雷門の瓦はなぜ落ちた?ドローンが日本の“屋根”と“屋根屋”を守る | RBB TODAY

雷門の瓦はなぜ落ちた?ドローンが日本の“屋根”と“屋根屋”を守る

ITの力で屋根にまつわる課題を解決する。そんな目的で設立されたのが、「日本屋根ドローン協会」だ。

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CLUEでは、iPadアプリ「DroneRoofer」を提供するほか、ドローンの導入から運用までを一括でサポートする
  • CLUEでは、iPadアプリ「DroneRoofer」を提供するほか、ドローンの導入から運用までを一括でサポートする
  • 都内で3月1日、一般社団法人「日本屋根ドローン協会」が設立された。平成30年度内にはサービスを軌道に乗せていきたいという
  • 日本屋根ドローン協会の代表理事を務める、石川商店 代表取締役の石川弘樹氏
  • 屋根の点検にともなう省力化が進む
  • 空撮写真はリアルタイムで手元のiPadに送られてくるため、施主と一緒に確認することも可能
  • 日本屋根ドローン協会の理事を務める、CLUE 取締役の夏目和樹氏
  • 写真はCLUEが推奨するドローンのひとつ、「DJI Phantom 4」
 日常生活の基盤となる自宅において、唯一、家主の目が行き届かない場所が、屋根の上。戸建てに住んでいる人であれば、台風や大雪の後に屋根の状態を心配した経験があるだろう。一方で点検をする側に視点を移せば、点検作業中に屋根から落下する事故も後を絶たない。

“屋根業界”の課題をドローンで解決


 報道でもよく目にする、高所からの転落事故のニュース。実際には、どのくらいの頻度で起こっているのだろうか。厚生労働省の2016年の報告によれば、建設業だけに限っても年間で846件が発生。そのうち、不幸にも40名の方が亡くなっている。もし仮に、地上から安全に高所の様子を確認できる術があったなら―――。それは長らく、業界人が抱く共通の思いだった。こうした現状をITの力で打破すべく、ある団体が設立された。その名も一般社団法人「日本屋根ドローン協会」である。

都内で3月1日、一般社団法人「日本屋根ドローン協会」が設立された。平成30年度内にはサービスを軌道に乗せていきたいという
都内で3月1日、一般社団法人「日本屋根ドローン協会」が設立された。平成30年度内にはサービスを軌道に乗せていきたいという


 日本屋根ドローン協会では、現代の屋根業界が抱える課題をドローン技術で解決し、日本の屋根産業を発展させることを目指している。メンバーには屋根の点検事業およびドローン技術に関わる有識者が名を連ねた。大学教授や弁護士などもこの動きに賛同している。そんな団体で、代表理事を務めるのは瓦問屋の石川弘樹氏。家屋の屋根トラブルを解決する、いわゆる"屋根屋"を稼業とする石川商店の若き三代目である。

2時間かけていた点検が10分で完了


 祖父の代から続く伝統の瓦屋とあり、石川商店には屋根の点検作業においても、これまでに培ってきたノウハウがあった。このため石川氏は、ドローンの導入には反対していたという。しかしある日、そんな考え方が180度変わる。

日本屋根ドローン協会の代表理事を務める、石川商店 代表取締役の石川弘樹氏
日本屋根ドローン協会の代表理事を務める、石川商店 代表取締役の石川弘樹氏


 とある家屋で一度、ドローンによる撮影を試した。すると、ドローンの空撮写真を手にした家主から「うちの屋根は、こんな風になっていたのね」と感心されたという。「それがとてもショックでした。これまでは社員が屋根に登って、できるだけ色々な角度から屋根を撮影して見せていた。でも、それだけでは正しく伝わっていなかったんですね。一方でドローンなら全景が撮れるので難しい説明はいらない。見ただけで玄関の上のあそこか、などと理解できる。写真をピンチインすれば、見たいところの拡大も自由。それが一枚の写真で済んでしまうわけです」。その日を境に、石川氏もドローンの積極活用を考えるようになった。

屋根の点検にともなう省力化が進む
屋根の点検にともなう省力化が進む


空撮写真はリアルタイムで手元のiPadに送られてくるため、施主と一緒に確認することも可能
空撮写真はリアルタイムで手元のiPadに送られてくるため、施主と一緒に確認することも可能


 業務上も、ドローンの導入効果は明らかだった。たとえば、はしごで屋根に登って点検する作業には、これまで2時間をかけていた。それをドローンによる空撮に切り替えたところ、最短で約10分で済むようになったという。石川商店では現在、ドローン空撮の点検作業を無料で請け負い、気軽に屋根の点検を依頼してもらうことで顧客との接点を増やし、そこから先のビジネスチャンスを広げている。
《近藤謙太郎》

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