歯列矯正治療で3Dモデリング活用……国内3例、治療期間40%短縮も可能に | RBB TODAY
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歯列矯正治療で3Dモデリング活用……国内3例、治療期間40%短縮も可能に

IT・デジタル その他
スキャナー(3Dカメラ)
  • スキャナー(3Dカメラ)
  • ロボットアームでワイヤーベンド(針金の曲げ加工)
 さまざまなモノづくりの現場で活用されている3Dプリンター。東京・渋谷区の渋谷矯正歯科では、最先端の3Dモデル技術を使った3Dデジタル歯列矯正「SureSmile(シュアスマイル)」を行っている。医療の現場でも3Dモデリングの活用が始まっている。

 「SureSmile」は、矯正歯科の先進国アメリカでデジタル技術による次世代の歯列矯正治療を目的に特別に開発されたシステムで、歯列矯正の精度向上と治療期間短縮が可能になる治療法。口腔内を3Dで精密に再現し、この3Dモデルを用いることであらゆる角度から歯並びを分析でき、矯正専門医による最善の治療計画が可能となる。日本国内における「SureSmile」導入例は、まだわずか3例。首都圏では渋谷矯正歯科が唯一となる。

 特徴としては、「SureSmile」では最先端のロボット技術によって、人の手に頼るワイヤー製作では不可能だった精度で、症状に応じたワイヤーを精密かつ正確に製作。3Dモデルによるシミュレートにより頻繁なワイヤー交換も必要なく、従来型の歯列矯正にくらべ約40%も短い期間での治療を可能にした。交換時の違和感も最小限に抑えられる。

 具体的に治療の流れを見てみよう。まずは通常の矯正治療同様、カウンセリングと歯型取得、レントゲン撮影、写真撮影、CT検査などでデータ収集を行い、続いて「SureSmile」での口腔スキャンを行う。「オーラスキャナー」と呼ばれる3Dカメラで、約1時間かけて口腔内のすべてをスキャンする重要な工程だ。

 次にそのスキャンデータをアメリカのSureSmile Digital Labに送り、高精度の3Dモデルを作成。高精度3Dモデルを元に渋谷矯正歯科側で治療計画を作成し、SureSmileのワイヤーのデザインを決定。専用ラボで最先端ロボットアームが高精度SureSmileワイヤーを製作し、それが日本に送られて治療の開始となる。

 治療期間は、約1~2年と通常の矯正治療と比べ約40%短縮可能。来院も4~6週ごとで済むという。

 製造業では導入が進む3Dモデリングだが、今回の3Dデジタル歯列矯正のような医療の現場をはじめ、今後はさまざまなジャンルでも活用が進みそうだ。

口腔内をスキャンして3Dデータ化

※記事は取材時点の情報に基づいて執筆しています。閲覧時点で実際の状況が変更されている場合もあります。
《関口賢》
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