【インタビュー】菜々緒 “惑わされない”クールビューティの本音 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】菜々緒 “惑わされない”クールビューティの本音

エンタメ 映画・ドラマ
菜々緒/写真:黒豆直樹
  • 菜々緒/写真:黒豆直樹
  • 菜々緒/写真:黒豆直樹
  • 菜々緒/写真:黒豆直樹
  • 菜々緒/写真:黒豆直樹
  • 菜々緒/写真:黒豆直樹
  • 『白ゆき姫殺人事件』3月29日全国公開 (C)2014「白ゆき姫殺人事件」製作委員会 (C)湊かなえ/集英社
 「好き」「嫌い」「かわいい」「カッコいい」「サバサバしてる」「冷たそう」「面白い」etc…世間の声など勝手なもの。「菜々緒についてどう思うか?」と尋ねれば、直接、言葉を交わしたことのない彼女について、良いイメージからそうでないものまで無数の声やイメージが語られるだろう。だが、そんな“世間”に彼女は動じない。惑わされない。

 「芸能界に入る以前の学生の頃から、会ったことも喋ったこともない人に嫌われたりすることは結構、ありましたからね(笑)」。

 あっけらかんとした口調で語るが、それは簡単に「気にしない」などと振り払えるものではなかったはずだ。だが、そんな話を聞いて、彼女がバラエティやトーク番組で引っ張りだこの“ブレイク”と呼べる時期を経ても、落ち着きや平衡を失わずにいられる理由が分かった気がする。そして、映画初出演となった『白ゆき姫殺人事件』において演じた役柄が、彼女がやるにふさわしい役柄であったということも――。

 原作は「告白」の湊かなえの同名小説。菜々緒が演じたのは、死体で発見される女性・三木典子である。美人OLの死は“白ゆき姫殺人事件”としてワイドショー、そして匿名の人々が集うインターネット上をにぎわせることに。やがて彼女と同期の地味なOL・城野美姫(井上真央)に疑惑が向けられ、報道は過熱の一途を辿るが…。

 めった刺しにされた典子の凄まじい“死体”姿もある意味で見どころだが、本作の恐ろしさは人間の多面性。物語は美姫や典子を知る周囲の人々の“証言”によって構成されるが、一見「仕事ができて面倒見のよい美人OL」の典子の本性、“裏”の顔が様々な証言から徐々に浮かび上がってくる。

 「見方によって、人格やイメージが全然違うものになるという面白さはすごく感じました」と語る菜々緒。飲み会での振る舞い、後輩への態度など、同じ言葉や行動について語っているのに、“証言者”次第で、全く異なる複数の三木典子像が描き出されていく。当然、一人の人物を全く異なる人格で演じるという難しさがあった。

 「同じ居酒屋でのシーンでも『まずは“良い”典子いきます!』と言われて、ひと通り撮影した後で『今度は“雰囲気わるい方の”典子いきます!』という感じで(笑)、同じシーンを人格を変えて2パターンずつ撮っていくんです。面白さはありましたが、混乱するところもありましたね」と振り返る。

 そして、本作のもう一つの恐ろしさが、TVの報道やインターネットにより、被害者や容疑者の個人情報がさらされ、ウソや勝手なイメージを付随されてあっという間に世間に広がっていくという事態。特にここ数年の「Twitter」「Facebook」といったソーシャルネットワーク(SNS)の普及が、その流れに拍車をかける。ここで描かれていることは菜々緒にとっても「いつ自分に降りかかってもおかしくないと思ったし、決して他人事ではなかった」と語り、彼女自身のこんな実体験を明かす。

 「自分のブログでお風呂上がりの写真を上げたことがあったんですが、それが『菜々緒、すっぴん公開!』という形でニュースになったんです。実際には、カラコンも付けていたし、まつ毛エクステもしていて、そもそも私自身はひと言も“すっぴん”なんて言ってないんです。ただ『お風呂あがりました!』と書いただけで…。それが“自称すっぴん”なんて書かれ方をして、炎上というか、私のブログではなくニュースだけを見て『こんなのすっぴんじゃない!』って怒ってる人もいて…。歪んでるなと思いますね。SNSは便利だけど、そうしたツールやワイドショーで語られることが全て真実ではないと実感したし、直接会って、話をするということの大切さを改めて感じました」。

 冒頭で紹介した彼女の言葉は、この映画について語った言葉のようにも聞こえるが、実は芸能界という世界での彼女なりの立ち居振る舞いについて尋ねたときの答えである。ある意味、当然とも言えるが、芸能人や女優という仕事は、会ったことも話したこともない視聴者・観客がそれぞれに抱くイメージによって成り立っている職業とも言える。それを菜々緒は理解し、自らの居場所を見つけている。ここ数年の間のブレイクを含め、彼女は冷静に分析している。

 「モデルもそうだし、バラエティ番組も同じですが、“役割”というのがあると思います。このトークで求められるのはこういうことだなというのが分かるんです。私自身、状況に波長を合わせるのがわりと得意というか。求められるものがあり、それに応える――そういう中でいろんなところに呼んでいただけるようになったのかなと思います。あと、こう見えて私、何をするにも予習復習を必ずやるんです。客観的に自分を見るということで、ステップアップできたのかなと感じてます」。

 今回、映画は初出演となったが、すでにドラマでは主演作もあり、着実に女優としてのキャリアを積み重ねている。

 「お芝居の楽しさというのをすごく感じます。自分に合う役柄がある限り、続けていきたいですね。今回、初めて映画をやらせていただきましたが、舞台にも興味があります。目の前で、その場で反応が返ってくるものに興味があるんです。もっとお芝居を勉強できたらと思っています」。

 この細い体の中心にある強心臓とクールな分析力を武器に突き進む。


【ヘアメイク:双木昭夫(クララシステム)、スタイリスト:柴田一宏(DRAGONFRUIT)】
《黒豆直樹》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top