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日本SGI、ブレード型クラスターサーバの新製品「SGI Altix ICE 8400」発売

エンタープライズ ハードウェア
SGI Altix ICE(前面)
  • SGI Altix ICE(前面)
  • SGI Altix ICE(背面)
 日本SGIは1日、最新のインターコネクト技術「InfiniBand QDR」に完全対応したブレード型クラスターサーバ新製品「SGI Altix ICE 8400」の販売を開始した。

 「SGI Altix ICE 8400」は、現行の「SGI Altix ICE 8200」の後継モデルで、キャビネット内の機器を接続するインターコネクトすべてに「InfiniBand QDR」を採用することで高速なデータ通信を実現。単に最新のインターコネクト技術を採用するだけでなく、ブレードを格納した専用ユニット同士をつなぐための内蔵スイッチでは豊富なポートを装備することで、他社製品に比べて3倍の広帯域幅を実現しているとのこと。また、キャビネットあたりのプロセッサーコア数は最大1,536コアに拡張され、より一層高密度化が図られている。最先端の科学技術計算分野や製造業のCAE分野などの大規模で高性能なHPC用途に適したシステムだ。

 従来、SGIのサーバ製品ではインテル社のプロセッサーが採用されていたが、本製品ではインテルXeonプロセッサー5500番台と5600番台のほか、AMD社のAMD Opteron 6100シリーズも選択可能だ。AMD社のプロセッサーを搭載した場合、キャビネットあたり最大128プロセッサー、コア数にして従来モデルの2倍の最大1,536コアとなる。システム全体の拡張性も高く、最大65,536ノードの大規模クラスターが構築可能だ。またSGIサーバ製品の性能を最大限に引き出すためのライブラリやツールにて構成されるSGI ProPackの最新バージョンSGI ProPack 7がAltix ICE 8400において利用可能。なおSGI ProPackを搭載したAltix ICE 8400は、SPEC MPI2007ベンチマークの1つであるSPEC MPIL2007の結果において51.3の世界記録を達成したという。

 従来からの耐障害性および管理性を重視した設計も継承されている。SGI Altix ICEシリーズは、CPUを2基搭載可能なブレードを専用ユニットに最大16台まで格納でき、42Uキャビネット1本あたり最大4ユニット搭載可能。各ユニットはInfiniBand高速インターコネクトが統合されたビルトイン設計となっており、ユニット内はケーブルを使用せずにブレードを増設可能だ。ユニット同士を接続するスイッチも内蔵されており、外部スイッチをいっさい必要としない。これにより、障害発生のポイントとなるコンポーネントを極力排除して、信頼性を向上させるとともに煩雑なケーブリング作業を簡素化できる。計算ブレードはディスクレス設計となっており、ディスクを独立して搭載することでOSや設定ファイルを集中管理し、大規模なクラスターシステムにおける管理作業をシンプル化することが可能だ。OSにはSUSE Linux Enterprise ServerまたはRed Hat Enterprise Linuxが選択可能。

 SGI Altix ICE 8400は国内外において、大規模システムとしての導入が先行して進められている。米国NASAでは、「Pleiades」というインテルおよび米国SGIとの共同プロジェクトにおいて、従来の51,200コア構成のSGI Altix ICE 8200に加えてSGI Altix ICE 8400が32キャビネット追加導入された。システム全体としてペタフロップスに迫る理論演算性能を実現し、地球科学・宇宙科学の研究や大規模なシミュレーション用途に活用されている。国内では、15,360コア構成、理論演算性能値180テラフロップスのSGI Altix ICE 8400が、東京大学物性研究所の次期スーパーコンピュータシステムに採用された。7月1日に稼働開始予定となっており、最先端の物性科学研究に役立てられる。

 「SGI Altix ICE 8400」の参考価格は、インテルXeonプロセッサー5600番台2.66GHz 12M 6.4GT/s、192コア、192GBメモリ、SUSE Linux Enterprise Server 11、SGI ProPack 7、SGI Management Center、42Uキャビネットの構成の場合22,084,000円(税別)。出荷開始時期は、インテルXeonプロセッサー搭載モデルは、6月上旬より出荷開始、AMD Opteronプロセッサー搭載モデルは、第3四半期の予定。
《池本淳》
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