年間500億円が消えている!? ポイント消失を防ぐ鍵は多様な利用先とスマホ連携 | RBB TODAY
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年間500億円が消えている!? ポイント消失を防ぐ鍵は多様な利用先とスマホ連携

エンタープライズ モバイルBIZ
カードを手に「au WALLET」の説明をする田中社長
  • カードを手に「au WALLET」の説明をする田中社長
  • 国内におけるポイント・マイレージの年間最少発行額の推計・予測値
  • ポイントが貯まりやすい「ポイントアップ店」
  • 「au WALLET」のポイントプログラム
 21日、KDDIおよび沖縄セルラーの電子マネーサービス「au WALLET」がスタートした。21日時点で事前のWeb予約は20万件を超えていたといい、滑り出しは上々と言えるだろう。

 同サービスは幅広い層に対しての使い勝手を考慮し、プラスチックカードを採用。世界210以上の国と地域にある約3,810万店のMasterCard加盟店で利用できることやスマホアプリとの連携、ポイントの付与などが特徴となっている。前回、他の代表的な電子マネーと比較しながらそれらの特徴をみていったが、今回は特に「ポイント」の部分についてフォーカスして考えてみたい。

 買い物等でポイントが貯まるサービスやカードは数多く存在するが、それが経済活動に与える影響は果たしてどの程度なのだろうか。前回同様、クレジットカードや電子マネーの評論家 岩田昭男氏に話を聞いてみたところ、「第二の通貨としてここまでポイントが浸透してくると、誰も無視する事はできなくなっている。消費者に対しては購買意欲の増進などの効果が、企業側にとっては顧客囲い込み、つなぎ止めの効果があり、リピート客の育成にもつながっている」とのことで、「経済に与える影響も大きくなる」という。

 16日に野村総研が発表したところによると、国内の主要企業が発行するポイント・マイレージを現金に換算すると2012年度で少なくとも8,684億円。2011年度の9,772億円からは減少しているものの、今後は回復傾向にあり、2018年度までには再び1兆円に迫る規模になると予想されている。こうしたポイント・マイレージの発行対象となる決済自体は年間70兆円を超えており、その影響の大きさが伺える。一方で、せっかく貯めたポイントを使わないまま、期限切れなどで消失していることもある。岩田氏は、「大手のポイントサービスだけでも年間500億円分のポイントが失効している。ポイントには注目しているものの、実際の行使はいい加減という人がまだ多い」とした。使い勝手が悪く、見返りが小額のポイントサービスほど失効率が高くなる。ポイントを無駄にしないためには「効率よく貯まり、日常的にポイントを使用できるサービスを選んだ方が良い」とのこと。

 au WALLETについて、KDDIの田中孝司社長は「プリペイドカードとスマホアプリの組み合わせで使い勝手が良くなるはず」と自信をみせている。21日にサービスを開始した「au WALLETアプリ」では、ポイント取得状況を確認でき、さらにポイントが利用できるサービス、ポイントアップ店やキャンペーン情報の確認もできる。日常的に使用しているスマホ上で日々確認ができるため、うっかり期限切れを起こすといったことも少なくなるだろう。ポイントは、MasterCard加盟店やMebMoney加盟サイトで利用可能であり、仮に店舗やサイトで使う機会が無くても、8月からはスマホの通信料に充てることも可能になる予定だ。ポイント付与率に関しては、200円で1ポイントとなっており、他のサービスと比較して特別高いわけではない。ここに関しては、セブン-イレブンを初めとした「ポイントアップ店」で200円につき2ポイント~3ポイントが貯まるほか、au スマートパス会員へのボーナスポイントプレゼント、auショップ店頭でポイントが当たる「ウェルカムガチャ」などでお得感を出している。ポイントアップ店の増加や新たなキャンペーンなどには引き続き期待したい。

 消費増税の影響もあって、ポイントサービスへの注目度はますます高まっている。ポイントの有無でお店を選ぶ習慣は徐々に浸透してきているが、今後はいかにポイントを効率よく貯めて、そして使い切れるかということを念頭に、決済手段を選ぶことも重要になってくるだろう。
《白石 雄太》
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