フリースケールが新製品群を解説!通信プロセッサは4倍の性能を実現 | RBB TODAY

フリースケールが新製品群を解説!通信プロセッサは4倍の性能を実現

 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは22日、「フリースケール・テクノロジ・フォーラム・アメリカ(FTF Americas)」で発表の新製品について国内向け記者説明会を開催した。

エンタープライズ ハードウェア
ネットワーキング市場向け製品とその戦略について説明する、同社ネットワーク事業本部事業本部長 伊南恒志氏
  • ネットワーキング市場向け製品とその戦略について説明する、同社ネットワーク事業本部事業本部長 伊南恒志氏
  • QorIQファミリのネットワーク・フォーカス・アプリケーション。企業向けプリンタ複合機から、デジタルサイネージ機器、キャリア向けルータやストレージ機器まで幅広い。最近ではスマートグリッド向け製品の需要が増加しているという
  • QorIQ AMPについて説明する同社プロダクトマーケティング本部ネットワーキング・マルチメディア・グループ製品部長 岩瀬肇氏
  • QorIQ AMPの主な特徴。「4倍のアプリケーション性能、4倍のネットワーク・スループット」と「2倍の電力効率」(いずれも従来製品比)を実現したという
  • QorIQ AMPのアーキテクチャ。T4240では、仮想コア24(物理コア12×デュアルスレッド)となる。コア中にAltiVecと記述があるのはSIMD(Single Instruction Multiple Data)命令を処理するエンジンだ
  • CPUやメモリシステムおよびアクセラレータとのインターコネクトを行うCoreNet。トポロジはバスではなくファブリック。4つのコアがクラスタになって接続されているのがわかる。スループットやレイテンシをマルチコア・システムに最適化しているとのこと
  • 車載市場向け製品とその戦略について説明する、同社車載事業本部事業本部長 林章氏
  • S12 MagniVおよびS12VR64について説明する、同社プロダクトマーケティング本部マイクロコントローラ・ソリューション・グループ製品部 ハニフ・サディック氏
 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは22日、20日から23日まで米国テキサス州サンアントニオで開催中のイベント「フリースケール・テクノロジ・フォーラム・アメリカ(FTF Americas)」で発表の新製品について国内向け記者説明会を開催した。

 今回発表されたのは、ネットワーキング市場向けのマルチコア・プロセッサ「QorIQ(コア・アイキュー)」の新ファミリである「QorIQ アドバンスト・プロセッシングシステム」の「T4240」と、車載市場向けのミックスド・マイクロコントローラ・ファミリである「S12 MagniV(マグニビィ)」初のシングルチップデバイス「S12VR64」の2製品。

●4倍の性能と2倍の電力効率を実現する通信プロセッサ

 QorIQ アドバンスト・マルチプロセッシングシステム(以下QorIQ AMP)は、同社のネットワーク市場向け組込みプロセッサの新ファミリで「従来製品に比べ4倍の性能向上と2倍の電力効率(50%の消費電力低減)を実現している」(同社比)。具体的には、Pwoer Architecture e6500をベースとした64ビット・デュアルスレッドコアを採用し、CPUやメモリシステムおよびアクセラレータとのインターコネクトの性能向上や、アプリケーション・アクセラレータの採用などにより性能向上を果たした。

 一方の省電力性能については、コアごとに動作周波数を変更可能とし、6レベルの電力管理モードを用意(従来は3レベル)するなど、細かな電源管理を行うほか、プロセスルールが従来製品の45nmから28nmに微細化したこと、ハードウェアアクセラレータによる電力消費削減効果、パワードメイン(一緒に電源をオン/オフするグループ)の階層化などにより実現している。

 アプリケーションアクセラレータとは、暗号化、パターンマッチング、データの圧縮/伸張などを、ハードウェアによる外部エンジンで行うものを指し、処理の高速化だけでなく、消費電力も低減できるという。同社によれば、データ圧縮においては、ソフトウェアで同様の処理するのに比べ、電力消費を60分の1に低減できるとしている。

 また、ソフトウェア開発投資の低減も同製品の特徴だ。ハイパーバイザによる仮想化をハードウェアでアシストすることで、既存ソフトウェア資産の活用が行えるほか、マルチOS環境にも対応する。そのほか、オンチップ・デバッグ回路を搭載しており、高度なマルチコア・デバッグ機能も提供する。

 なお、同社によれば、同製品向けのハイパーバイザについては、エニア、ウインドリバー、グリーンヒルズ・ソフトウェアなどが対応予定とのことだ。

 QorIQ AMPファミリは、プリンタ複合機(MFP)やNAS向けのT1/T2シリーズ、キャリアグレードのエッジルータやアクセスゲートウェイおよび航空/防衛関連向けのT3/T4シリーズ、サービスプロバイダ用ルータやストレージネットワーク向けのT5シリーズが計画されている。同ファミリの製品第一弾はT4シリーズで、2,0GHz駆動で24仮想コア(12物理コア24スレッド)、48GbpsのIP転送機能を持つ「T4240」が2012年の第1四半期にサンプル出荷を予定しているという。

●マイコンとデジタル/アナログ回路をワンチップに統合したS12VR64

 「S12 MagniV」は、同社の車載市場向けミックスド・マイクロコントローラ・ファミリで、実績ある同社の16ビット・マイクロコントローラに、高電圧対応のアナログ機能を統合したデバイスだ。

 従来の車載ネットワークシステムの実装には、マイクロコントローラユニット、アナログ回路や電源などのディスクリート部品を別々に用意する必要があり、余分な設計ステップを踏まなければならなかった。S12 MagniVファミリは、制御系の回路と駆動系の回路をシステム・イン・パッケージ(SiP)やシングルダイに統合することで設計をステップの低減だけでなく、低消費電力、配線の軽量化、信頼性の向上、車載ネットワークの安全性、コスト削減なども実現する製品である。

 同ファミリでは、これまでにSiPのデュアルダイ・ソリューションであるMM912F634/G634、H634などが出荷されていたが、今回発表されたS12VR64は、同ファミリ初となるシングルダイ・ソリューションで、挟み込み防止機能付きウィンドウ・リフト向けの製品だ。 マイクロコントローラ部分は、すでに実績のある同社の16ビットマイコン「S12」とデジタル周辺回路で構成されており、同社の「LL18UHVテクノロジ」によって同一ダイ上にアナログの周辺回路も統合されているのが大きな特徴となっている。

 同社によれば、シングルチップに集積することにより、SiPソリューションに比べ、車載ネットワークシステムの低コスト化、小型化、電源制御の簡素化を図ることができるという。シングルダイ・ソリューションは、ウィンドウ・リフト向けのS12VR64を皮切りに、LEDドライバ、ブラシレスDCモータードライバ、 HVAC(暖房、換気および空調)フラッパドライバなど、さまざまな製品が計画されている。

 なお、S12VR64は、現在サンプル出荷中である。
《竹内充彦》

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