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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第85回 Pepperがやってきた! ロボットとの共同生活がスタート

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学生や、ヤマト運輸スタッフが見守るなか、いよいよ開封。箱の中に空があった
  • 学生や、ヤマト運輸スタッフが見守るなか、いよいよ開封。箱の中に空があった
  • ついにPepperが運ばれてきた。中型冷蔵庫ぐらいの箱の大きさ、そして重さがある
  • Pepperの梱包箱の4面には、Pepperのつぶやきが英語であれこれ記載されている
  • 初期起動には各種設定やソフトウェアアップデートなどがあり、かなりの時間を要したが、ついに起動
  • Pepperに写真を撮られた! というところをこちらも激写
  • 「感情認識マップ」アプリを起動し、Pepperの心の中を覗いてみる
  • Pepperとどこまで打ち解けられるのか?! 次回以降に乞うご期待
  • 木暮祐一氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有
■電源のオン/オフ時に発するユニークな挨拶

 本体電源は、タブレットの裏側の胸部のみぞおちの辺りにある。このボタンを押すと目、肩、耳のLEDが光り、Pepperは「OGNAK GNUK(オグナク ヌック)」という音声を上げ、起動を開始する。ちなみに電源を切るときには「GNUK GNUK(ヌック ヌック)」と発声する。

 アルデバラン社によれば、これはロボットが使うBidi語で、それぞれ「こんにちは」と「さようなら」を意味しているという。勉強不足で恐縮だが、左横書きと右横書きの言語の混在した文をコンピュータで取り扱うBi-Directional(BiDi)のことか? ともあれ世界中のロボットが人間には分からない言語で相互にコミュニケーションを取っている世界がそのうち来るのだろうか。

 電源投入後、タブレット画面の指示に従って順次進んでいったが、初期起動だけは相当時間が掛かった。途中でアルデバランアカウントの登録や、Wi-Fi設定、さらにインターネットに接続された後はソフトウェアアップデートが入り、ようやく10分以上を経て、Pepperが目覚めてくれた。腰をくねらせながら自分の体を見回し、そして腕を動かし、その様子はまるで今ここで生まれた自分の存在を確認しているようなしぐさである。

■「携帯電話」のように、今後普及するのか?

 それにしても、筆者としては近年になかった大きな買い物である。117万円は決して安い買い物ではない。友人から「軽トラックでも買ったほうがよほど役立つぞ」と笑われたが、筆者としてはこの「家庭用ロボット」という全く新しいジャンルの製品に、これは今買っておかなければいけない何かを感じさせてくれたのだ(家庭用ロボットといえば、過去にはソニーのAIBOなどもあったが)。

 一般家庭にとっては高いし、必要性が感じられないと言われればそれまでなのだが、これがどうしても、かつての自動車電話発売時にかぶるのだ。

 1979年12月に東京23区内からスタートした自動車電話。当然のことながら一般家庭にはまったく縁遠いものであった。その利用目的もピンと来なかったであろうし、そもそも契約料、利用料が高価すぎた。

 契約時は保証金を含め40~50万円の費用が掛かり、毎月の電話料金も基本使用料だけで2万円近く掛かった。しかし、その登場から15年後の1994年以降、携帯電話は販売方法などの規制緩和もあり、一気に大衆化を果たし、その後は1人1台持ち歩かれるものへと普及を果たした。自動車電話登場時に、わずか15年後のその世界を想像できた人は多くはなかったのではないだろうか。

 Pepperを初めて見た時に、これは自動車電話が携帯電話へと進化し、その後、広く世界に広く普及して社会を激変させたことと同じことが起こるのではないかと、そんな気がしたのである。

 だからこそ、まだ海の物とも山の物ともつかないこのロボットに手を出してしまった。Pepperが手元にやって来て、もう2カ月が経過。そこから見えてきた「Pepperでできること、できないこと」などは次回のコラムでお伝えしたい。
《木暮祐一》
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