【トレンド】ちょっと懐かしく、どこかかっこいい……“レトロクール”でよみがえる「スプライト」 | RBB TODAY

【トレンド】ちょっと懐かしく、どこかかっこいい……“レトロクール”でよみがえる「スプライト」

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日本コカ・コーラ、マーケティング本部の清水千尋さん
  • 日本コカ・コーラ、マーケティング本部の清水千尋さん
  • 日本コカ・コーラ、マーケティング本部の清水千尋さん
  • 「スプライト」ブランドサイト
  • リニューアルした「スプライト」
  • 「スプライト × ゼビウス」
■ロングセラー商品「スプライト」が原点回帰でリニューアル

 日本コカ・コーラの炭酸飲料「スプライト」は、日本初登場が1971年のロングセラー商品だ。発売以来、味やパッケージなどを時代に合わせて少しずつ変遷させてきていたが、昨年夏にこれをリニューアル。日本初登場時の緑のガラス瓶をモチーフにしたラベルデザインとロゴマークを採用し、味も従来の強炭酸、レモンライム風味はそのままに、新たに保存料不使用を実現した。

 そして今年4月、パッケージをさらに初登場時のものに近づけた新「スプライト」を発売。そのプロモーションにおいて、ボウリングをシンボルとしたキャンペーンや、80年代に流行したシューティングゲーム「ゼビウス」とのコラボレーションなどを実施。従来の“瞬間的な爽快感”という特性と併せて、ちょっと懐かしい、でもどこかかっこいいという世界観、“レトロクール”をキーワードにコミュニケーションを展開している。その出だしは好調で、リニューアルを担当した日本コカ・コーラ、マーケティング本部の清水千尋さんは、「売上げは予想を上回る好調なペースで、顧客満足度調査でも、通常の製品で5割ぐらいのものが、9割近くのお客さんに満足いただけている状況です」と話す。

 こうした一連の製品リニューアル、プロモーション施策にはどんな背景があったのか、引き続き清水さんに話を聞いた。

■“レトロクール”は若い世代にも響く

 長い歴史を持つ「スプライト」だが、清涼飲料水市場は、毎年数多くの製品が生まれては消える移り変わりの激しい世界。各社様々な工夫を凝らし、商品を投入してくる中で、その存在感が少し希薄となり、「最近、スプライトを目にする機会が少ないよね」といった声が聞こえてくるようになったという。そこで、「スプライトというブランドをもう一度知ってもらい、ブランドの価値を伝えて、手に取ってもらう機会を増やしたい」と考え、「スプライトが非常に売れていた7、80年代という、皆さんの飲料体験があった時期。その当時のパッケージを彷彿とさせるようなもの」を昨年夏のリニューアルで取り入れた。新しいパッケージは、発売当時のデザインをイメージしたものに生まれ変わり、カタカナの「スプライト」文字の復刻のほか、パッケージ上の文字要素を削減するなどシンプルなデザインに仕上げられている。

 清水さんは「いろいろな調査によると、80年代という“ちょっと懐かしくてカッコいい”世界観やレトロ感のあるものが、今20代といった若い人達にとっても古くさくなく捉えられる傾向があるということが判りました。停滞ムードがある現代のなかで、ちょっと前の時代の良いもの、残っているものに魅力を感じる。スプライトを知らない世代にそういう傾向がみられたから“レトロクール”でいけると思いました」と、一連の取り組みについての背景を話した。

■“レトロクール”な世界観と“瞬間爽快!”のイメージがSNSで話題に

 その狙い通り、新しい製品パッケージ、ボウリングをシンボルにした広告展開やシューティングゲーム「ゼビウス」とのコラボは非常に高い反響を得ている。ゼビウスとのコラボでは、「スプライト」コラボ仕様のゼビウスをサイト上でプレイできるようにしたが、リリース発表後すぐにTwitter上で3千から4千ものツイートを集め、実際のプレイ回数も非常に多いそうだ。また、体験型の屋外広告をはじめとしたボウリングテーマの広告も好評。これらは、それぞれのレトロクールな世界観に加え、ゼビウスはシューティングゲーム、ボウリングはストライクのイメージが、瞬間爽快!という「スプライト」の特性と重なり、コラボレーションが決定したもの。こうした爽快感溢れるビジュアルやゲームを体験した人たちからの「これを観るとスプライトが飲みたくなる」という声が、SNS上などに多数みられたとのこと。「飲料のマーケティングをやっていて、“飲みたくなった”というコメントをとるのは難しい。テレビでも、体験広告でもゼビウスでもそういうコメントがとれたのが嬉しかった」と清水さんはその手ごたえを語った。

 SNS等で初めに反応したのは、やはり昔懐かしさを感じた30代~40代の男性だが、次第にどこかかっこいいと感じた20代の男女にも受け入れられてきているとのこと。こうしたSNSとの連動については、「自分たちで作ることよりも皆さんにつぶやいてもらうことを意識」し、「(それを見たり体験した)消費者の中でどういう風に会話がなされるのか」を常に考えているという。

 味に関しては、「元々スプライトは強炭酸とレモンライムの味わいを特徴としていて、一時期は炭酸を弱くしていたりしていたのですが、強炭酸の凄く壮快な感覚とレモンライムの爽やかな味わいはキープしなければならないということで、かつての味わいを知っているファンの皆様に、味の面でも納得していただけるものに仕上げました」とのこと。冒頭に触れたように、味を再現するだけでなく、保存料の不使用など工夫した。昨今、カロリーゼロ飲料などのニーズもあるが、強炭酸で一気にリフレッシュしたいというニーズも根強く、例えば主婦でも家事終わりに一気に爽快になりたいといった声などがある。そうした気分の転換に非常にマッチした飲料だといえる。

 7、80年代と現代の関連性でいうと、当時を代表するアイドルグループ「おニャン子クラブ」の仕掛人である秋元康氏プロデュースによる「AKB48」、車の世界でいえばAE86型「カローラレビン」「スプリンタートレノ」のコンセプトを復活させたトヨタ「86」など、当時の世界観を持つものが現代に登場し大きな反響を持つ現象をみることができる。当時の企画やコンセプトにパワーがあることは確かなようだ。

 さて、“スプライトってどんな時に飲みたくなるのか?”と聞いてみると「購買時間で一番伸びるのがやはり夕方で20~40代の男性、20代の女性が購買されていますね」との答えが返ってきた。“今日も仕事が終わった!”と、みんな「スプライト」を飲んで気分をリフレッシュしているに違いない。
《編集部》

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