【ERPの最新動向 Vol.5】モバイル対応進むERP……活用ポイントと実際(前編) | RBB TODAY
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【ERPの最新動向 Vol.5】モバイル対応進むERP……活用ポイントと実際(前編)

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
OSK 技術支援部 開発技術課 シニアマネージャー 杉村厚氏
  • OSK 技術支援部 開発技術課 シニアマネージャー 杉村厚氏
  • ERPパッケージ「SMILE BSシリーズ」とモバイルオプションの関係。開発ツール「CAB for Mobile」によってデータを連携させる
  • OSK 製品開発部 製品開発統括課 シニアマネージャー 堀重教氏
  • 業務システムでのモバイル利用シーン
  • OSK マーケティング部 部長 笹原直樹氏
  • iPhoneを利用して社内システム(SMILE BS)にアクセスした画面例
  • iPadを利用して社内システム(SMILE BS)にアクセスした画面例
  • モバイルデバイスや、デバイスの持ち方(縦あるいは横)によって、自動的に表示方法が変わる配慮も嬉しいところ
 スマートフォン、タブレットなどのモバイル市場は拡大の一途をたどっており、2015年には国内で4700万契約まで広がるものと予想されている。アップルのiPhoneやiPadだけでなく、さまざまなAndroid端末も躍進しており、複数のメーカーが群雄割拠するまさに“モバイル戦国時代”に突入している。「いまや基幹系システムの世界でも、ごく当たり前のようにモバイルへの対応が求められるようになりました」と語るのは、OSK 製品開発部 製品開発統括課の堀重教氏と同社 技術支援部 開発技術課の杉村厚氏だ。

 LTEに代表される広帯域のモバイル通信が登場し、いつでも、どこでも、携帯電話で高速通信が行えるようになり、企業でのスマートフォンの活用が広がっている。実際にビジネスシーンでモバイルワーキングを導入している企業は約32%もあり、導入を計画中の企業約19%を合わせると、今後少なくとも半数以上の企業でモバイルを活用するという実体が浮き彫りになってくる。

 具体的にどのようなシーンで業務システム系のモバイル利用が広がっているかというと、たとえば経費申請、勤怠管理、業務アプリケーション、生産・物流など特定の業務で活用するケースも多いそうだ。堀氏は「外回りの多い営業マンが社外から業務アプリケーションにアクセスし、顧客マスターを参照したり、訪問履歴を閲覧したり、在庫の問い合わせや見積書を作成するなど、時間や場所を問わず臨機応変に対応できるようになります。業務システムの一部の機能をモバイル環境で利用したいという潜在的なニーズがあり、採用企業の拡大が見込まれるため、成長が大きく期待できる分野です」と説明する。

 OSKではこのような市場ニーズをにらみ、導入ターゲットを拡大できるように、同社のERPパッケージ「SMILE BS」シリーズをモバイルに対応させた。「SMILE BS」シリーズは、販売・会計・人事給与、CTIに加え、CRMまでをサポートする製品だが、「特にCRMについては、対象を顧客に限定することなく、さまざまな業種に対応する各種テンプレートを揃えるなど、工夫を凝らしている点も特徴の1つです」(堀氏)とのこと。さらに、これら「SMILE BS」シリーズに関わるデータをモバイルに対応できるように「CAB(Custom AP Builder) for Mobile」という専用開発ツールを用意した。これにより、「SMILE BS CRM」や「CAB for Mobile」で作成したアプリケーションをスマートフォンやタブレット端末側で操作したり、必要な情報のみをモバイル画面で閲覧できるという。

 また、OSKの強みは基幹系と情報系の両方に長けているという点だ。情報系には、同社のグループウェア「eValue NS」シリーズがあり、シームレスに「SMILE BS」シリーズとの連携が可能。「こちらもモバイルでの連携が行えます。情報系と基幹系にまたがって、モバイル化を提供できた点も今回の大きなポイントになるところでしょう」と語るのは、同社 マーケティング部の笹原氏。

 2012年10月現在、モバイルオプションに対応するブラウザは、IE9/IE10、Safari、Firefox、Chrome、Android、対応端末はiPhone、iPad、Android端末のほか、上記のブラウザが動くWindows PCと、幅広く強化されている。Windowsに関しては、最新のWindows 8の発売に合わせて、いちはやくモバイル対応を図ったという。

 「SMILE BS CRM」や「CAB for Mobile」で作成した画面は、ユーザーが本当に必要な情報だけを閲覧・入力できるというメリットがある。杉村氏は「モバイルの利用シーンに応じたオンリーユーのシステムをご提供できるようになります」と自信をみせる。またモバイルでの運用を考える際に重要な点は、異なる多様なマルチデバイスに対して、いかに表示の仕方をうまくマッチングさせるかということだろう。「『CAB for Mobile』で作成した画面は、PC上と同じ項目がモバイル用にアレンジされるだけでなく、モバイル画面を最適化した形で表示する点も他社にない差別化のポイントです。ユーザーインターフェイスには、かなり気を使いました」(堀氏)。特にスマートフォンやタブレット端末では、本体を縦や横にして操作することが頻繁に起きる。その際に画面比によって表示方法も変わる。

 たとえば、得意先の売上別実績表を閲覧する場合に、集計期間の範囲を選択すると、端末が縦表示ならば3行に、横表示ならば2行または1行というように、自動表示される。これは年と月が分割されないように、論理的に改行を行うプログラムが組み込まれているからで、OSKが特許をとっている技術とのことだ。
《井上猛雄》
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