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アジアから世界にイノベーションを発信する……LINE森川社長、ジェリー・ヤン氏らとトークセッション

エンタープライズ 企業
LINE 代表取締役社長の森川亮氏
  • LINE 代表取締役社長の森川亮氏
  • 森川氏はアジアからアメリカ、世界へイノベーションを発信していくと宣言
  • :新経済サミット2014トークセッションの様子
  • 4月1日に世界の登録ユーザー数が4億人を突破
  • :AME Cloud Venturesのジェリー・ヤン氏
  • 起業家のマット・ウィルシー氏
  • 司会の夏野剛氏
  • 新経済連盟理事の平井康文氏がイベント2日目の開会を宣言
 新経済連盟が主催する「新経済サミット2014」が、4月9日・10日の2日間、東京千代田区のホテルニューオータニで開催された。イベント2日目の10日午前には、LINE社長の森川亮氏、AME Cloud Venturesの共同創業者であるジェリー・ヤン氏、起業家のマット・ウィルシー氏によるトークセッションが行われた。

 「Accelerating the innovation(イノベーションを加速させる)」と題されたトークセッションでは、企業におけるイノベーション(改革)をいかにして促進させるかというテーマのもと、起業家や投資家として持つべき心構えや、経営者として的確にビジネスチャンスを捉えるために養うべき視点などについての議論が交わされた。司会進行は夏野 剛氏が務めた。

■LINEがアジアから世界にイノベーションを発信していく

 はじめにLINEの代表取締役社長である森川氏から、コミュニケーションアプリ「LINE」の成功モデルが紹介された。LINEのサービスは去る4月1日に世界の登録ユーザーが4億人を突破。成長の背景にはコミュニケーションプラットフォームとしての新しい価値を創出しながら、世界各国でのニーズに合わせてサービスのローカライズを徹底したことがあると述べた。

 企業がイノベーションを実現するための課題について触れた森川氏は、「革新を起こす際には既存の価値を壊さなければならないが、本当の意味で今までのやり方を壊せるかが重要だ」とした。イノベーションを実現しやすい環境については「企業規模ではなく、スピード感をもって新しい価値を実現できる環境が整っていること」を条件に挙げる。そのキーファクターとしては、資金力も大事であるが、それよりもイノベーションを実現できる「人」が集まっていることであるとする。

 投資家へのメッセージとして、「サービスと利益の重要度を秤にかけた場合、そこで必ず利用者にとっての価値を高めることを最優先に考えて欲しい」と、まずは利用者の価値を高めた後に利益を生み出していくというビジネスモデルを確立することの重要性を説く。そのサービスを開発する際には、技術にこだわり過ぎるのではなく、技術を駆使していかに早く、スピード感をもって価値を生み出せるかが大事であるという。「意志決定の方法については、私自身はなるべく先の計画を立てないようにしている。昨今は曲がりくねった道で先が見えない時代。計画通りに物事が進行しないと気持ちが悪いという考え方もあるだろうが、世の中の変化についていくことに時間をかけ過ぎてはならない。むしろ色々な変化に素速く対応できる体質を養いながら、3ヶ月先ぐらいをみながら機敏に意志決定していくことが必要」(森川氏)

 森川氏はさらに「組織」の意志決定についてはトップダウン方式ではなく、常に柔軟に動ける“サッカー型”の体制を構築すべきという持論を展開。現場のリーダーに判断を任せながら、瞬間ごとに素速く意志決定ができる組織の重要性を指摘した。また「LINEでは余り会議を頻繁に開かないようにしている。なぜなら会議を繰り返しているうちに、尖ったアイデアの角が取れて丸くなってしまうことがあるからだ。何かを思いついたら、取りあえずそれを出しみる。そしてユーザーの反響を見ながら、改善点があれば迅速に対応していくことが大切。ユーザーが潜在的に求めるものを、積極的に顕在化するというアプローチだ。ダイバーシティ(多様性)を持ちながら瞬時に意志決定を下して、結果生まれたサービスで世界にチャレンジしている」とした。

 スピーチの最後には今後LINEが目指すチャレンジの方向性について触れ、「これまでのインターネットサービスはシリコンバレーから発信されるものが多かった。LINEはアジアから世界にイノベーションを発信したいと考えている。単にサービスをつくるだけでなく、世の中に変革を生み出したい。とはいえ、変革とは大それたものではなく、地道な物事をイメージしている。例えるならそれは“道”のようなもの。人が前に進んでいくためには、必ずそこにあるべきものをかたちにしていくということ。社会に貢献できるインフラのような存在になっていきたい」と意気込みを語った。
《山本 敦》
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