【Startup Asia Tokyo 2014 Vol.1】スタートアップの集まりは大好き……DeNA南場智子氏 | RBB TODAY
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【Startup Asia Tokyo 2014 Vol.1】スタートアップの集まりは大好き……DeNA南場智子氏

エンタープライズ 企業
DeNA 取締役ファウンダー 南場智子氏
  • DeNA 取締役ファウンダー 南場智子氏
  • Tech in ASIA レポーター David Corbin氏とのFire Side Chat(トークセッション)
  • Startup Asia Tokyo 2014
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 DeNA 取締役ファウンダー 南場智子氏は3日、渋谷ヒカリエで開幕したStartup Asia Tokyo 2014の基調講演に登壇し、自身の創業体験をベースに、若いスタートアップに向けた講演を行った。

 南場氏は「スタートアップの集まりは大好き」と述べ講演を始めた。DeNAは1999年にオンラインオークションで始まったが、スタートに出遅れヤフーの遠い背中を追い続ける状態が続いたという。その後、モバイルのオークションではNo.1を獲得するに至り、続けてスタートさせたモバゲーが大ヒットする。しかし、出会い系の事故や問題により対策に追われるようになった。さらに、コンプガチャ問題が追い打ちをかけるように持ち上がった。専門チームを作るなど対策などが落ちついた矢先に、今度は家庭の事情で取締役を退任することになって、現在は取締役として会社に戻ってきたところだとした。

 このように、起業というものは順調に進むことはなく、成功までには失敗や遠回りがつきものであることを、自身の経験をもとに語った。続けてビジネスを続けていくには『人』がいかに重要かという話に移った。DeNAでは創業時に10人の信頼できるメンバーを集めたといい、そのときに重視した5つの点について解説した。

 それは、人材の質に妥協しないこと、必要な人材の獲得には時間を惜しまないこと、そして3年、5年といった長いスパンで考えること、説得や説明は正直であること、そして最後は仲間になった人を信じること、だ。

 南場氏は、自社への転職に反対する親や家族とも話し合いを持ったり、他社を選んだ人もその後の接触を続けたり、SHOWROOMの人材を獲得するのに4年かかったエピソードなどを披露した。

 お金に関しては、選択肢が狭められるような出資は受けないことをアドバイスした。自分の株を自由に売れない、上場しなければならないといった縛りのある契約は回避せよということだ。とくにスタートアップは、最初から金融系の資本を入れる前に起業家、エンジェルと呼ばれる人の支援を受けるこをと勧めた。

 自身のやりたいことについては、日本でも起業を増やすこと、小学生からのプログラミング教育、ヘルスケア、ゲームエンジニアの地位向上、グローバルリーダーになることを挙げた。どれもDeNAの事業に関わるものばかりだが、プログラミング教育とヘルスケアは、最近ビジネスを立ち上げたり発表を行ったりしている。プログラミング教育については、基調講演のあとのトークセッション(Fireside Chat)でも、「効果やビジネスなどは手探りの状態だが、CSR的な事業として取り組んでいる」と述べていた。ヘルスケア事業は、従来からの病気になってからのシックケアではなく、その前段階でのヘルスケアに注目したいとして遺伝子解析サービスのMYCODEを立ち上げている。

 起業のプロセスで、南場氏が、もっとも面白いと感じるのは成功させる間、壁にぶち当たり信頼できる仲間とともに試行錯誤したり問題を解決する段階だという。アイデアを考えたり、成功を味わうことも楽しいが、この段階での姿勢の見せ方にあると説く。ここで誠実に取り組むことができたかによって、成功したときただの金持ちのひとりになるのか、世の中にインパクトを与えることができるリーダーになれるか違ってくるというのが南場氏の主張だ。

 ゲームアプリや教育関連事業、医療・遺伝子関連ビジネスは、有望とされる市場ではあるが、反面拙速なビジネスは事故やトラブルを生みやすい。過去にこれらの問題に対峙してきたDeNAは、MYCODEの事業についてもトークセッションでは「遺伝子情報はオーナーのもの」であると述べており、安易なサービスではないこと示唆していた。また、南場氏は「自分はまだ成功したと思っていない」とも語る。今後、引き続き起業家側の立場としてビジネスを続けていきたいとした。
《中尾真二》
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