たけし、大島監督に別れ…「オレもそのうち行くからまた怒鳴ってほしい」 | RBB TODAY
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たけし、大島監督に別れ…「オレもそのうち行くからまた怒鳴ってほしい」

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大島渚監督/通夜(祭壇)
  • 大島渚監督/通夜(祭壇)
  • 大島渚監督/通夜(遺影)
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  • 大島渚監督/通夜(ビートたけし)
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  • 大島渚監督/通夜(武田真治)
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肺炎のため80歳で逝去した大島渚監督の通夜が1月21日(月)、東京・築地本願寺にて行われ、映画『戦場のメリークリスマス』に出演したビートたけしや『御法度』の武田真治ら親交のあった人々およそ800人が参列した。

大島監督の映画『儀式』をイメージしたという白を基調にした祭壇には約300本の胡蝶蘭と5,000本の白菊が飾られ、監督が病に倒れる以前の1990年に自宅で撮影された写真が遺影として使用された。戒名は「大喝無量居士」。「測ることができない解放された大きな“喝”」を意味するという。喪主は妻で女優の小山明子、監督の代表作の一つ『愛のコリーダ』で助監督についた映画監督の崔洋一が葬儀委員長を務め、式場には坂本龍一が手がけた『戦場のメリークリスマス』、『御法度』の音楽が流された。

たけしさんは、焼香を終えて報道陣の取材に応じた。『戦場のメリークリスマス』について「あの当時、普通じゃないことをやっていた。いまになって思うと凄いことをしたんだなと思う」と語った。自身もその後、監督の道を歩み始めたが「おかげで映画の賞をもらったりしたけど、きっかけはそこにある」と本作への出演、大島監督との出会いに大きな影響を与えられたことを改めて明かした。「問題児だったからね。よくぞ問題を起こして映画界を引っ張ってくれたと思う。みんなが手を出さないことに挑んだ」とその偉大さを称える。「『ありがとうございます』しかないし、オレもそのうち行くから、向こうでまた怒鳴ってほしい」と別れの言葉を送った。

『御法度』に出演し沖田総司を演じた武田さんは、「勇ましい人でした」と監督について語る。「どう演出されるのか? と思っていた」というが、撮影現場では「交わしたのはひと言。『ラストシーンはワンカットでいくからね』とだけ言われて『はい』と返しました。それ以外が寂しいくらい演出されることがなかった」とふり返る。そこには監督なりの哲学があったようで「後でインタビューなどを読むと、『キャスティングした時点で作品の方向性は決まるから、撮影中にあれこれ言う監督は見る目がないんだ』と。迷いなく、観客や受け手の顔色を気にせずにやりたいことをやる。議論を巻き起こそうが、スキャンダラスであろうが気にしない。そういう革命的な精神を目の当たりにしました」と語った。式場で正面を見据える監督の写真を目にして「生意気で不謹慎かもしれませんが、『監督、カッコよかったです』って思っちゃいました」と寂しそうな笑みを浮かべていた。

大島監督と同時期に松竹に入社した山田洋次監督は「同じ年ですからね…僕の年になると同じ世代が亡くなっていくのは寂しい。また一人、消えていってしまいガッカリしています」と肩を落とす。作風などは違えど共に日本映画を支えてきた仲間の死を悼んだ。

このほか『御法度』に出演した神田うのや女優の吉行和子、高橋恵子、山本富士子らも参列。明日22日(火)に行われる告別式では、作家の澤地久枝、大島監督と共に“松竹ヌーヴェルヴァーグ”の時代を築いた映画監督の篠田正浩、監督の「バカヤロー」発言が大いに注目を集めた深夜の討論番組「朝まで生テレビ」司会のジャーナリスト・田原総一朗、坂本龍一が弔辞を述べる。
《text:cinemacafe.net》
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