【テクニカルレポート】RDシリーズを継承したブルーレイディスクレコーダー“レグザブルーレイ”(前編)……東芝レビュー | RBB TODAY
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【テクニカルレポート】RDシリーズを継承したブルーレイディスクレコーダー“レグザブルーレイ”(前編)……東芝レビュー

IT・デジタル 周辺機器
図1.レグザブルーレイ RD-X10 ̶ RDシリーズで初めてブルーレイディスクドライブを搭載した。
  • 図1.レグザブルーレイ RD-X10 ̶ RDシリーズで初めてブルーレイディスクドライブを搭載した。
  • 表1.レグザブルーレイの主な仕様
  • 図2.レグザリンク ダビングのブロック図̶ 新たに開発した東芝製TC90708を搭載したことで,HDMI ケーブル1本でダビングできる。
  • 表2.各記録モードのHDD 容量ごとの録画時間
 これまで東芝は、2001年にHDD(ハードディスクドライブ)を内蔵したDVDレコーダを商品化し、RDシリーズとして市場に継続的に導入してきた。今回、RDシリーズにブルーレイディスクドライブを搭載したブルーレイディスクレコーダー“レグザブルーレイ”を開発した。録画コンテンツの管理システムをブルーレイディスク規格に対応させ、RDシリーズが持つ豊富な編集機能を継承させた。

 レグザブルーレイは、液晶テレビ(TV)“レグザ(REGZA)”のHDDに録画されたコンテンツをブルーレイディスクにダビングできるようになるとともに、HDMIを接続するだけでダビングできる。また、放送コンテンツをそのまま録画する場合と比べ12倍の長時間録画ができる機能と、最上位モデルのRD-X10ではこだわりの仕様を搭載している。

1.まえがき

 これまで東芝は、1996 年にDVDプレーヤを世界で初めて商品化して以来、2001年にはHDDを内蔵したDVDレコーダを開発し、RDシリーズ“ヴァルディア(VARDIA)”として市場に継続的に投入してきた。今回、RDシリーズにブルーレイディスクドライブを搭載したレグザブルーレイを開発した。

 レグザブルーレイは、当社の液晶TVレグザとの連携を強化することが目的の一つである。レグザはほとんどのモデルで外付けHDDに接続して番組を録画できるが、このTV側で録画された番組をブルーレイディスクにダビングすること、及びダビングをより簡単にすることが必要である。また、ハイビジョン映像信号の圧縮技術は日進月歩で進んでおり、少ない録画レートで、より高画質に録画することがレコーダには求められる。更に、RDシリーズの継承のため、初めてブルーレイディスクドライブを搭載した最上位モデルのXシリーズRD-X10ではこだわりの仕様を実現させるとともに、これまでRDスタイル として独自の使いこなしが受け入れられてきたRDシリーズの持つ豊富な編集機能を、ブルーレイディスク規格対応機に適合させることを目指した。

2.レグザブルーレイの概要

 レグザブルーレイ RD-X10 の外観を図1に、ブルーレイディスクドライブを搭載したRDシリーズの主な仕様を表1に示す。全てのモデルでブルーレイ3Dディスク再生に対応し、新たな超解像技術が追加された高画質技術XDEを搭載するとともに、外付けのUSB(Universal Serial Bus)HDDを接続して録画することが可能で、12倍録画と2倍速ダビングができるという特長がある。

3.レグザリンク ダビングの新回路

 従来からEthernetで接続することでレグザ内蔵のHDDに録画した番組をレコーダにダビングするレグザリンク ダビング機能を搭載してきたが、DVDレコーダであったためハイビジョン放送信号そのままではダビングすることができなかった。今回、ブルーレイディスクドライブを搭載することでそのままの画質でダビングできるようになるとともに、HDMI ケーブル1本の接続でダビングが可能になった(図2)。HDMI の新規格であるバージョン1.4では、HDMIにEthernet信号を通す“HDMI Ethernetチャンネル”機能が規定された。そこで、これに準拠したHDMI1.4 用アダプタ IC TC90708を新たに開発し搭載した。また、HDMI Ethernetチャンネルに対応したHDMI ケーブルと、このレグザリンク機能に対応したTVが必要であり、対応TVは順次リリースされる。

4.12倍録画

 ハイビジョン放送のMPEG-2 TS(Moving Picture Experts Group-Phase 2 Transport Stream)信号を、更に圧縮率の高いMPEG-4 AVC(Advanced Video Coding) /H.264に変換圧縮して録画することにより、長時間のHDD 録画が可能になる。一般に圧縮率を上げると画質の低下を招くが、新型トランスコーダを搭載し、メモリをDDR2(Double Data Rate 2)からDDR3に変更して高速処理することで、通常のトランスコードモードと、いったんデコードして圧縮し直すモードとを信号状態に応じて切り替えられるようにした。これにより、HD(High Definition)サイズを保ちながら容量を1/12まで高圧縮することが可能となり、ハイビジョン放送をそのままの解像度でHDDへの録画時間を最長12倍にすることができた。HDD容量と録画時間の関係を表2に示す。

5.RD-X10のこだわり仕様

 RDシリーズの最上位モデル名に“X”を冠した10世代目のRD-X10ならではのこだわりの仕様を次に示す。

5.1.HDMI オーディオ専用端子

 ブルーレイディスクはオーディオ7.1ch(チャンネル)など、ハイビットレートオーディオ規格に対応しているが、AVアンプにはHDMI ケーブルで接続する必要がある。RD-X10では、メインのHDMI 端子はTVに接続し、HDMIオーディオ専用端子を別に設けて、これにAVアンプを接続することで、手軽に高品位なオーディオを楽しめるようにした。

5.2.高性能アナログオーディオ出力

 更に高性能なアナログ7.1ch出力を用意し、純粋にアナログアンプ機器だけの構成で7.1ch出力を楽しむことができる。また、2 ch出力設定とした場合は7.1ch分の信号出力を全て使い、並列処理を行って加算することで、ダイナミックレンジ120dB以上、ひずみ率0.0005%以下を実現した。

■執筆者(敬省略)

・有吉 昌朗 ARIYOSHI Masaaki
ビジュアルプロダクツ社 映像第一事業部 映像設計第七部グループ長。HDD &ブルーレイディスクレコーダのハードウェア開発に従事。Visual Products Div.1

・渋谷 学 SHIBUTANI Manabu
ビジュアルプロダクツ社 映像第一事業部 映像設計第八部主務。HDD &ブルーレイディスクレコーダのソフトウェア開発に従事。Visual Products Div.1

※同記事は株式会社東芝の発行する「東芝レビュー」の転載記事である。
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