NEC、温度や加速度センサーを内蔵したRFIDタグ | RBB TODAY

NEC、温度や加速度センサーを内蔵したRFIDタグ

 日本電気(NEC)グループは9日、RFIDタグ「アクティブタグ」と読み取り機の制御装置「スマートフロントコントローラ」の新製品を発表した。

エンタープライズ その他
NECのユビキタスソリューション本部長である松尾泰樹氏
  • NECのユビキタスソリューション本部長である松尾泰樹氏
  • NECが設置したRFIDの実証実験施設「NEC RFID イノベーションセンター」を見学した企業の業種。製造業と流通業の関心が高いことが分かる
  • RFIDタグでアライアンスを組んでいる企業。タグやリーダも複数のベンダーの名前があがっている
  • NECトーキンのアクセスデバイス事業部長である武田武二氏
  • アクティブタグの概要。今回、発表したアクティブタグは、加速度や温湿度、照度が計れるセンサ部と、LEDとブザーのアクチュエータ部を内蔵しているのが特徴
  • アクティブタグを用いたアプリケーションの例。照明の照度、空調の温度、分電盤の電力消費量を一括して管理するシステム
  • もう1つのアプリケーションの例。倉庫における商品の管理。これまでのRFIDタグは、トレーサビリティにしか使えなかった。アクティブタグでは、温度センサによる異常の検知、特定の商品のブザーを鳴らすことで探しやすくなるなどの特徴がある
  • デモの様子。隣り合ったゲートに商品を通す
 日本電気(NEC)グループは9日、RFIDタグ「アクティブタグ」と読み取り機の制御装置「スマートフロントコントローラ」の新製品を発表した。

 アクティブタグは、PCにUSBで接続する親機と、アクティブタグの子機で構成される。子機には、温度や湿度、照度、加速度センサーなどを内蔵しており、この情報を親機に送信できる。また、LEDとブザーも内蔵しており親機から制御できる。送受信とも、約50メートルの通信が可能だ。アクティブタグのサンプル価格は15,000円で出荷は2009年1月からの予定。2.45GHz帯の周波数を利用し、IEEE 802.15.4に準拠している。電源に単四電池を2本使用し5分に1回ずつ親機にデータを送信した場合、約1年間持つ。

 スマートフロントコントローラは、UHF帯のRFIDリーダの課題であった電波干渉を回避するための製品。これまでは、隣り合うゲートなどにRFIDタグを通すと電波が干渉するため、どちらのゲートを通ったかまでは判断できなかった。スマートフロントコントローラでは、複数のRFIDリーダを接続することで、隣り合ったゲートでもどちらを通ったのか判断できる。スマートフロントコントローラはソリューションの一部としての販売が中心だが、単体では約180万円。

 NECのユビキタスソリューション本部長である松尾泰樹氏によると、現在、RFIDタグが導入されている分野としては、「電機メーカー、自動車メーカーが多い。次に、運輸物流、制服や工具の管理などがある」という。いずれも共通するのは、RFIDタグをリユースしていることだ。これは、RFIDタグは、使い捨てができるほど価格が下がっていないためである。

 NECでは、これらの業種に対して、RFIDタグや周辺の機器、システムの開発を一括してソリューションとして提供している。RFIDタグそのものは自社で開発しておらず、「構築するシステムに適した電波の到達距離、耐熱性、防水性、大きさ、価格などの条件にあったRFIDタグを、多くのタグベンダーから探してきてインテグレートする」という形を取っている。このようにさまざまな企業とアライアンスを組んでいるが、その中には医薬品のボトルメーカーの伸晃化学、警察や自衛隊など制服を製造する東洋物産もある。医薬品や制服の管理において、あとでRFIDタグを付けるのではなく、製造段階であらかじめ内蔵するという狙いがある。

 NECトーキンのアクセスデバイス事業部長である武田武二氏が、今回発表したアクティブタグの説明を行った。同社は、電池や電源回路の開発、ノイズ測定やセンサ技術、RFID開発や高周波回路技術を手がけている。そのためアクティブタグは、「NECトーキンの強みを生かした商品」とする。

 アクティブタグを使用した例としてあげられたのは、室内の温湿度、照度、電気機器の消費電力を管理するシステム。照明、空調、分電盤にそれぞれアクティブタグを設置し、PCで集計することで、温度や電力の情報が視覚化できる。将来的にはもう一歩進めて、収集したデータを電力やガスの制御に用いることも考えられている。

 もう1つの例は、物流センターにおける商品の管理。これまでのRFIDタグは、商品のトレーサビリティに使われるだけだった。しかしアクティブタグだと、温度センサにより商品の異常が検知できたり、ハンディ端末から商品を検索するとブザーが鳴り、探しやすくなるなどの利点がある。

 これら新製品の発表は、NECがRFIDタグの実証実験設備として東京の平和島に開設した「NEC RFIDイノベーションセンター」で行われた。ここでは、RFIDタグが付いた商品が同時に2つのゲートを通っても干渉しないというスマートフロントコントローラのデモが披露された。
《安達崇徳》

関連ニュース

特集

page top