東京電力、コンビニで公衆電源サービス「espot」!「電力ビジネスを見直す挑戦」 | RBB TODAY
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東京電力、コンビニで公衆電源サービス「espot」!「電力ビジネスを見直す挑戦」

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espotにプリペイドカードを接触させると電源が利用可能になる。AC 100V 2Aの充電コンセントとDC 5V 1.0AのUSBプラグは同時に使用できる
  • espotにプリペイドカードを接触させると電源が利用可能になる。AC 100V 2Aの充電コンセントとDC 5V 1.0AのUSBプラグは同時に使用できる
  • 東京電力エナジーパートナー 商品開発室インキュベーションラボグループの、竹村和純氏(左)と冨山晶大氏(右)
  • 東京電力エナジーパートナーによる公衆電源サービス「espot」。スマートフォンやPC向けに電源コンセントを安価に提供する
  • 「ここで充電できます」が目印。espotの実証実験の実施期間は8月23日~2017年1月9日を予定。実施場所はローソン25店舗、大戸屋5店舗などの都内36か所150台となっている
  • 精算はチャージ式のプリペイドカードで行う。QRコードをスマホで読み取ることでクレジットカード決済も行える
  • 利用イメージ。スマートフォン向けのACアダプタを挿したところ
 身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながる、いわゆる“IoT”の時代を迎えるにあたり、東京電力エナジーパートナーでは消費者のもとに電力を届ける、いくつかの新たなサービスを検討している。同社が開発を進める公衆電源サービス、およびソニーモバイルコミュニケーションズとの取り組みについて担当者に話を聞いた。

■公衆電源サービス「espot」

 公衆電源サービス「espot(エスポット)」は、コンビニや飲食店、空港などで手持ちの家電製品をいつでも充電できるという、コンセプトのもと開発。東京電力エナジーパートナー、ソニービジネスソリューション、関電工の3社が協力して23日から都内36ヵ所における実証実験がスタートした。

 espotでは100円/20分というような価格帯で、スマートフォンやPC向けに電源を提供する。精算を済ませた利用者は、コンビニのイートインスペースなどに設置された専用の認証型コンセントを使用できるようになる。精算は500円/5度数のプリペイドカード(espotカード)で行うほか、スマホを介したクレジットカード決済にも対応している。

 街中には100Vの電源コンセントを無料で解放している店舗もある。消費者にとって、無料で使えるに越したことはない。ただ、設置側には苦労もある。現に昔は電源を開放していたのに急に使用禁止になった、という店舗も少なからず存在する。espotの使用料には、いつでも確実に、店舗に気兼ねなく電源が使えるという安心感も含まれているようだ。なお100円/20分は可変で、例えば外食チェーンの大戸屋では無料で利用できるとのこと。料金設定は実証実験を通じて見極めていくという。

■利用データでマーケティングにも良い影響を

 電力の小売自由化など、国の制度が大きく変わりつつあるなか、東京電力エナジーパートナーとしても電気の供給の仕方を根本から見直していく。将来的には消費者が場所にとらわれずに、さまざまな場所で電気が使えるような環境を実現したい考えだ。

 同社商品開発室開発企画グループマネージャーの冨山晶大氏は「電力ビジネスを見直すひとつの挑戦になる。espotではいつ、どこで電源を使用したかをサーバーで管理できるので、例えばスポットに合わせたクーポンも配信できる。これによりダイレクトマーケティングにも良い影響を与えられる。また外で電気が使えるようになれば、家電製品の設計が変わってくる。従来のバッテリーの常識がくつがえることで、電化製品の進化も期待できる」との考えを示した。

■スマートホームの普及を目指して

 東京電力エナジーパートナーでは、「スマートホーム」の分野においてソニーモバイルコミュニケーションズとの業務提携も検討している。

 両社が実現を目指すスマートホームとは、家庭内の照明、空調、セキュリティなどをネットワークで連携することで、快適な住環境を実現する取り組み。IoT機器間の連携分野などでノウハウを持っているソニーモバイルと、HEMS(家庭内の電気使用量を把握できるシステム)などの技術を有する東京電力エナジーパートナーによるシナジーが期待されている。

 ここ数年、スマートホーム構想はさまざまなメディアで取り上げられてきた感がある。だが、普及はまだまだこれからという状況だ。この理由について、竹村氏は「最後の部分がまだ訴求できていないからではないか」と持論を述べる。「限りあるエネルギーを最適に利用できる、地球のためになる、エコになる、といったお題目だけではなかなか利用していただけない。最終的に実現できる世界が良いものであるという確信はある。大事なのは、その入り口としてお客さまにどう興味を感じてもらえるか。モノが格好良い、新しい体験ができそう、ワクワクする、人に自慢できる、そういった要素が必要」(竹村氏)と説明した。
《近藤謙太郎》
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