インドネシア代表前監督のシン・テヨン氏が、韓国Kリーグ1(1部)3連覇中の王者・蔚山(ウルサン)HD FCの新指揮官に就任することが決定的となった。
本紙『スポーツソウル』の取材によると、蔚山がキム・パンゴン現監督を解任し、後任としてシン・テヨン氏を迎える方針であることがわかった。すでに細部の契約条件などについては合意しており、公式発表のみを残す段階となっている。
2022年からKリーグ1で3連覇を達成し、今夏のクラブW杯にも出場した蔚山だが、今季リーグ戦では23試合消化時点で8勝7分8敗、勝ち点31の12チーム中7位に沈んでいる。クラブW杯期間含め、公式戦直近10戦未勝利(3分7敗)と極度の不振に陥っている。
1試合未消化ではあるものの、1位の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース(勝ち点54)とは23ポイント差離れ、昇格プレーオフ圏内の10位・FC安養(アニャン/勝ち点27)とはわずか4ポイント差と、上位争いはおろか残留争いに巻き込まれるリスクを残している。
当初はユース総括ディレクターのノ・サンレ氏を監督代行に据える構想もあったが、上述の状況なども踏まえて実績のある監督を迎える方針に至った。過去に蔚山で指導経験のある人物などが候補に挙がったなかで、最終的に白羽の矢が立ったのがシン・テヨン氏だった。

今年1月にインドネシア代表監督を解任されたシン・テヨン氏は現在、韓国サッカー協会副会長とKリーグ2(2部)の城南(ソンナム)FCの非常勤GMを務めている。ただ監督復帰への拒否感はなく、蔚山のオファーも快諾したという。
蔚山は現在、長期の不振によって選手とコーチ陣の信頼関係にも亀裂が生じているという見方が多い。一部の選手は試合中の“意欲の欠けたプレー”が物議を醸すなど、チームの統率力が課題となっていた。そのため、個性ある選手の多いビッグクラブを掌握し、自らの色を注入できる“強いリーダーシップ”が求められていた。

そうした条件に合致する人物として、シン・テヨン氏が最適任と評価された。
現役時代は城南一和天馬(ソンナム・イルファ・チョンマ/現・城南FC)の主力選手として活躍し、2009年に同クラブの監督代行として指導者キャリアを始めたシン・テヨン氏。翌2010年には正監督に就任し、同年のAFCチャンピオンズリーグ制覇、2011年のFAカップ優勝など輝かしい成績を収めた。
以降は韓国代表アシスタントコーチ、リオ五輪のU-23韓国代表監督、U-20代表監督などを歴任し、2018年ロシアW杯ではA代表監督としてドイツ代表を撃破する歴史的勝利を演出した。2020年からはインドネシア代表を率い、世代別代表監督も兼任して大胆な世代交代や帰化選手の導入を進め、昨年のアジアカップでは同国史上初のベスト16進出を達成。翌2024年のU-23アジアカップでは韓国を破る快進撃を見せ、準決勝進出を果たした。
その後、北中米W杯アジア最終予選では日本にホームで0-4と敗れるなどしたなか、今年1月6日に解任が発表されていた。
蔚山は過去の実績や統率力を高く評価し、シン・テヨン氏をクラブ史上13代目の監督として迎える方針を固めた。シン・テヨン氏は2012年限りで城南の監督を退任して以来、実に13年ぶりにKリーグで指揮を執ることになる。
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