【現場リポート】水難救助もドローン活用の時代へ | RBB TODAY

【現場リポート】水難救助もドローン活用の時代へ

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これまでは岸から目視や双眼鏡などで情報収集していたのを、ドローンを活用することで、全体像の把握、要救助者に接近した情報収集が可能になる(撮影:防犯システム取材班)
  • これまでは岸から目視や双眼鏡などで情報収集していたのを、ドローンを活用することで、全体像の把握、要救助者に接近した情報収集が可能になる(撮影:防犯システム取材班)
  • ドローンにより収集した情報は、現場指揮本部にも集められ、救助活動の方針や装備の検討などに活かされる(撮影:防犯システム取材班)
  • 可視カメラによる救助活動現場のリアルタイム映像(撮影:防犯システム取材班)
  • 赤外線サーモカメラによる救助活動現場のリアルタイム映像(撮影:防犯システム取材班)
  • 使用されたドローンの機体は、DJIのInspire 1(撮影:防犯システム取材班)
 ドローンの普及に伴い航空法の整備なども行われているなかで、人命救助でのドローン活用もさまざまな方面で研究されている。

 そうしたなか、ドローンによる人命救助活用を提唱するスカイロボットは、山梨県警と富士五湖消防本部(富士五湖広域行政事務組合富士五湖消防本部)が夏の行楽シーズンを前に河口湖で29日に行った水難救助の合同演習において、ドローンを使った水難救助システムの実証実験を実施した。なお、ドローンを活用した水難救助は国内では初めての試みだという。

 合同演習は、富士五湖消防本部の水難救助隊が中心となり、山梨県警、河口湖消防署の隊員によるサポートで救助活動を行い、その活動をスカイロボットのドローンオペレーターがカメラ付きのドローンで支援するといった形で行われた。

 今回の実証実験で検証された活用方法は2つあり、ドローンに搭載した可視カメラによる現場周辺や要救助者の状態把握と、赤外線サーモカメラによる、潜水救助活動中の隊員の状況把握。

 1つ目の可視カメラによる状況把握は、これまで岸から目視や双眼鏡で状況把握を行っていたのを、ドローンを使うことで、俯瞰映像による全体把握や要救助者の近くまで接近した情報収集を目的としている。

 合同演習では、実際におぼれている人役を水面に配した形で行われ、湖畔の現場指揮本部に設置されたモニターにドローンによる空撮映像をリアルタイムで表示し、救助活動に役立てていた。

 そして2つ目の赤外線サーモカメラによる隊員による潜水救助活動の把握に関しては、水中に没してしまった捜索対象者を救うという想定のもと、あらかじめ水に沈めていた人型のダミーを隊員が実際に引き上げ、どれくらいの水深から可視化できるかといったことが検証された。

 これは、暗闇でも人物や障害物などを明確に区別することができる赤外線サーモカメラの映像を使い、夜間の救助活動の効率化、安全確保といった狙いがあり、昼間でも可視カメラと併用することでより細かな情報収集が可能になる。

 また、捜索対象者の表面温度を測定できることから、水面下に沈んだ要救助者の位置特定を迅速に行うシステムとしての利用も期待されている。

 ちなみに今回の合同演習においては、残念ながら狙い通りの結果にはならなかったが、スカイロボットの貝應大介社長は、「ドローンに搭載する赤外線カメラの機種選び、性能、チューニング方法などを検討していくことで、より実用的なシステムにしていきたい」と語っている。

 実際問題として、消防組織や警察などへの導入を前提とした場合、運用しやすく、導入しやすい価格帯にするためには、ドローンのサイズや搭載するカメラの価格に縛りが出てくる。

 そうした縛りがあるなかで、いかに実用的で導入しやすい価格設定にできるかは、今後のドローンを使った人命救助活動の課題といえるだろう。

 なお、マスコミ対応をしてくれた富士五湖消防本部の勝股消防司令は、ドローンによる情報収集ができることでの、救助作業の迅速化、救命率の向上、隊員の安全確保などに期待を寄せるコメントをしていた。
《防犯システム取材班/小池明》

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