【木暮祐一のモバイルウォッチ】第20回 スマホを快適に使う「公衆無線LAN」の活用 | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第20回 スマホを快適に使う「公衆無線LAN」の活用

ブロードバンド 回線・サービス

羽田空港第一ターミナルで公衆無線LANを活用。定位置でのスマホ利用では公衆無線LANを使ったほうが快適。Wi2の無料アクセスポイントを利用してみる
  • 羽田空港第一ターミナルで公衆無線LANを活用。定位置でのスマホ利用では公衆無線LANを使ったほうが快適。Wi2の無料アクセスポイントを利用してみる
  • Wi2は、無料アクセスポイントながら20Mbps以上の高速通信が可能だった
  • Wi2の無料アクセスポイントはスターバックスなどにも展開されている。出先でインターネットを利用したい作業をする場合はスタバへ飛び込めばOK
  • 木暮祐一氏。武蔵野学院大学准教授で携帯電話研究家/博士(工学)
 スマートフォンのネットワーク設定でWi-FiをONにして利用していると、通信を開始する際に受信できるWi-Fiの一覧が表示される。これを見ると「公衆無線LAN」の利用環境が近年急激に向上していることに気がつくはずだ。一覧表示に出てくるアクセスポイントの数も増えているし、エリア面での充実ぶりも目を見張る。

 これまで定番の公衆無線LANといえば、NTTコミュニケーションズの「HOTSPOT」(30日をもってOCN ホットスポットに1本化)や、ソフトバンクテレコムの「BBモバイルポイント」、NTT東西の「フレッツ・スポット」など固定通信事業者系、ブロードバンド通信事業者系が展開し、主要ターミナルやファーストフード店などでエリア展開してきた。もともとは屋外でパソコンなどを利用するためのネットワークだったのだが、Wi-Fi機能を備えた端末が多様化する中で、最近ではゲーム機などで対戦ゲームを楽しむために利用するユーザーも増えてきた。

 さらに近年のiPhoneに始まったスマートフォンブームをきっかけに、より快適にスマートフォンのデータ通信を利用する通信経路の一つとして公衆無線LANが注目されるようになり、最近ではNTTドコモによる「docomo Wi-Fi」や、ソフトバンクモバイルによる「ソフトバンクWi-Fiスポット」、auの「au Wi-Fi SPOT」など、携帯系通信事業者さえもが積極的に公衆無線LANの展開に力を入れているような状況だ。携帯系通信事業者としては、急増するスマートフォンによってモバイルのネットワーク自体に混雑が生じる懸念があり、これを逃すためにも自宅の無線LANだけでなく、外出先でも積極的に公衆無線LANを利用して通信してもらいたいという意図がある。

 かつての公衆無線LANといえば、アクセスポイントの設置場所を探すのが結構大変だったが、最近ではファーストフードや、コーヒーチェーン、コンビニなど、分かりやすいランドマーク的なスポットと公衆無線LANサービス提供事業者が提携して展開するものが増えているので、アクセスポイントを探すのも容易になってきた。この動きは首都圏だけにとどまらない。関西で有力なケイ・オプティコムは独自に公衆無線LANサービスを展開し、九州の福岡市も観光客向けに無料の公衆無線LANサービス「Fukuoka City Wi-Fi」の設置を拡大している。

 筆者も公衆無線LANの複数のサービスでアカウントを登録し、外出先で積極的に活用している。そのひとつ、ワイヤ・アンド・ワイヤレスが提供を行う公衆無線LAN「Wi2 300」は、愛用しているサービスのひとつだ。この「Wi2 300」は東京を中心にエリアを拡充させているサービスで、月額380円の定額で最大300Mbpsの公衆無線LANサービスを利用できる。初期費用等も不要。また利用頻度が低ければ、月額105円からの重量制サービスも用意されている。また、有料の「Wi2 300」スポットのほかに、空港や主要ターミナルなどでは会員登録も必要なく無料で利用可能なスポットも用意されている。筆者が頻繁に利用する羽田空港のターミナルビルなどでもWi2の無料公衆無線LANスポットが充実しており、とても重宝している。先週末も羽田空港第一ターミナルで利用したが、通信速度も下り20Mbps以上と安定していた。また、ワイヤ・アンド・ワイヤレスでは、本年6月からはスターバックスと提携し、Free Wi-Fiサービス「at_STARBUCKS_Wi2」の提供も開始している。こちらも無償で利用可能で、利用時間の制限なく接続できるので便利だ(同社では年内に全国約850店舗で展開予定としている)。

 iPhone 5の登場で、モバイルネットワークも一気にLTEへのシフトが始まっている。LTEのネットワークスでは、スペック上はともすれば公衆無線LANよりも高速で快適に利用できそうに思える。実際、各メディアが盛んに記事にしている各通信事業者のLTE通信速度比較などを見ても、主要地点で10Mbps以上の高速通信が可能だったという結果が出ている。しかしながら、これらの調査結果はLTEスマートフォンがまだほとんど利用されていない中での実効速度であることを肝に銘じておきたい。LTEスマートフォンユーザーが増加すれば、その分モバイルネットワークを通じた通信は混雑し、速度が低下していくことが予想される。混雑だけでなく、通信事業者ではスマートフォンの急増が要因となった通信障害も実際に発生している。

 こうした速度低下や通信障害に備えるためにも、スマートフォンユーザーであるなら日頃から自身で通信の迂回路を確保しておくべき。公衆無線LANサービスを提供する各社のサービス競争が激化してきたのはユーザーにとっても大きな魅力、エリアやサービス内容など、自身の利用環境に応じて利用しやすいサービスを2~3経路確保しておくことをお勧めしたい。
《木暮祐一》

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