてどうでもいい。ミン、君は本当に素敵な人だった。いつも明るくて、楽しくて、優しくて…一度連絡すれば良かった。ためらうんじゃなかった。もう君の笑顔や声が恋しい」と偲んだ。
関係者は警鐘「悲劇的なニュースだからこそ…」
イ・ミンさんが亡くなる前日の4日には、ソン・ヨンギュさんも京畿道龍仁市(キョンギド・ヨンインシ)の車内で亡くなった状態で発見された。55歳だった。警察によると他殺の疑いはなく、メッセージも見つかっていないという。
1970年4月18日生まれのソン・ヨンギュさんは1994年、子ども向けミュージカルでデビューし、観客動員数1000万人超えの映画『エクストリーム・ジョブ』のチェ課長を筆頭に“名脇役”として活躍。近年では『ストーブリーグ』『ナルコの神』『カジノ』などの作品に出演した。遺作はNetflixでも配信中のSBSドラマ『TRY ~僕たちは奇跡になる~』となった。
ソン・ヨンギュさんと親交の深かった俳優イ・ジョンヒョクは、SNSで「自分のこと可愛がってくれた。ゆっくり休んでください。あまりにも虚しい。そんなに世の中が嫌だったのか」と深い悲しみをつづった。

立て続けに著名人の悲報が伝えられたことで、韓国芸能界全体が重苦しい空気に包まれている。SNS上にはファンや芸能人たちからの追悼の言葉があふれ、生前関わった制作陣やスタッフたちも動揺を隠しきれない様子だ。2人は特に直近まで精力的に活動していただけに、業界には大きな衝撃が走っている。
また、一部では著名人の訃報が社会に与える心理的影響、いわゆる「ウェルテル効果」への懸念も指摘されている。一部メディアが故人の私生活に過度に踏み込み、刺激的な内容ばかりを報道していることに対し、報道倫理の問題を問う声も上がっている。
韓国芸能界の関係者は、「悲劇的なニュースだからこそ、メディアは慎重な姿勢で報じる必要がある」と警鐘を鳴らしている。
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