【クラウドEXPO(Vol.10)】富士通のクラウド管理ソフトウェア……ICTリソースの自動配備と使用状況の見える化を実現 | RBB TODAY

【クラウドEXPO(Vol.10)】富士通のクラウド管理ソフトウェア……ICTリソースの自動配備と使用状況の見える化を実現

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 商品企画室 仮想プラットフォーム部 プロジェクト課長 鈴木久智氏
  • 富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 商品企画室 仮想プラットフォーム部 プロジェクト課長 鈴木久智氏
  • 利用者向け、サービスの利用申請画面(1)。「サービスカタログ」と呼ばれるハードウェアとソフトウェアの組み合わせから、利用したい環境を選択する
  • 利用者向け、サービスの利用申請画面(2)。選択したサービスの運用上の名称を記入し、利用規約を読んで同意して利用申請する。これだけで配備が開始され、利用可能な状況になったらメールで通知される
  • 運用者向け、サービス仕様の更新画面。CPUやメモリなどの仕様を定義したテンプレートを基に作成したサービスの仕様を設定する
  • 運用者向け、サービスの公開画面。作成したサービスの公開/非公開を設定する
  • 利用者向け、サービスの利用申請画面(3)。運用者が先ほど作成したサービスが、利用者用の利用申請画面に追加されている(最下行の「AP開発環境(中規模)」)
  • リソース使用状況の確認画面(1)。プールされているメモリの空き状況や状況履歴がグラフ表示される
  • リソース使用状況の確認画面(2)。VM HostのCPU使用率やディスク使用量がグラフ表示される
 10日~12日まで幕張メッセにて開催されている「クラウドコンピューティングEXPO」。同イベントで富士通は、企業やグループ内のプライベートクラウド構築のための支援サービスやインフラ環境、ソフトウェアを多数出展している。ここではその1つ、プライベートクラウドを管理する「クラウド インフラ マネージメント ソフトウェア」について紹介する。

 同製品は、自社のデータセンターにクラウドを構築し、情報システム部門が社内の利用者に提供する「プライベートクラウド」の運用において、ICTリソースの自動配備と使用状況の見える化を実現するソフトウェア。富士通の統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker(システムウォーカー)」と「ServerView (サーバービュー)」の技術を使用しているが、富士通のPRIMERYサーバで構築されたクラウドを対象とし、利用者が申請する仮想プラットフォームを、管理者があらかじめ設定したスペックから選択させる(利用者にカスタマイズさせない)ことで、23万円(物理サーバ単位のライセンス)という価格を実現している。

 従来の運用方法であれば、まず利用者が伝票を発行したり電話をかけたりして管理者に利用申請し、それを管理者が受けて仮想環境にサーバやディスクを用意、準備が整ったらメールや電話で回答する、といった流れをとる。しかし本製品であれば、利用者はWeb画面を使って必要な環境を「サービスカタログ」の中から選んで利用申請すると、インフラが配備され利用可能な状態になる。その後アクセス情報(サーバのIPアドレスやログインID・パスワードなど)がメールで通知され、リモートデスクトップからネットワーク越しにただちに利用できるようになる。

 人手をかけていた作業がすべてWebからの申請だけで自動実行できるため、従来では360分かかっていた一連のプロセスを10分に短縮できたという事例もあるそうで、本製品の紹介ブースでは、利用者の利用申請からリモートデスクトップ接続までの一連のプロセスをデモで体験できる。

 この自動実行を実現する仕掛けが「サービスカタログ」だ。これは、利用者が申請時にハードウェアやソフトウェアの選定で悩まないよう、例えば「アプリケーション開発用」「Webサーバ(テスト用)」など、業務を想定したCPUやメモリ、ディスク、OSイメージをパッケージにして、管理者があらかじめ用意しておく。本製品では利用開始から解約までのログをとっており、利用期間に応じた課金をする際の「月額」「日額」といった料金目安を設定することもできるようになっており、これらもデモで体験できる。

 また、実際に運用を始めると、管理者にとって重要になってくるのがICTリソースの効率的利用だ。既存リソースを切り出して自動配備するため、利用申請が活発になるとリソースが不足し始め、どんどん解約されると余剰リソースが生じてしまう。本製品では、リソースを追加するタイミングをうまくはかり、無駄な投資を発生させないよう、リソース使用状況の見える化機能が備わっており、CPUやメモリ、ストレージ、ネットワーク、VMホスト、VMゲストといったICTリソースの現況を円グラフで表示したり、推移を折れ線グラフで表示する。

 8月の発表と同時に出荷が開始されたこの「クラウド インフラ マネージメント ソフトウェア」は、サーバ数台~十数台規模でスモールスタートする企業数社を中心に導入作業が進んでいるという。富士通の鈴木久智氏(プラットフォームソフトウェア事業本部 商品企画室 仮想プラットフォーム部 プロジェクト課長)によれば、「現時点では、“プライベートクラウド”というキーワードではなく、“サーバ集約”というキーワードで本製品をお使いいただくケースが多くなっています。情報システム部門にとっては、どれだけ負荷を増やさずにサーバを集約できるかがポイントになってきます。そこで、自動化ツールを導入して集約率を高めつつ、ICTリソースの有効利用も確認できつつ、さらに要員は増やさなくて済む、という効果を狙っての導入のようです」と語る。

 それと同時に、「今までコストセンターと言われていたシステム部門が、自分たちも経営に貢献したいと考え、社内に対して“これからは社員の皆さんが使った分だけお金をいただけるように明朗会計にします。皆さんは私たちが提供するサービスの利用者になってください”と言って、数百台規模でスタートするケースもあります」と鈴木氏が言うように、本格的なプライベートクラウド展開にも本製品が採用されている。

 現行バージョン「クラウド インフラ マネージメント ソフトウェア V1」は、仮想環境を対象とし、カスタマイズ機能もないが、来年度には物理と仮想の混在環境やカスタマイズに対応したバージョンを投入予定とのことだ。

 また、本製品と関連して、「プライベートクラウドインフラ導入支援サービス」(有償)も提供されている。鈴木氏は、「我々は“導入して効果をあげていただいて初めてクラウド”という考え方を持っていますので、ハードやソフトを売っておしまいではなく、あらゆるサービスを一貫してご提供させていただきます。クラウドインフラ基盤のプランニングや、設計、導入フェーズのサービスはすでにご提供しており、今後は継続的な運用を行うにあたってのサービスのご提供も検討しています」と語っている。
《柏木由美子》

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