OKIとUNL、視覚障碍者向けの支援実験を実施……より詳細な方向感を提供 | RBB TODAY
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OKIとUNL、視覚障碍者向けの支援実験を実施……より詳細な方向感を提供

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東京・銀座地区での実験風景
  • 東京・銀座地区での実験風景
  • 実験イメージ
  • ユビキタス・コミュニケータ
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 OKIとYRPユビキタス・ネットワーキング研究所(UNL)は18日、「東京ユビキタス計画・銀座」の民間参画実験において、視覚障碍者の移動を支援するための、聴覚のみを利用したユビキタスナビゲーションの有効性を検証する実験を行ったことを発表した。

 今回の実験は、東京都と国土交通省が主催する「東京ユビキタス計画・銀座」の民間参画実験において実施され、東京・銀座地区で3月7日~9日に行われた。両社は、UNLが開発したコミュニケーション端末「ユビキタス・コミュニケータ(UC)」に、OKIの音声処理技術「eおとエンジン」の機能のひとつである、音に方向感を付与する「eおとポジショニング」を搭載し、2007年度より継続して実証実験を行ってきた。本年度は、「より詳細な方向感を提供することが、利便性の向上につながる」という昨年度の実験結果に基づき、バイノーラルマイクとカナル式イヤホンを組み合わされたイヤホン(バイノーラルマイク付きイヤホン)を新たに採用し、その効果を検証した。

 一般的なナビゲーションは、利用者に音声情報と地図情報を提供するため、聴覚と視覚の両方を必要とする。一方、視覚障碍者は歩行に必要な情報の多くを環境音から得ていることが研究によって知られている。OKIとUNLは、両社が従来行ってきた移動支援システムが、地図などの視覚情報は使用せず、聴覚だけでナビゲーションを実現している点に着目し、視覚障碍者の方々の移動に有効な技術であると考えた。この実証のため、昨年度、視覚障碍者の方々を対象とした実験を行い、聴覚のみを利用したユビキタスナビゲーションでの有効性を検証することができたとのこと。

 今年度は、この結果を踏まえ、より詳細な方向感の提供により、利用者が容易に目標の場所へ移動することを可能とする実験を行った。本実験では、「eおとポジショニング」と今回新たに採用したバイノーラルマイク付きイヤホンを組み合わせたシステムで、実際に視覚障碍者の方に案内サービスを体験してもらった。この結果、多方向から音声が得られるようになり、目的地の位置関係が容易にイメージできたことや、バイノーラルマイクによって外部音も聞き取ることができるようになり、利便性の向上について確認できた。

 具体的には、銀座に設置された無線や赤外線方式のアクティブタグによる場所マーカから送信される「ucode」を「UC」が受信し、利用者の現在位置情報(緯度経度情報)を得る。次に、「UC」に付属の方向センサーにより、利用者が現在向いている方向と、目的地の緯度経度情報から、現在地からみた目的地の方向を算出。そのデータを基に「eおとポジショニング」により、「UC」に接続したバイノーラルヘッドホンを介して目的地の方向からナビゲーションが聞こえるようにガイダンス音声を再生する。

 OKIとUNLは、今回の実験の検証結果を踏まえ、「ユビキタス・コミュニケータ」に「eおとエンジン」を応用したユビキタスサービス、ユビキタスインフラの製品化を通じて、ユビキタス社会の発展への貢献を目指している。
《池本淳》
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