NEC、通信範囲の異なるLTE基地局のネットワークを自己最適化する技術を開発 | RBB TODAY
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NEC、通信範囲の異なるLTE基地局のネットワークを自己最適化する技術を開発

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LTE SONの概要
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 日本電気(NEC)は10日、次世代移動通信規格「LTE」において、通信範囲の異なる基地局が混在する環境で自律的にネットワークの最適化を行い、高い通信品質を実現する「SON」(Self Organizing Network)技術を開発したと発表した。

 LTEにおいては、広い通信範囲をカバーするマクロ基地局に加え、狭い範囲をカバーするスモールセル基地局を高密度に設置することが有効とされているが、両者が混在した環境で高い通信品質を確保するには、送信電力やハンドオーバなどの設定を適切に行う必要がある。現在この設定は、基地局を設置する環境に合わせて手動で行われている。

 今回開発された技術は、端末の分布や移動状況を自動で認識し、スモールセル基地局とマクロ基地局の設定を自動化するもの。スモールセル基地局において、端末と他の基地局との無線干渉を推定し、送信電力などの設定を変更してカバー範囲を決定する。基地局のカバー範囲を、端末が密集するエリアに自動調整することにより、通信速度が低下するカバー範囲の境目に存在する端末をなくし、高速で快適な通信が可能となる。またマクロ基地局からスモールセル基地局へのハンドオーバ設定を通信状況に応じて変更する。スモールセル基地局へのハンドオーバを、高速移動中の端末に対しては抑制する一方、低速移動中や静止した端末に対しては促進することで、通信の途切れを防止し安定した通信品質を提供する見込みだ。

 実際に本技術を、NECが開発したLTE SON 3次元シミュレータで検証したところ、従来の基地局カバー範囲の境目付近で通信速度が低下していた端末ほど大きく改善し、通信速度が最大で約2倍になるとともに、通信の途切れる頻度が大幅に減少することが実証されたという。これにより、端末の密集したエリアや高速移動中でも安定した高速通信が可能となるとのこと。今後はNECが提供する基地局やネットワーク管理システムに本技術を取り入れ、早期の実用化を推進する。なお本技術の成果は、14日からスペイン・バルセロナにて開催される「Mobile World Congress 2011」に展示される。
《冨岡晶》
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