【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス

IT・デジタル その他
【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
  • 【進化するオフィス】9年前からフリーアドレスを導入! ハイブリッドワークに向けてリニューアルされたコニカミノルタジャパンのオフィス
 フリーアドレスの導入など、ハイブリッドワークに向けて進化を遂げているオフィスを紹介する本連載。今回は複合機などのオフィス機器、産業用計測機器などを手掛けているコニカミノルタジャパンの本社オフィスを紹介する。


本社移転を機に、2014年からフリーアドレスを導入



 コニカミノルタジャパンは東京を拠点に、全国に支社を構えており、従業員数は3345人(23年4月時点)。そのうち、約1000人が浜松町にある本社オフィスに在籍している。

 同社では新型コロナウイルスの感染拡大以前からテレワークに取り組んでおり、現在は約76%のスタッフがハイブリッドワークを行っている。全社員の44%が「どちらかというとテレワークが多い」とのことで、ニューノーマル時代の働き方にも柔軟に対応しているといえるだろう。

 社内でオフィスデザイン・施工を手掛ける空間デザイン統括部 技術部 デザイングループ リーダーの梅田眞世氏によると、同社では2014年に本社オフィスを浜松町に移転した頃から、働き方改革に取り組んできたという。その主な内容が以下の通りだ。

・2014年:本社オフィスの移転。フリーアドレスを導入
・2016年:保管文書ゼロ化(ペーパーレス)に着手
・2017年:テレワークを全社で運用
・2021年:本社オフィスをリニューアル

「本社オフィスでは浜松町への移転をきっかけに、社内のコミュニケーションを活性化させるために、フリーアドレスを導入しました。当初は同じ場所に座る社員が多いなど、浸透するには時間がかかりましたが、翌年にペーパーレスに着手したのが大きかったですね。これで、上司と部下が近くにいなくても、書類の確認などの業務が円滑に回るようになりました」(梅田氏)

 また、梅田氏によると、最初にグループアドレスという形で、同じ部署の社員ごとに集まるような仕組みにしたのも良かったという。このステップを踏んでいる間に、“他の部署の人間が自然と話しかけられる雰囲気”が徐々に構築されていき、本格的にフリーアドレスを導入した後のコミュニケーションの活性化につながったようだ。


働く価値を高める7つのHigh



 コニカミノルタジャパンでは、オフィスに「創造性」「業務効率」「エンゲージメント」という3つの価値が求められていると考えている。これを高いレベルで維持して、働く価値を高めるためには、7つの分野でオフィスのパフォーマンスを高める必要がある――というのが、同社が2021年に東京オフィスをリニューアルした際に提唱した、コンセプトの一つだ。

【働く価値を高める7つのHigh】
・High Focus
・High Collaboration
・High Creativity
・High Function
・High Secure
・High Innovation
・High Community

 この理論を実証実験するために、本社オフィスでは2021年に大規模なリニューアルを実施。フリーアドレスを採用した上で、上で紹介した7つのパフォーマンスを向上させるために、それぞれに特化した7つのエリアを整備している。

25階は執務フロアとなっており、High Focus、High Collaboration、High Creativity、High Function、High Secureの5つにエリア分け

26階は来客フロアとなっており、カフェスペースの「High Innovation」エリア、来客対応をする「High Community」エリアとなっている

 梅田氏によると、理想のオフィスの形をカテゴリ分けして整理することで、「働く場所に何を求めているか?」が社員自身にとっても見えやすくなるという。例えば、

――何か急ぎの仕事がある時には、集中力の向上に特化した「High Focus」エリアに移動する。

 同僚や部下と円滑なコミュニケーションを取りたい時は、開放的な「High Collaboration」エリアや、高機能なビデオ会議システムを用意した「High Function」エリアに集合。

 クリエイティブな業務を行う時には、創造力を高めるような工夫が施された「High Creativity」エリアに足を運ぶ――など。

 オフィスの持つ役割を明確にすることで、社員たちは何かの目的のために出社するようになった。実際に社内でとった「目的をもってオフィス出社をしているか?」というアンケートでは、実に97%の社員が「はい」と回答している。さらに、在宅とオフィスのそれぞれで効率化する業務が明確化したため、「自分がどういう働き方をしたいか」を社員1人1人が考えるきっかけにもなったようだ。

 ただし、オフィスの価値を高めるためには、バックオフィスや営業などの職種や職制による働き方を整理し、行動特性を理解することも重要だと、空間デザイン統括部 デザインDX部 部長の星野雅信氏は話している。

「さらに、ワークショップやアンケートを実施するなど、現場で働く社員を巻き込み、“オフィスに来る目的”や“オフィスの使い方”を意識させることで、先に紹介した3つの価値を高めることができます」(星野氏)


7つの目的に特化されたエリアに行ってみた!



