【FINETECH JAPAN 2011(Vol.11)】シャープが語る「GALAPAGOS」戦略……動画配信、eコマースも視野に | RBB TODAY

【FINETECH JAPAN 2011(Vol.11)】シャープが語る「GALAPAGOS」戦略……動画配信、eコマースも視野に

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シャープ ネットワークサービス事業推進本部 商品企画チーフ 松本融氏
  • シャープ ネットワークサービス事業推進本部 商品企画チーフ 松本融氏
  • サービス利用者の傾向
  • GALAPAGOS事業
  • GALAPAGOS事業の今後の展開
  • GALAPAGOS事業によるサービス
 「90年代の商品企画は、ハード中心の議論に終始する傾向があった。コンテンツの視点からモノづくりを捉え直した結果、GALAPAGOSへとつながった」。「FINETECH JAPAN 2011」(ファインテック ジャパン)で実施されたセミナー講演にて、シャープ ネットワークサービス事業推進本部 商品企画チーフ 松本融氏は、同社が展開する「GALAPAGOS」事業についてこう述べた。

■GALAPAGOS事業での動画配信、eコマースも

 松本氏は「我々はGALAPAGOSをサービスと端末をセットにしたプラットフォームと位置付けている」と述べ、クラウドベースでのサービス提供が特徴であると説明した。また「GALAPAGOSを電子書籍専用端末、サービスという形でまずはデビューさせているが、今後は動画サービスやeコマースなどへも拡充していく。また利用シーンに関しても、モバイルだけでなく、自宅やオフィスなどを想定したサービスを提供していく」と述べ、電子書籍はあくまでGALAPAGOSの一事業であるとの認識を示した。

■GALAPAGOSタブレットのディスプレイサイズ
 
 昨年12月に発売された「GALAPAGOS」は、ディスプレイサイズが5.5インチの「モバイルモデル」と、10.8インチの「ホームモデル」の2種類がある。松本氏は、それぞれのディスプレイサイズについても説明。「モバイルモデルのサイズについては色々検討したが、上着のポケットにギリギリ入るサイズで、片手操作できる大きさにした」。実は2010年のCEATECにプロトタイプとして出展されたGALAPAGOSのタブレットは、ディスプレイサイズが5.0インチであった。しかし読書には小さすぎるということになり、若干サイズを広げた。「端末を片手でしっかりホールドできる厚さが9.2mm。そこに収まるディスプレイサイズを設定した結果5.5型になった」(松本氏)のだという。一方10.8インチのホームモデルは、新聞や雑誌の閲覧を想定したもの。特に雑誌の閲覧にフォーカスしており、横向きの見開き状態で雑誌を読むというシーンを想定した結果、10.8型というサイズへつながった。

 GALAPAGOSのもう1つの特徴が、プッシュ型によるサービス提供だ。「従来ネットとは、リテラシーの高いユーザーが、ネットに自ら情報を探しに行くプル型であった。今後はネットがユーザーに合わせるプッシュ型が大事である」とする。それを具体的に形にしたものが、新聞や雑誌の自動定期配信サービスとなる。ユーザーの生活サイクルや趣味趣向に合わせたコンテンツ提供に重点を置いている。

■よりオープンなプラットフォームへ

 GALAPAGOSのタブレット端末では、シャープ独自の電子書籍フォーマットである「XMDF」を採用している。松本氏は「XMDFによるコンテンツ制作の普及を進めているがそれだけでは広まらない。テキストやPDF、ドットブック、ePUBなど他のフォーマットに対応したコンテンツも今後展開していく」と述べた。また3月には、電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」をシャープ製Androidスマートフォンで利用できるアプリ「GALAPAGOS App for Smartphone」の提供を開始したが、今後は他社製の端末にも対応していくという。GALAPAGOSのビジネスモデルは発表当初、垂直統合型によるクローズドなプラットフォームだとの批判が度々見受けられたが、このようによりオープンなサービスを目指した施策もなされているようだ。

■「専用端末だからこそ出来るビジネスが見えてきた」

 講演では、TSUTAYA GALAPAGOSにおけるユーザー層やコンテンツの購買率などについても触れられた。電子書籍専用タブレット端末という性質から、当初サービスの利用者としては30~40代のビジネスパーソンが想定されていたが、50~60代の利用者も予想より多く見られたという。松本氏は、ビジネス書が主なコンテンツであることから、これらの年齢層に受け入れられたのではと推測している。

 また異なる端末サイズで、購入されるコンテンツの種類にも違いが見られるという。5.5型のタブレットでは書籍がメインだが、10.8型では新聞、雑誌の比率が高く、当初の狙い通りとなった形だ。またコンテンツの購買率(コンバージョンレート)が一般のスマートフォンに比べて高く、10%前後で推移しているのだという。松本氏は「メディアタブレットのユーザーは意識が高いためか、一人当たりの売上は高い。一方でスマートフォンユーザーは、アクセス数は多いが、コンテンツの購買率は比較的低くなっている。専用端末であるからこそ、こういったビジネスができるんだなということが見えてきている」と語った。

 昨年12月にサービスを開始したTSUTAYA GALAPAGOSは、現在2万3千冊の書籍、150種以上の新聞、雑誌を揃えており、毎週500弱のコンテンツが追加されているのだという。現状コミックの品ぞろえは薄いものの、今後は拡充していく方針だとしている。またGALAPAGOSタブレットの販売台数について、松本氏は「100万台を一つの目安にしている。なるべく早く達成していきたい」と述べた。
《RBB TODAY》

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