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OKI、遠隔オフィスの人とも自然にコミュニケーションできる次世代技術を開発

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 沖電気工業(OKI)は30日、オフィス空間同士をつなぎ、離れた場所にいても同じオフィスで活動しているような臨場感を実現する「オフィス空間内の人や機器の位置情報を活用するメディア処理・提示技術」を開発したことを発表した。

 通常のオフィスでのコミュニケーションは、何かに気付いて声をかけたり、様子を伺ってから話しかけたりと、遠隔オフィスの人との会話よりも気軽に、また確実に行われている。そこでOKIは、次世代のコミュニケーションシステムに向けて、“離れた場所にいても同じ場所にいるような感覚で会話をはじめられる”ようにする、複数の映像/音/センサ情報を活用した、空間と空間をつなぐ技術の開発を行った。

 今回開発された「オフィス空間内の人や機器の位置情報を活用するメディア処理・提示技術」は、オフィス空間内の人や機器の位置情報を活用することで、指定した人やエリアの映像・音声などのマルチメディア情報を遠隔地の利用者に伝送するものとなっている。従来の遠隔コミュニケーションシステムでは、相手にアクセスする際に電話番号やIPアドレスなど通信を行なう端末に紐付いたアドレス体系を利用者が意識して使う必要があった。それに対し本技術を利用したシステムでは、直感的な操作でコミュニケーションが可能となるとのこと。例えば、遠隔オフィス全体を写す映像中の人をタッチするという操作で、その人とコミュニケーションを開始することができるという。

 本技術は、オフィス空間に配置されたマイクやカメラなどのマルチメディア情報入力機器の種類および位置情報と、利用者の操作とを結び付けて、遠隔オフィスの指定エリアの映像・音声などのマルチメディア情報を配信する。情報管理サーバ上にオフィス空間における人や機器の位置情報を登録することで、遠隔オフィスから接続してきたコミュニケーション端末にその位置情報を送信できる。受け取った位置情報と利用者からの操作情報に基づいて遠隔オフィスのどのマルチメディア情報入力機器に接続すべきかをコミュニケーション端末が判断し、配信サーバに配信要求を送出する。配信サーバでは、その要求に基づいて指定エリアのマルチメディア情報を配信する。利用者は、端末上で見ている遠隔地の映像上の場所を指定することで、指定したエリアに対応する映像や音声を視聴することができるようになるとのこと。

 また、遠隔オフィス空間中の注目したい領域を指定するために、複数カメラによる視点の変化を分かりやすく表示するグラフィカルユーザインタフェースを開発した。コミュニケーション端末に回転機構を設け、遠隔オフィスからメディア配信を指定されたエリアの端末が首振り動作をするようにしており、これにより遠隔オフィスから様子をうかがわれていることに気付くことができるようになるという。

 さらに、今回これらの技術を搭載した次世代コミュニケーションシステムも開発中であることをあわせて発表した。このシステムでは離れた場所にいる利用者が、オフィスに設置された複数のカメラ・マイクで取得したマルチメディア情報を位置情報に基づいて利用できるようになっているとのこと。これにより遠隔オフィスを俯瞰し、気になるエリアに近付き、そこにいる人と対話をするという動作を実現している。本システムは常時接続することを前提に設計しており、遠隔オフィスの様子を常時伝えることで、状況の変化をきっかけとしたコミュニケーションの発生が期待される。このようなコミュニケーションのきっかけとなる状況変化を伝えるため、遠隔オフィスで発生した情報を俯瞰映像へ重畳したり、効果音で提示したりする機能も搭載しているとのこと。現在OKIでは、埼玉県蕨市と大阪市にあるオフィスをつないで実証実験を行っているという。

 なお、今回の成果の一部は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が進める超臨場感コミュニケーション技術に関する研究開発の一環として、NICTから受託した委託研究「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的な三次元映像による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発」によって得られたものだ。今回の成果は次世代ユニファイドコミュニケーションシステムに搭載する新機能の開発につなげていく計画だ。なお、本システムは10月5日から幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2010」の超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)のブースに展示予定とのこと。
《池本淳》
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