【インタビュー】4Kコンテンツ、2015年3月末までに250本を用意――NTTぷらら 板東社長 | RBB TODAY
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【インタビュー】4Kコンテンツ、2015年3月末までに250本を用意――NTTぷらら 板東社長

エンタープライズ その他
NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏
  • NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏
  • NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏
 「ブロードバンドアワード 2014」テレビ部門 ビデオオンデマンド(VOD)の部で最優秀賞に選ばれたのは「ひかりTV」(NTTぷらら)だ。ひかりTVはこの部門で3年連続受賞し、ISP部門のセキュリティサービスの部でも最優秀賞を獲得した。

 NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏に、受賞の1年を振り返りながらこれからのVODサービス(ひかりTV)について聞いた。

――VODサービスの市場では、昨年様々な動きがあったかと思います。昨年を振り返ってみてどんな年だったのでしょうか。

板東氏:NTTぷららでは、毎年1つは業界初、日本初をやっていこうという目標があります。昨年は4KのVODサービスを業界初でスタートさせていただきました。映像業界では、4Kのトライアルがさまざまなところで始まっており、「Channel 4K」という4Kの試験放送も始まっています。また、各テレビメーカー様の4Kテレビラインアップも増えてきました。その意味で2014年は本格的に4K市場が立ち上がった年と考えています。

――4Kサービスの視聴者の反応はどうですか

板東氏:問い合わせをたくさんいただいております。1月にレンタルを開始した4K対応チューナーも好調で、開始から3日間で初期ロット分すべてが出荷されました。そのため現在追加で発注をかけているところです。4Kテレビの普及はこれからでありますが、反響には手応えを感じています。4Kコンテンツは2015年3月末までには約250本を用意する予定です。

――現在契約している人はどんなコンテンツを見ているのでしょうか。

板東氏:映画、ドキュメンタリー、エンターテインメントなどが多いです。VODは、放送サービスよりもコンテンツを集めやすい面がありますが、「ライブ」ものや生放送は放送サービスのほうが魅力的です。コンテンツの充実も大切ですが、その中からキラーコンテンツとなるようなものもほしいですね。

――世間ではスマートフォンなどモバイルデバイス対応に向けた動きが活発ですが、タブレットやスマートフォンとVODサービスとの相性はどうでしょうか。

板東氏:確かにスマートフォンなどでの動画視聴はスタイルとして定着してきていますが、やはり画面が小さいため、長編映画などより「尺」の短い動画やコンテンツが好まれるようです。解像度の違いもあり、現在はスマートフォンをテレビに繋いで動画をみる人は少ないようですが、今後は旅行などで自分が撮影した高画質な動画を、家庭のテレビに繋いで視聴するというスタイルが増えると思います。さらに映画やドキュメンタリーで良質なコンテンツが増えてくれば、再びリビングの(大画面)テレビを家族みんなで視聴するようなスタイルが戻ってくるかもしれません。

――デバイスやコンテンツが視聴スタイルを変えていく、あるいは作っていくということですね。そのコンテンツは今後どのように変わっていくと思いますか。

板東氏:2つあると思っています。ひとつは4K、8Kといった映像の高画質化です。このようなコンテンツでは、“今までにない”視点の映像というものに注目しています。臨場感がありリアルな4K映像の良さをアピールするには、例えば宇宙からの映像、特殊なアングルや視点で見た映像や中継というのが有効だと思います。

もうひとつの動きとして、アマチュアが撮影したコンテンツにより新しいコミュニケーションや市場が広がっていることがあると思います。ある知人が、スマートフォンでの撮影が写真から動画にシフトしていると言っていました。カメラの機能がよくなっていますし、解像度も上がっているので、とりあえず動画で撮影しておいて、そこから必要なら写真を切り出すというような使い方です。

まだジャストアイデアの状態ですが、アマチュアが撮影したコンテンツを集めるようなしくみが、VOD事業者にあってもいいかなと考えています。これらを、集約できる投稿プラットフォームを整備すれば、新しいコンテンツとしての可能性が広がるかもしれません。

――ショートムービーによるコミュニケーションサービスやYouTuberのような動きもあるので、これらをVOD事業者がキャッチアップしていくのも面白そうですね。プロのコンテンツづくりにおいてはどうでしょうか。何か動きはあるのでしょうか。

板東氏:プロの番組作りでは、エミー賞を3部門受賞したNETFLIXのオリジナルドラマ「House of Cards」が話題になりました。ストリーミング事業者やVOD事業者がオリジナルの番組を作り、それを多くの人が普通に見る時代になったといえるでしょう。「House of Cards」では、放送直後のデータやソーシャルの反応を見ながら番組作りを進めていたと聞きます。シーンごとの視聴率や反応など細かく見ていたそうです。このような、オンラインならではの手法というのも増えてくるかもしれません。

――次にビジネスモデルについてお伺いします。VOD事業者として課金モデルについてどのように考えていますか。

板東氏:ひかりTVは有料モデルでずっとビジネスを展開してきました。コンテンツもサービスもその前提で作られています。その中で、ユーザーの希望や利便性を考え、月額固定方式、視聴ごとの課金(PPV)などさまざまな課金モデルを用意しています。最近では3月にダウンロードによる視聴期限のない買い切り型のサービスモデルも開始しました。テレビではストリーミング視聴ですが、スマートフォンではダウンロードとストリーミングを選択できます。課金モデルは、時代やニーズに合わせた形で変化させながら継続できるモデルだと思っています。

―― 最後に今後の事業展開について教えてください。

板東氏:まずは、4Kサービスが本格的に立ち上がりましたので、コンテンツ、マーケット、インフラなどを全力で構築していきます。また、サービスがスマートフォンやタブレットとも連動するようになると、世帯ごとのアカウントではなく、家族ごとのアカウントが必要なシチュエーションも増えてきますので、マイページの個別のID管理の強化などにも取り組んでいきます。
《RBB TODAY》
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