独占的地位にあぐらをかき日本の競争力をなくしている……孫正義社長、NTTに再反論 | RBB TODAY
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独占的地位にあぐらをかき日本の競争力をなくしている……孫正義社長、NTTに再反論

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講演では、「光の道」構想の実現を訴えて、熱く自論を述べた
  • 講演では、「光の道」構想の実現を訴えて、熱く自論を述べた
  • 「光の道の実現に向けた新提案」
  • 「メタル線の赤字などを代理返済し応分の負担をするのだから、タダ乗りだという批判は当てはまらないよねということ。真摯に真正面から逃げずにその議論を受け止めたということが、今回の大いなる転換点」
  • 維持費のかかるメタル回線を排除することにより、年額7,100億円の削減を想定
  • NTTのアクセス回線部門のコスト構造
  • 分社化された新会社では、光回線はメタル回線と同じ1,400円で提供。光BBは1,150円
  • NTTから寄せられた8つの指摘事項。そのうち4項目については、NTTからの資料をもとに試算を追加計上した
 ソフトバンクの孫正義社長は25日、「光の道の実現に向けた新提案」と題した講演を都内で行った。「光の道」構想は、2015年までに国内4,900万世帯に光回線を普及させることを目的としたもの。孫社長が提唱した「光の道」実現のための戦略に対して、NTTが9月1日に反論を寄せており、今回の孫社長の講演は、NTTに対する新提案を含めた反論を語ったもの。

 「携帯電話しか使っていないお客さんでも、知らないままNTT東西によるメタル代の赤字補填として、負担金を払わされている」。講演にて孫社長は、現状年額で約7,100億円の維持費のかかるメタル回線により、NTTのアクセス回線部門が赤字に陥っているとして、光回線敷設の必要性を訴えた。孫社長は、「光の道」構想を実現することで、現在光とメタル合わせて年額1兆200億円の維持費を、約7,100億円削減できると主張する。このメタル回線の赤字削減分により、税金を全く使わない光回線の敷設が可能になり、かつ価格もメタル回線と同じ1,400円で提供できるとしている。

 新提案として今回語られた内容は、従来孫社長が主張していた、NTTのアクセス回線部門を分社化した新会社に対して、政府や、ソフトバンク、NTT、KDDIなどが分担して計5,000億円を株主として出資するというもの。出資額の内訳としては、政府が国所有のNTT株式により2,000億円を現物出資。さらにソフトバンク、NTT、KDDIがそれぞれ1,000億円ずつ出資するというもの。孫社長は、仮に出資企業が現れなかった場合でも、ソフトバンクが5,000億円を全額負担する考えを示した。またNTT東西の2兆円の借入金のうち、半分の1兆円も同時に引き継ぐという。共同出資額の5,000億円の根拠については、新会社が約3.1億円の設備投資をするために必要な出資額であるとした。

 今回の資金負担を決めた理由だが、ツイッター上で多数のユーザーから「NTTのインフラへのタダ乗りはやめろ」という指摘を受けたためだという。孫社長は、「メタル線の赤字などを代理返済し応分の負担をするのだから、タダ乗りだという批判は当てはまらないよねということ。真摯に真正面から逃げずにその議論を受け止めたということが、今回の大いなる転換点」だと話した。また共同出資という形をとった理由については、ソフトバンク一社で行うことで我田引水や独占との批判を受ける可能性もあるため、他社の参画を促したという。

 9月に寄せられたNTTからの反論に関して、孫社長は「NTTさんが数字で反論されましたので、我々も数字を持って反論したいと思います」とコメント。NTTから受けた8項目の指摘事項のうち4項目について試算を見直したものの、税金を全く使わずメタル回線と同じ料金で光回線を提供するという「光の道」構想の大枠については、変更はしないとした。

 NTTからの指摘事項のうち、「施設保全費」(電柱・土木関連)、「営業費」(回線管理費用)、「光化回線数の追加」(メタル専用線等)、「架空配線区間」に関しては、指摘にもとづき追加費用をそれぞれ計上。このうち「架空配線区間」について孫氏は「光敷設は90%終わっているとNTTは話していたが、実はき線まではきているが、そこから先の家の近くのところまでは50%しか終わっていないということを情報開示した」「そこで数値を見直した(5,731億円追加計上した)」と話した。一方で、「営業費」や「サービスコスト」(顧客管理・移転等諸異動・料金業務)などについては、ソフトバンクの実績から試算すれば、NTTによる試算より安く実行できるとした。孫社長は「親方日の丸的に独占的地位にあぐらをかいていると業務効率が悪くなる。一般企業並みに安くやれるはずだ」と語った。

 孫社長は、「光の道」構想を通じたIT推進による経済成長を訴えながら、「日本は世界からジャパン バッシングやジャパン パッシングなどと言われ、さらに今ではジャパン ナッシングなどと呼ばれている。世界中の人から笑われているこの悲しい状況の中で、もう一度競争力を取り戻さなくてはならない」と述べた。
《RBB TODAY》
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