【ERPの最新動向 Vol.6】基幹業務のカバレッジを広げる製品連携と業種・業界別テンプレート(前編) | RBB TODAY
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【ERPの最新動向 Vol.6】基幹業務のカバレッジを広げる製品連携と業種・業界別テンプレート(前編)

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
OSK 製品開発部 製品開発統括課 シニアマネージャー 堀重教氏
  • OSK 製品開発部 製品開発統括課 シニアマネージャー 堀重教氏
  • OSK 営業本部 本部長代理 石井ふみ子氏
  • SMILEファミリーの資産管理アプリケーションを採用した一例では、工期を大幅に短縮できるという
  • 2次窓口としてメーカー側のサポートのほか、OSK側にも情報が共有され、メーカー側と一緒になって問題に対処
  • SMILEファミリーの体系。現時点で、連結決算系、資産管理系、勤怠管理系、輸入管理系で5種類が用意されているが、今後もラインナップを増やしていく予定だ
  • 勤怠管理系システム「勤次郎」による連携イメージ。マスターデータを勤次郎のマスターに更新させ、勤次郎側で管理している勤怠実績をSMILE側の変動データとして割り当てる
  • シームレスな連携による画面インターフェイス。データの同期は実行ボタンをクリックするだけ。操作性に違和感がなく、簡単に利用できるように丁寧につくり込まれている
  • 「勤次郎」側で管理している勤怠実績を「SMILE」側(人事給与)の変動データとして割り当てる。「勤次郎」側で実績が承認された場合のみ連携させることが可能
 企業には、販売・会計などの基幹業務を中心に、実にさまざまな日常業務がある。業種・業界によっては、資産管理や連結決算など、法改正への対応が求められることも多い。このような業務でひとたび法改正が実施されれば、従来からのアプリケーションを改修したり、新たなパッケージ製品を導入して、自社のスタイルや管理形態に最適な環境を素早く実現しなければならない。

 一方ソリューション・ベンダー側では、業界・業種に特定したアプリケーションであるがゆえ、ノウハウやコストもそれなりに必要になり、すぐ市場に投入できないという事情もある。法改正に対応するために専門知識を有する人員を揃え、迅速に対応できる開発体制を構築するのも大変だ。では、このようなユーザー側とベンダー側の立ち位置の違いを埋めるために有効な方法はないのだろうか? 

 OSKでは、基幹業務システム「SMILE BSシリーズ」やグル―プウェア「eValue NSシリーズ」を大きな柱に、基幹系・情報系の業務を支えるソリューションを提供してきた。「SMILE BSシリーズ」では販売・会計を中心に、人事給与やCRM、CTIなどのソリューションを広く提供している。これらに加えて、業種・業務に特化した最適なアプリケーションとして「SMILEファミリー」を用意し、「SMILE BSシリーズ」と素早い連携が図れるように準備をしている。

 OSKの堀 重教氏は「付加価値のある業種・業務アプリケーションをスピーディに市場に投入し、お客様が求める選択肢を増やせるように、SMILEファミリーを提供しています。SMILE BSシリーズに対応する資産管理系のアプリケーションを個別に開発すると、通常では1年以上の開発期間がかかります。あくまで1つの例ですが、SMILEファミリーを連携させて開発すれば、工期を大幅に短縮できます」と説明する。

 もともと「SMILE BSシリーズ」の基盤部分は、インターフェイス機能を充実させることで、他社製品とのコラボレーションを容易に実現できるように設計されている。業界に特化した他社製品を「SMILE BSシリーズ」に取り入れ、べストマッチングが可能だ。もちろん工期を短縮できれば、その分だけ開発費用も圧縮される。

 他社製品との連携となると、どうしてもサポート体制が気になるかもしれない。この点についても、OSKと各メーカーの開発チームが連携を行うことで、強力な布陣を敷いている。「まずサポートセンターと販社に、連携部分に関する第1次窓口になってもらいます。その後、2次窓口としてメーカー側のサポートにエスカレーションされるのが通常の流れですが、さらにSMILEファミリーの場合にはOSK側にも情報が共有され、メーカー側と一緒になって問題に対処できるバックアップ体制が整っているため安心です」(堀氏)。

 現在、SMILEファミリーには5つのソリューションがある。連携決算系ではインプレスの「iCAS連結決算システム」、資産管理系ではセイコーエプソンの「減価償却応援」(中小企業向け)とプロシップの「ProPlus」(大企業向け)、勤怠管理系として日通システムの「勤次郎」、輸入管理系としてエフ・ビー・エスの「wPORTNeT IM」が用意されており、今後もラインナップを増やしていく予定だという。

 堀氏は、「SMILE BSシリーズ」と勤怠管理系システムとの連携イメージとして、日通システムの「勤次郎」を例に挙げて説明した。これは、「勤次郎」で管理される勤怠実績を「SMILE BS」側の変動項目として取り込める連携ソリューションだ。前述のように、SMILEファミリーの強みは、業務・業種に特化したシステムを迅速に開発できる点だが、それだけに留まらない。ユーザーの使い勝手を考え、シームレスかつ密接な連携が行える点も特徴の1つだ。

 ここでは、人事給与系は「SMILE BS」側で担当し、勤怠管理系は「勤次郎」側で行うことになるが、もともと社員マスターについては両者で共有すべき内容のデータだ。また勤怠管理システム側の「勤次郎」から、給与管理のために「SMILE BS」へ勤怠情報を渡す必要がある。この2つの連携で工夫が凝らされているのだ。

 「まず操作の簡易性に気を配っています。一般的なシステム間連携では、システム間のデータを単純に引き渡すだけで終わってしまうこともあります。しかしSMILEと連携する際には、SMILE側で社員マスター情報を登録し、”マスタデータ更新処理”を実行すると、勤次郎側でマスターデータがダイレクトに更新されるように同期の仕組みを取っています」(堀氏)。

 つまり「勤次郎」との連携では、双方のシステムにおける重複処理を排除し、連携時にかかるユーザーのストレスを解消できるという強みがあるのだ。さらに画面インターフェイスにもシームレス感を持たせているという。

 同社の石井ふみ子氏も「シームレスな連携が行えるように、かなり丁寧なつくり込みをしています。どちら側のシステムからマスターデータを同期させるとしても、それぞれの画面上で更新ボタンをクリックするだけでよく、相手側のシステムを意識せずに操作できる点が大きな特徴です」と説明する。

 このようにSMILEファミリーを活用すれば、新しいソリューションと密接に連携しながら機能の補完が可能になる。その効果は、SMILEファミリーである「勤次郎」との連携によって、従来より5倍も受注が増えたことでも裏付けられている。SMILEファミリーでカバレッジを広げ、最適なソリューションを迅速に投入することで、ユーザー企業は一層強い競争力を獲得できるようになるのだ。
《井上猛雄》
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