目指せCGアーティスト……小学生による3D映画制作ワークショップ | RBB TODAY
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目指せCGアーティスト……小学生による3D映画制作ワークショップ

ブロードバンド フォトレポート
画面だけを見ていると子供の操作とは思えない
  • 画面だけを見ていると子供の操作とは思えない
  • 画面だけを見ていると子供の操作とは思えない
  • VFXプロデューサー 戸田泰雄氏
  • なかなかシュールな作品も
  • 操作開始
  • 会場となったデジタルハリウッド東京本校
  • プログラムの説明
  • VFXスーパーパイザー 村上優悦氏
 26日、デジタルハリウッドは、日本宇宙少年団(YAC)の協力のもと、小学生向けのCG映画の体験制作ワークショップを開催した。

 このイベントは、同校の卒業生でありVFXスーパーパイザーとして活躍する村上優悦氏、同大学院の卒業生であるVFXプロデューサーの戸田泰雄氏らが、CGおよびVFXを手掛けた映画「おかえり、はやぶさ」(松竹:3月10日公開)の劇場公開を記念して企画されたものだ。参加した子供たちは、JAXAとYACのロゴの入ったブルースーツを着て、PCを実際に操作し、はやぶさにちなむ3D作品を作り、コンピュータによる映画づくりを体験する。子供たちはYACの団員と全国から応募した中から抽選で選ばれた20名が参加した。

 CG制作の指導を行うのは、村上氏および戸田氏、そして在校生らがアシスタントとしてついて、子供たちの作品づくりをサポートする。

 学校のイベントらしく授業のチャイムとともにワークショップは始まり、講師の紹介などのあと、さっそくコンピュータ室に移動し、作品づくりが始まった。使用したソフトウェアは、Autodesk MayaというメジャーなCGソフトウェアだ。

 作品の素材は、「はやぶさ」や「のぞみ」といった、映画で活躍する探査機本体、太陽電池パネル、アンテナ、イオンエンジン、サンプラーホーン、ジェットエンジン、カプセル、そしてなぜかアヒルやバナナなどがパーツとして用意され、子供たちはこれらを組み合わせてオリジナルの探査機を作っていく。

 なお、Autodesk Mayaは、実際の映画製作にプロが使用するソフトウェアであり、メニューやコマンドが英語表記だったり操作も難しい。このイベントのため、村上氏は、Mayaのアドオン機能によって、ひらがな表記で見やすいアイコンでカスタマイズした操作メニューを用意している。

 探査機が出来上がると、次に探査機に乗せる宇宙飛行士を選び、最後に背景を選ぶ。基本となる絵柄が完成したら、それを動画にするため、視点と対象を移動させる処理と3D処理を行う。立体映像はアナグリフ方式によって作成されるので、青と赤の3Dメガネが必要となる。

 ひととおり作品が完成したら、保護者が待つ部屋に戻り、村上・戸田両氏が寸評を加えながらの作品の観賞会を行った。個性的な作品が多く、完成度も高い作品に大人たちも関心していた。

 CGというと、どんな映像も簡単に作り出せるというイメージがあるが、実際の制作は簡単ではなかったようだ。参加した子供たちは、CGソフトの操作は難しいといいながらも一人の脱落者もなく全員がオリジナルの作品を完成させていた。そして、ほぼ全員がイベントを楽しかったといい、1/3以上がCGに興味を持ったと答えていた。

 村上氏によれば、小学1年生の参加もあると聞き、万が一のため完成品をいくつか用意していたそうだが、これは不要だったようだ。近い将来、この中から次世代のクールジャパンを担うCGアーティストが排出されることを期待したい。
《中尾真二》
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