 さて、ここからは7つにエリア分けされたオフィスの様子を、実際に見ていこう。

【High Focusエリア】

パーティションで区切られた/区切られていない席を配置

 集中力の向上に特化したエリア。電話の使用はNGで、ビデオ会議は壁際の半個室でのみ可能となっている。さらに、天井裏にスピーカーを配置し、マスキング音と呼ばれる特殊な音を鳴らすことで、隣接する「High Collaboration」エリアの声などを聞き取りにくくしている。

 エリア内にはサイズと開放感の異なる5種類の席を配置しており、家具の色、照明の色や光量を変えることで、集中力に差が出るかも検証。結果として、高機能で開放的な席よりも、狭くてもパーティションで周囲を区切られた席の方が「周囲の情報が視界に入らない」「静か」だと人気だった。

一番集中できると人気だった席

自動昇降機能付きで、テーブルの天板も広い席だが、開放感がありすぎるためか、あまり人気がない

窓際の席では椅子のヘッドレストに、周囲の視界を遮るシールドを設置


【High Collaborationエリア】

開放的な空間でコミュニケーションを活性化。多彩な什器を配置し、目的に合わせて空間を自由に選べるようになっている

 プロジェクト単位などで、部署を問わずに人員が集まり、ミーティングやプレゼンテーションを行うことを想定したエリア。開放的な空間に様々な種類の什器が配置されている。モニターやプロジェクターなどの機材は、自由に移動させることが可能だ。

 床をマス目で区切っており、各マスに異なる椅子やテーブルを設置している。これらの什器はサブスクリプションによって導入されており、アンケートや利用率に応じて交換することもあるようだ。

【High Creativityエリア】

脳に刺激を与えて、発想力を高めることを目的としたエリア

 クリエイティブな作業を行うために用意されたエリア。テントや芝生、リクライニングチェア、さらにはプラネタリウムなど……。脳をリラックスさせたり、刺激を与えて活性化させるような仕掛けが用意されている。

 さらに、「アイディアは1人で机に向かっていても生まれない」という考えのもと、同僚と簡単なミーティングを行ったり、アイディア出しをするためのスペースも配置していた。

芝生を敷いて、素足で上がれるスペース。寝転がって仕事をしていても、「誰かに何かを言われることもない」とか

テント風の仕切りで、周囲から切り離されたスペースも

発想のヒントになりそうな本棚も設置

リクライニングシートに寝転がりながら作業できる

ミーティングやアイディア出しのためのスペースも完備


【High Functionエリア】

充実したオンライン会議システムを完備した会議室

 オンライン会議での利用も想定した会議室。これまでのエリアとは異なり、ドアで仕切られた完全な個室となっている。

 「High Function」という名前の通りに、オンライン会議システムなどの機能性を追求。壁は一面がマグネットボード、もう一面がホワイトボードになっているほか、机の一部もホワイトボードのように利用できる。

机がホワイトボード仕様となっており、マーカーで文字などが書き込める


【High Communityエリア】

カフェスペースではコーヒーを飲みながら仕事をしたり、同僚と話をしている社員の姿が

 コーヒーブレイクに利用できるカフェスペース。社員同士やお客様とのコミュニケーションに利用する場として提供されており、社員のエンゲージメントを高める効果も期待されている。

【High Innovationエリア】

来客時の打ち合わせ用に、いわゆるファミレス席を完備

 来客時の打ち合わせに利用するためのエリア。ファミレス席のほかに、大きな会議室も用意されている。リラックスできるように暖色系の照明や家具を配置した。

 なお、High CommunityエリアとHigh Innovationエリアは、来客の利用を想定しており、他のエリアとは1つ下のフロアに用意されていた。また、本社オフィスにはもう一つ「High Secureエリア」が用意されているが、こちらは社長室やサーバールームといったセキュリティが強化された場所となっており、一般には非公開となっている。

席の予約や宅配便の受け取りなどにクラウドサービスを利用

オフィス内にある席を利用する際には、事前の予約が必要

 ここまで紹介してきたエリアのうち、High FocusエリアやHigh Collaborationエリアなどはフリーアドレスで運用されており、利用する際には事前に席の予約が必要となる。予約の申し込みはスマホから行うことが可能だ。

 ただし、予約は2時間単位で行うことになっており、時間を超えた場合には席の移動が推奨されていた。これは、人気の席が利用者で埋まってしまうのを避けることを目的としたもの。High Focusエリアなどは特に人気となっているが、「集中が必要な業務ばかりではないので、状況に応じて使い分けてほしい」(梅田氏)といった意味もあるようだ。

 その他、同社では電子契約に「Acrobat Sign」を、経費精算に「Concur」をというように、バックオフィスでの業務にクラウドサービスを積極的に利用している。これは、フリーアドレスを進める中で書類を紙で運用していると、置き場所を用意したり、署名を受け取りやすいといった理由から、場所に縛られてしまうためだという。

 一方、フリーアドレスになったことで、宅配便などの荷物の自分の席で受け取ることができなくなったが、これについても専用のオンラインシステムが導入されていた。会社に届いた荷物は部署ごとのスペースに仕分けられ、荷物の詳細をメールで通知。スペースから荷物を回収した後は、受領の確認までをオンラインで行えるようになっている。

オンライン会議用のボックス席は、3タイプのものを比較検証していた

 コロナ前からフリーアドレスやテレワークを積極的に導入することで、いち早くハイブリットワークに対応し、それに合わせたオフィスを構築してきたコニカミノルタジャパン。同社では、その知見を活かしてオフィスのリニューアルを、新たなビジネスとして展開している。

 同社の強みはマルチベンダーのため、自社製品以外にも様々な機材を提案できることだ。それも、自社のオフィスで機能性などを実証実験しているため、会社の業務内容などにカスタマイズした提案が可能。コンサルティングからサービスを提供しており、オフィスの内覧も受け付けている。
《とびた》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top