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列車名は「SL銀河」…東北で復活するSL牽引列車のデザイン

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 JR東日本では、東北地方における観光面からの復興支援および地域の活性化を目的として、静態保存されていた蒸気機関車「C58239」を復元したSL牽引列車のプロデュース作業中だ。JR東日本は6日、列車名を「SL銀河」(エスエルぎんが)と発表した。

 「SL銀河」は、釜石線・花巻~釜石間を中心とした東北エリアで運行する予定だ。牽引する旅客車については、釜石線沿線を舞台に描かれた宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を代表的なテーマとして列車全体をプロデュースしており、宮沢賢治の世界観や空気感、生きた時代を共有する事で東北の「文化・自然・風景」を感じられる車内空間とする予定。

 牽引機はC58形239号機、客車はキハ141系(動力付き)の4両編成で、座席定員は180名を予定。営業開始時期は2014年4月以降となる。土休日を中心に年間80日程度の運行を予定している。釜石行き、花巻行きそれぞれ40日程度になるという。

 列車内スペースは「東北の文化・自然・風景を通してイマジネーションの旅へ」をデザインコンセプトとし、先人が造り出したSLや大正ロマンから現代への長いつながりと、宮沢文学のように自然や動物と調和し、互いに尊重しながら共存していくことを感じる空間とする。

 宮沢賢治の生きた大正から昭和の世界観。ガス灯風の照明やステンドグラス、星座のパーテーションなど、緩やかな“個室感”と柔らかな光の中で、乗客にはゆっくりと非日常を満喫してもらうことを意図する。南部鉄器風の鋳肌(いはだ)とした荷棚など、ディテールには沿線の伝統形状をモチーフに、この列車でしか体験できない空間を演出する。列車内のコンテンツは、宮沢賢治関連の展示のほか、沿線や東北ゆかりの品々の展示を予定している。小型プラネタリウムや月や星にまつわる展示などを計画中だ。

 客車の外観デザインは夜空をイメージしたブルーをベースとし、そこに銀河鉄道の夜に登場する星座や動物をシンボル化し演出する。車両毎に色のトーンを変え(グラデーション)、編成全体を使って銀河ブルーを表現する。

 「SL銀河」は、各ジャンルのスペシャリストに意見や協力を得ながら車内空間をプロデュースする。デザインプロデュースはKEN OKUYAMA DESIGNの奥山清行(おくやまきよゆき)。フェラーリやポルシェなどでも実績がある。コンテンツプロデュースは、宮沢賢治関連の展示で作家・劇作家・演出家のロジャー・パルバース、資料協力で林風舎(りんぷうしゃ)、沿線や東北ゆかりの品々の展示でファッションジャーナリストの生駒芳子、小型プラネタリウムでプラネタリウムクリエーターの大平貴之、月や星にまつわる展示でアストロロジーライターのSayaが協力する予定。

 「SL銀河」牽引機のC58形蒸気機関車は1938年に誕生し、10年間に427両が製造された、中型の旅客・貨物両用機関車だ。全国の広範囲に投入配置され、地方線区で活躍した。239号機は1940年6月に製造され、1972年に廃車となるまでの32年間のうち、27年間を宮古機関区(当時)を中心とした岩手県で活躍した。その間の1970年2月28日には「山田線、さようなら」貨物列車も牽引した。1973年5月1日より盛岡市の岩手県営運動公園に静態保存されていた。

 客車は動力付のキハ141系。50系客車から改造されたディーゼルカーだ。釜石線には途中こう配区間がありC58機関車のみでは牽引が困難であるため、動力付のキハ141系をJR北海道から購入して、再改造する。
《高木啓》
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