【MWC 2014 Vol.61】MozillaのFirefox OS開発者に聞く、今年の最新トピックスと日本市場への取り組み | RBB TODAY

【MWC 2014 Vol.61】MozillaのFirefox OS開発者に聞く、今年の最新トピックスと日本市場への取り組み

エンタープライズ ソフトウェア・サービス

Mozilla Corporation ジョナサン・ナイチンゲール氏
  • Mozilla Corporation ジョナサン・ナイチンゲール氏
  • 中国・上海に拠点を構えるSPREADTRUM社と共同開発する「25ドル」のFirefox OS搭載スマートフォン試作機
  • ZTE Open C
  • ALCATEL ONETOUCHのFire C
 MWC 2014に出展したMozilla CorporationのFirefox Engineering Vice Presidentであるジョナサン・ナイチンゲール氏に、今年のFirefox OSの展開と日本市場への取り組みを訊ねた。ナイチンゲール氏は、これまでに提供されてきたPC用のFirefoxブラウザ、およびモバイル向けFirefox OSの開発を統括する人物だ。

―― 昨年のMWC 2013でFirefox OSを発表してから、今回のMWC 2014まで1年間での市場の反響はいかがですか。

 ナイチンゲール氏:昨年はFirefox OSの立ち上げをアナウンスしましたが、当時まだ製品が市場にありませんでした。今年は世界15ヵ国の市場に製品を送り出した実績を携えてMWCに帰ってくることができました。これまでの反響はいずれもポジティブなものばかりで、製品を投入した地域では端末の品薄が続いています。例えばウルグアイでは、Firefox OSスマートフォンを扱っていただいているオペレーターが直近の四半期で30%の売上シェアを獲得しました。Mozillaのゴールは営利をあげることではなく、Firefox OSを通じて世界中の多くの方々にWebによる新しい体験を提供することです。私たちの活動に対する注目が日増しに高まっていることをとても嬉しく感じています。

――2014年のFirefox OSに関連する新しいトピックスを教えて下さい。

 ポイントは大きく3つあります。はじめに現在の成功をさらに推し進めていきながら、2014年も市場をさらに拡大していくことです。

 2番目に、Firefox OS搭載スマートフォンの新製品が今年も登場します。ALCATEL ONETOUCHはFirefox OSの船出から私たちの活動を支援してくれている大切なパートナーです。私たちの大きな目標は、新興国向けに手頃な価格帯の端末を開発・展開していきながら、"これから”のスマートフォン市場を創造していくことです。ALCATEL ONETOUCHは私たちのコンセプトと技術をよく理解した上で、パワフルな製品を商品化したメーカーです。7インチのタブレットを含めて、今年もFirefox OSを搭載するさらに高性能な端末の発売が予定されています。

 ほかにも多くのメーカーがオープンソースのOSであるFirefox OSに関心を示しています。今年のCESではパナソニックが次世代のスマートテレビにFirefox OSを搭載していくことを発表しました。スマートテレビは当初、Mozillaが今年のフォーカスとしていなかったセグメントでしたが、様々なプラットフォームにFirefox OSが広がっていくことを期待しています。

 3つめのトピックスは中国のチップセットメーカーであるSPREADTRUM社が、25ドルのFirefox OS搭載スマートフォンを発売するというニュースをMozillaと共同でアナウンスしたことです。彼らのゴールは最新のFirefox OS搭載スマートフォンを多くの人々に届けることです。それは今まで誰もやったことのない挑戦です。今回のイベントでプロトタイプをお見せできたことも、ジャーナリストの皆さんにとって大きなトピックスだったのではないでしょうか。中南米、アジアの地域などでは70~100ドル前後のスマートフォンでもまだ高価に感じられる方々が多くいます。25ドルの商品を提供することは、大きくな意味を持っています。

――スマートテレビ向けのFirefox OSについて進捗を聞かせて下さい。

 まだ具体的なことは決まっていません。Mozillaは小さな団体なので、今のところスマートフォン向けOSに開発のリソースを集中させて取り組んでいますが、新たにスマートテレビへプラットフォームを展開していける可能性が出来たことを大変嬉しく感じています。これからディスカッションを重ねて行きたいと思います。

――マルチプラットフォーム展開はいかがでしょうか。

 フォックスコン社がタブレットへの展開を表明されています。またゲームコンテンツへの対応は、昨年からスマートフォン、PCをまたいで力を入れはじめています。現在、Webブラウザベースでのショッピングや写真の共有など、様々なエンターテインメントがありますが、ゲームはハードウェアのプロセッサーパワーを必要とするため、Webブラウザベースでの展開が難しいカテゴリでした。そこで私たちのエンジニアが昨年「ASM.JS」という技術を開発しました。この技術はゲームコンソールやMac、Windowsなどに向けて開発されたゲームをWeb上で走らせるようにトランスレートするための技術です。プログラミング言語にはJAVAスクリプトが使われていて、Firefox OS以外の様々なウェブブラウザでも応用ができます。Webブラウザベースによるゲームコンテンツ向けのソリューションを安価に、コンパクトな開発リソースで実現しようという試みに対しても反響は上々です。技術の進展は今年のGDCでお見せしたいと思います。

――今年のMWCではTizenやUbuntuなど新たなモバイル向けOSが出展されました。対するFirefox OSのアドバンテージはどこにあると考えていますか。

 幾つかの要素があると思います。まずはFirefox OSは既に採用されている端末が商品化され、人々の手に渡っている実績があるという点です。市場に出回った製品からのフィードバックには、開発を進める上で大きな価値があります。さらにFirefox OSには、より多くの人々に手頃な価格でWeb体験を届けるというクリアなアイデアとゴールがあります。また非常にライトウェイトであり、適応力の高いプラットフォームでもあります。HTML5ベースの技術でなければ25ドルのスマートフォンをつくることはできないと思います。

――日本市場への今後の展開について聞かせて下さい。

 日本は非常に洗練されていて、競争の激しい市場です。ユーザーの方々もハイエンドなデバイスを持っていて、リッチなWeb体験を既に得ています。現在日本のパートナーと協力しながら市場調査を行っていますが、Firefox OSが日本で成功するためには、他国での展開とスタンスを変えて、より技術的にパワフルな製品モデルを重視する必要があると思います。まだ製品の概要は明らかにできませんが、現在パートナーと詳細を詰めている段階です。

――ありがとうございました。
《山本 敦》

関連ニュース

特集

page top