【インタビュー】吉本興業会長・大崎洋氏に聞いた!残りのキャリアでやりたいことは? | RBB TODAY
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【インタビュー】吉本興業会長・大崎洋氏に聞いた!残りのキャリアでやりたいことは?

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大崎洋【撮影:こじへい】
  • 大崎洋【撮影:こじへい】
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 4月18日から21日にかけて、沖縄県で開催された吉本興業が主催するエンターテイメントの祭典「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」。

 大手お笑い事務所として知られる吉本だが、近年は同イベントの他、全国47都道府県に所属芸人を定住させる「あなたの街に住みますプロジェクト」など、地域活性化に向けた事業を多数推進している。

 このほど、沖縄国際映画祭の期間中に、吉本興業代表取締役会長・大崎洋氏へインタビューを実施。吉本だからできる地域活性化について、沖縄国際映画祭について、さらには、自身の半生を振り返っての思い出、今後挑戦したいことなどを語ってもらった。

大崎洋【撮影:こじへい】

――吉本興業の地域活性化といえば「あなたの街に住みますプロジェクト」が有名ですが、同プロジェクトを始めようと思ったきっかけを教えてください。

大崎:2010年12月30日の夜、今の社長の岡本くん(岡本昭彦氏)と銭湯のサウナに入っている時に、たまたま備え付けのテレビで「地方が疲弊して若者の働き場所が減っていっている」というニュースを見ました。そこで思いつくままに「おかもっちゃん、これ、47人契約社員を雇って何かしたらええんちゃうの?」と提案すると、岡本くんもサウナの中で暑くてボーっとしてたからだと思うんですけど、「あぁ、いいっすよね~、はい、はい」って言うてくれて(笑)。それが、そもそものきっかけでしたね。

――そこから、47都道府県へ契約社員を派遣することになったのですね。

大崎:そうです。年が明けて2011年1月4日より会社のホームページで求人を出して、同年4月1日に入社式を迎えました。ところが、この間に3.11があって。入社式は、20数名の新卒採用の子たちと、47人の契約社員の合同でやったんですけど、一人ひとり挨拶をする時に、バタバタっと集めた47人の子たちのほうが堂々と胸を張って「地域のために、故郷のために、日本のために頑張ります」ってスピーチしていましたね。中には、涙を浮かべながらしゃべってくれた子もいて。それを見て、今の若者は云々かんぬんという人は多いけれど、僕らの世代よりも素晴らしいなと思いました。

――「住みます芸人」の皆さんには、どのように地方に住むことを提案したのですか?

大崎:吉本興業には東京と大阪に若い芸人の子らがたくさんいてるんですけど、テレビというメディアの中では出演枠に限界があります。そこで、その若い子たちを呼んで「地元に帰らないか? 君の実家どこ?」と聞いて「秋田県のナントカ村です」と答えたら「じゃあ、その実家、明日から吉本興業秋田事務所で」みたいな提案をしましたね。

――そして、芸人さんと契約社員の方が二人三脚で地域を盛り上げていくことになったと。

大崎:全員頑張ってくれています。47人の住みます芸人と47人の契約社員たちが若い力で臆面もなく市役所や知事さんのところに訪れて「僕ら吉本です! 昨日から住んでます!」って挨拶して、他にも、地元の青年会や商店街のお店を尋ねて回ったりもしました。そうやって地道に活動していくうちに、地元の方々にすごく可愛がっていただくようになりましたね。住みます芸人の中には、コミュニティFMでレギュラー番組を獲得した子もいたり、どっかの店のおばちゃんから「コロッケ毎日食べてもええで!」って言ってもらう子もいたり、地元企業の慰労会にゲスト出演して漫才をやるコンビがいたり……その当時、一番稼いでいた子で月収80万ももらっていました。(取材に立ち会った吉本社員のほうを見ながら)ヤバいんちゃう? 君ら負けてんちゃう?(笑)

大崎洋【撮影:こじへい】

――2016年からはアジアにも「住みます芸人」を派遣していますが、日本国内はある程度成功したという認識ですか?

大崎:いや、8年経ってようやく地元の方々に認められたかな、といったところです。これから地域の色々な課題を解決するために、住みます芸人や社員たち、地元の方々、ITのスタートアップ企業、あるいは様々な知見を持っている霞が関の方々、どこかの大学の人とかを結びつけながら、やっとスタートをきれるかなっていうイメージですね。

――「住みますプロジェクト」を始め、今の吉本興業は、お笑い以外の事業にも大変注力されている印象があります。

大崎:お笑いの会社がやれることって、みんなを笑顔にできる場をつくることやと思うんですよ。もちろん、既存のお笑いビジネスは本業中の本業として大事にしながらも、この時代にあったプラットフォームを設けることで、多くの人が楽しく過ごせたり、新しいつながりを持てたりもしているので、昔よりも社会性を帯びてきたのではないかとも思います。

――そのプラットフォームの一つが、今回の「沖縄国際映画祭」であると。

大崎:その通りです。沖縄には強力な観光産業があるものの、それ以外の産業がなかなか生まれにくいという土壌があります。だからこそ、エンターテイメントの産業を創出できるような島にして、沖縄の子ども・若者がもっと夢持って生きていけるような環境をつくっていきたいですね。
《こじへい》
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