【MWC 2014 Vol.57】ドルビー、汎用ヘッドホンで実現するモバイル向け立体音響生成技術を世界初披露 | RBB TODAY

【MWC 2014 Vol.57】ドルビー、汎用ヘッドホンで実現するモバイル向け立体音響生成技術を世界初披露

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ドルビーのヘッドホンによる新サラウンド技術を発表。名称はまだつけられていないという、できたての技術を体験することができた
  • ドルビーのヘッドホンによる新サラウンド技術を発表。名称はまだつけられていないという、できたての技術を体験することができた
  • 360度の立体音場を生成することができる
  • 音楽ストリーミングにも付加価値が生まれるかもしれない
 ドルビー・ラボラトリーズはMWC 2014の会場で招待客限定のプライベートセミナーを開催。通常のステレオヘッドホンとモバイル端末の組み合わせに向けたサラウンド音響を実現する新技術を発表した。

 ドルビーが映画館向けのサラウンド技術となる「Dolby Atmos」を発表したのは2012年の春。サラウンド音声を「チャンネル」単位ではなく、オブジェクトと呼ばれる音響要素でミキシングしていくことで、映画館の中の任意の場所に個々のサウンドやオブジェクトを配置、音源の移動を正確にコントロールできることなどをメリットとして打ち出してきた。再生時には5.1chから最大64chまでのサラウンド音場が再現できることも特徴だ

 Dolby Atmosの臨場感を得るためには元のオーディオソースを独自のアルゴリズムでエンコードする必要がある。再生時には映画館のスピーカーレイアウトや音響特性に基づいて、オーディオ信号のレンダリング方法を最適化して出力する。Dolby Atmosでは「高さ方向」の要素を加えた音づくりを行っていることも、これまでの5.1ch/7.1chの劇場用Dolbyサラウンドにはなかったポイントだ。これにより360度周囲を包まれるような、リアルで鮮度の高いサラウンドが楽しめるようになる。ドルビーではDolby Atmosについても音楽信号のエンコード処理技術から、劇場・コンシューマーの再生環境まで”End to End”での高音質ソリューションが提供できることも強みとしている。

 そのドルビーがMWCの会場に出展したのは、Dolby Atmosの"オブジェクト”型コンセプトを基本にしたヘッドホン・イヤホン向けのサラウンド技術だ。特徴の一つは汎用的なヘッドホン・イヤホンで楽しめること。ドルビーのブースにはDolby Atmosのデモコンテンツと、デコーダーを組み込んだ市販のタブレット、ゼンハイザーのオーバーヘッドホンが用意され、映画やFPSシューティングゲーム、音楽のデモコンテンツを体験することができた。

 360度の立体サウンドは効果音の回り込みがシームレス、かつナチュラルに再現されることが第一の特徴。高さ位置の音も自然に再現されるため、FPSでは広々としたゲームの舞台の空間表現力に富んでいることがよくわかる。おそらくクリエイターがゲーマーに伝えたかったサウンドが、余すところなく再現されているのだと感じた。音のつながりだけでなく、各帯域の音に張りや伸びといった要素も加わってくるようだ。

 同社のスタッフによれば、最新のヘッドホン・イヤホン向け技術を公に紹介する機会は今回が初めてであるという。ビジターからの反響も上々であり、今後はパートナーを広げながら独自技術をいち早くコンシューマーに体験できる機会づくりにも力を入れて取り組んでいく。具体的な利用事例としては、ドルビーの独自技術によりエンコードされたソースを、VODや音楽ストリーミングサービスに乗せてタブレットに送り込み、ユーザーが手持ちのヘッドホン・イヤホンで手軽に楽しめる環境作りを進める。
《山本 敦》

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