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実用コストを最大50%低減したデータセンターの秘密……NTT Com東京第6データセンター

エンタープライズ その他
北区JR駅から歩いて10分弱ほどの距離にあるデータセンター。野太い鉄骨が頑強さを印象付ける
  • 北区JR駅から歩いて10分弱ほどの距離にあるデータセンター。野太い鉄骨が頑強さを印象付ける
  • 指静脈認証装置やカードで本人確認を行っているところ
  • セキュリティゲートを通って、いざサーバー棟へ。ここから先が免震構造になる
  • 免震装置その1。地震の揺れを建物に伝えないようにする天然ゴム系積層ゴム支承
  • 免震装置その2。直動転がり支承。凹面の皿の上をローラーが転がって横揺れを低減
  • 免震装置その3。オイルダンパー。オイルの粘性により横揺れを吸収する
  • ロータリーUPS。海外製のもので、国内では初めて導入された装置だという
  • コロケーションルームには、分電盤やラック類が備え付けられる
■ハイコストパフォーマンスを追求し、ユーザーの実用コストを最大50%低減

 さて、いよいよ2F~4Fにエレベータで昇り、コロケーションルーム(サーバルーム)へ。まずコロケーションルームに入室するには「サークルゲート」と呼ばれる特殊なゲートを通る必要がある。ここでカードキーと生体認証によって本人認証を行う。また、ここでセンサによってゲート内に立ち入る人数もカウントしており、いわゆる共連れ入室を防ぐ役割も果たしている。

 サーバルームに入ると、黒いシックなラック郡が鎮座している。このデータセンターがオープンしてから約半年が経つが、すでにラック収納スペースは半分ぐらい売れているそうだ。

 このデータセンターでは1ラックあたり標準で9KVA(ブレーカ容量)の契約電力を供給できる。従来まで6kVAだったので1.5倍ほど向上している。また細長いサイズのラックを採用してコンパクト化し、3ラック分散(40U)から2ラック収納(46U)へと変更。空調も水冷式にすることで、1ラックあたりの許容加重も従来の500kgから750kgまで向上させた。このような施策により、ユーザーの実用コストを最大50%(従来比)も低減しているのだ。

 先進のグリーン性能についても、このデータセンターの自慢の1つだ。データセンター全体で使われる電力消費量と、ICT装置(サーバ)内の電力消費量の比を示す「PUE」において、国内最高レベルの設計値1.2を実現している。この値は小さいほど効率が良い。PUEが下がった理由は、前述のロータリーUPSや水冷式空調を採用したほか、「外部冷房システム」や「エアーフローマネジメント」の導入効果も大きい。

 外部冷房システムは、冷たい外気を直接フィルターに通し、サーバ室内に取り入れて空調能力を高める方式。これにより空調の消費電力を抑えている。さらにサーバルームの冷気と機器からの排熱を完全分離するように、ラックの天面をシートで覆って「コールドアイル」と「ホットアイル」に分けて、効率的な空気環境も確保している。

■アジアを中心に続々とデータセンターを開設!グローバル展開にも注目

 最後に本データセンターで利用可能なネットワークについても簡単に触れておこう。東京第6データセンターは、「Arcstar Universal One」や各種VPNサービスと構内APでダイレクトに利用できるほか、第1データセンター(堂島データセンター)とも直結している。通信回線は「とう道」と呼ばれる強化な耐震トンネルを経由して隣接するNTTの通信ビルに直結していることも他社にない大きな特徴だ。

 「とう道」は、いわば日本中に張り巡らされたNTTの過去の資産だ。一般的な通信管路の場合、地震や道路堀削によってケーブルが切断される恐れがあるが、とう道は通信ケーブル専用トンネルであり、過去の巨大地震でも一切被害がなかった。この土地を購入する際に、NTTの通信ビルが隣接していることが分かり、とう道を利用できることも決め手になったという。

 NTT Comは、本データセンターのみならず、世界各地に「Nexcenter」として新たなデータセンターを続々と開設する構えだ。たとえば2013年5月には香港・ファイナンシャルデータサンターと英国・スラウ2データセンターを始動したばかり。この12月にはインド・バンガロール2データセンターもスタートする。さらに来年2014年にもマレーシア・サイバージャヤ4データセンター、タイ・データセンターが開設される予定だ。このほかにも上海などにも新データセンターを計画しているという。今後の同社のグローバル展開に目が離せないところだ。
《井上猛雄》
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