■ECビジネスのコンバージョン率をいかに高められるか 次いでeminの音田氏が登壇し、「Emotion i」実現のコア機能となる「Emotion I/O」開発の背景とこれまでの経緯について語った。あらゆるオウンドメディアにおいて、0.03秒ごとに行動データをトラッキング。マウスの動きやフリック、タップをはじめページ遷移などから繰り返しデータを収集して人工知能が学習することでエンドユーザーがその瞬間に抱いている感情をリアルタイムで抽出する仕組みだという。「ECサイトにおいてはCVR(コンバージョン率)をいかに高めるかが課題ですが、サイトにアクセスしたエンドユーザーがどのくらいの購入意欲をもっているのかをリアルタイムで把握して、決断をひと押しするクーポンの発行などのアクションが必要です。『Emotion I/O』を応用した『ZenClerk』というサービスがすでにありますが、これにSBTの『SIGNAL』を融合することで飛躍的にCVRが高まるサービスにしたのが『Emotion i』です。単に特定の商品や価格を閲覧しているといったエンドユーザーの行動ではなくて、カーソルが価格とレビューとの間を行き来している、ほかの商品もたびたび閲覧しているといった動きをキャッチして“購買意欲”が高まっているのか、なくしつつあるのかまでを把握します」(音田氏) こうしたエンドユーザーの行動を“感情データ”として収集・蓄積するだけでなく、アクセス解析ツールとしてCVRの向上へと結びつけるのが「Emotion i」だ。不特定多数を対象にしている以上、特定のECサイトにアクセスしたすべてのユーザーが「良い経験」と感じているわけではない。なかには「悪い経験」と捉えているユーザーも存在する。「Emotion i」を活用することで、こうした「良い経験」の感情を“見える化”することができ、「悪い経験」のサイクルをよりよいUXへと改善するヒントを見い出すことも可能だという。「ページ遷移やカーソルの動きから購入意欲、購入確率をリアルタイムで把握していますので、たとえば購入意欲が10%下がったら割引クーポンを提示するといったタイムリーなマーケティング施策も可能になります。こうした施策を重ねていけば、、ECサイトの運営やデジタルマーケティングが大きく変わっていくと考えています」(音田氏) SBTの10年以上にわたる実績に、eminの高度なテクノロジーが融合した「Emotion i」は、「Attention(注意喚起のマーケティング)」から「Intension(意思のマーケティング)」へと、エンドユーザーが主体のデジタルマーケティングを可能にするツールの1つと言えるだろう。日々、収集・蓄積されていく膨大なデータをどうビジネスのイノベーションへと反映させていくかを具体的に提示したプレゼンテーションとなった。
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