総額250億円のファンド、NTTドコモ・ベンチャーズ 第1回プログラム参加チームが新オフィスに集結 | RBB TODAY

総額250億円のファンド、NTTドコモ・ベンチャーズ 第1回プログラム参加チームが新オフィスに集結

エンタープライズ モバイルBIZ

NTTドコモ・ベンチャーズ 取締役社長 秋元 信行氏
  • NTTドコモ・ベンチャーズ 取締役社長 秋元 信行氏
  • 総額250億円規模のベンチャーファンドを運用
  • 対象とするスタートアップのステージ
  • 投資重点領域は広い
  • coromo CEO 井上碩氏
  • 第1回プログラムに選ばれた6社によるあいさつ
  • 公開された共同ワークスペース。各社はここで会議や開発を行うことができる
  • coromoの試作デモ
 16日、NTTドコモ・ベンチャーズは、同社が出資を決めたベンチャー企業6社の紹介と、彼らが実際にオフィス等として利用を始めるワークスペースを公開した。

 NTTドコモ・ベンチャーズは、NTTドコモによる「ドコモ・イノベーションファンド投資事業組合」の100億円とNTT持ち株による「NTT-IPファンド投資事業組合」の150億円を運用し、NTTグループのインキュベーション事業を担う会社として2月に設立された。その後、投資プログラムの発表を行い、募集テーマや同社の戦略に一致するベンチャー企業の募集を行っていた。

 その6社が決定し、先月プログラム参加企業のための作業スペースが確保できたことで、事業が軌道に乗り始めたとし、そのお披露目と出資ベンチャー企業の紹介を兼ねた発表会の開催となった。

 取締役社長 秋元 信行氏によれば、同社が考えている投資対象ベンチャーは、シード、アーリーステージのスタートアップから、IPO直前までの段階の国内外の企業であり、メインはアーリーステージからミドルステージとする。出資規模は数千万から2億円程度としている。同社の出資プログラムに選ばれたベンチャーは、ドコモとの協業や営業支援、共同オフィススペース(今回公開されたワークスペース)、メンターによるアドバイス、ドコモ各種APIやクラウド開発環境のサポート、500Startupsとの連携といった支援が受けられる。

 投資重点領域は、コミュニケーションや教育など既存利用域だけでなく、M2M、ヘルスケア、環境、安心・安全、メディア等の新領域、さらに未開拓領域など多岐にわたる。しかし、通常のベンチャー投資ファンドと違って、ミッションはファイナンスリターンではないと秋元氏はいう。同社が目指すのはNTTグループとしての戦略的リターンであり、出資企業との直接・間接的な協業やM&Aが投資、支援のポイントとなるそうだ。

 同社の第1回投資プログラムに選ばれた6社は、次のとおりだ。

・カップルに特化したSNSからO2OにつなげるPairyというサービスを展開するTIMERS(代表取締役社長 高橋才将氏)
・写真デコレーション機能つきアルバムアプリDecoAlbumのプライムアゲイン(代表取締役社長 阿部伸弘氏)
・スマートフォンのホーム画面をメディア化を実現する技術を持つcoromo(代表取締役社長井上碩氏)
・アレルゲンを含まない食品を検索・購入できるeaseeatを運営するウィルモア(代表取締役 石川麻由氏)
・プロクリエイターが執筆する超短編小説レーベルnanovelを運営するGADGET(代表取締役 浅見敬氏)
・各種カメラアプリと連動した写真共有プラットフォームFunpictyを開発したSODA(代表取締役 本名耕氏)

 彼らはすでにNTTドコモ・ベンチャーズの支援を受け、共同ワークスペースでの作業も始めている。発表会のあとに、そのスペースの公開も行われ、各社が自社サービスについて参加者に説明していた。その1社、coromoの井上氏に話を聞いてみた。

 この技術は、スマートフォンのホーム画面を3秒で切り替えるもので、切り替える画面はHTML5によって構成され、アプリのランチャー以外にコンテンツ表示や広告表示なども可能だ。これによってホーム画面をプラットフォームとしたメディアとして機能させることができる。井上氏は、当初はイベント会場やテーマパーク、ショッピングモールなどの利用前にQRコード、NFCによって明示的に切り替えてもらい、ホーム画面を利用シーンごとにカスタマイズする利用を考えている。利用ユーザーが増えてくれば企業が独自のホーム画面をメディアとして展開したり、個人が「マイ」ホーム画面を設定できるようにしていく戦略だ。

 coromoは6月に登記を済ませたばかりで、サービス開始は9月を予定しているという新しい会社だが、中長期的な戦略を持って野心的に新しい市場開拓に挑戦している。すでに、ダウンロード数などある程度の実績があるベンチャーへの出資は比較的読みやすいといえるが、こういった可能性へも積極的に出資するというNTTドコモ・ベンチャーズの意気込みが伝わってくる。

 実際、秋元氏は取材の最後に、「正直なところ、ドコモのプラットフォームやユーザー基盤だけを期待するような企業は我々の投資ポリシーとちょっと合わないと思っています」と述べ、これから応募するベンチャーへの一言として「いっしょに世界を目指すベンチャーを探しています」と語っていた。
《中尾真二》

関連ニュース

特集

page top