TypeKey廃止、TypePad Connectを発表——シックス・アパート09年事業戦略発表 | RBB TODAY
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TypeKey廃止、TypePad Connectを発表——シックス・アパート09年事業戦略発表

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シックス・アパート 代表取締役 関信浩氏
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 シックス・アパートは2日、2009年の事業戦略について発表した。

 戦略発表会は、シックス・アパートの代表取締役 関信浩氏が、日本法人設立から5年を振り返って、ブログがもたらした変化や現在のブログの状況などの総括から始まった。

 まず、「ブログはActivity(活動)からIndustry(産業)に」として、個人のブログは趣味的なものからアルファブロガーなどが自己のキャリア表現のツールになったり、企業が試験的に導入していたものがイントラブログなど戦略的なツールとして使ったり、さらにマーケティング分野では、炎上などの「恐れ」から一歩引いていたものから、ターゲティング、バイラルマーケティング、EC、アフィリエイトといった「希望」を実現する手段として認知されるようになったことを説明した。

 続いてブログが従来メディアを、マス・集中型から分散・協調型に変革させたように、今後はfacebookやmixiなどの巨大SNSを分散型のソーシャルメディアに変化させていくだろうと述べた。とくに最近のソーシャルグラフ化の動きに注目し、データはサービス事業者のもではなくユーザーのものという「データ・ポータビリティ」について言及した。これは、写真、動画、日記、コメント、つぶやき(twitterなど)、ブックマークなど一人の個人が多数のサービスを駆使するこれからのウェブスタイルのことを示している。会見では直接の言及はなかったが、同社が進めるOpenIDは、この動きを支援するものといえる。今後、サービスプロバイダなどは個人を完全に囲い込むのではなく、ソーシャル化を意識した戦略が重要になるという点を示唆していると考えられる。期せずして、ミクシィはユーザーの登録制など規約改定を発表しているが、これなどもソーシャルグラフ化の動きで説明可能かもしれない。

 上記を踏まえ、シックス・アパートは2009年の事業戦略の詳細はおよそ次のようなものになるそうだ。基本的には、MovableTypeをベースに広げていった3つの事業ドメインを強化していくもので、1つめはブログのプラットフォーム部分だ。これは標準技術、オープンAPIなどの強化を進めつつ、コア部分にソーシャル/コミュニティ対応に力を注ぐ。2つめはサイトデザインや構築その他をサポートするコンサルティングやソリューション事業だ。これまでもProfessiona Networkなどパートナーやエコシステムによる、EC、CMS、モバイル、イントラといったシステム支援を行っているが、今後は同社がソリューションを直接手がけることも視野に入れている。3つめはVoxやBlu-ray apartに代表されるメディア事業だ。これもブログメディア構築の支援を積極的に展開していきたいとした。

 このうち、プラットフォームとメディア事業に関係する具体的な展開として、「TypePad Connect ベータ版」と「blogs.com日本版」について発表した。TypePad Connectは、現在のTypeKeyをOpenID対応、コメント管理機能、アンチスパム機能の強化など行ったバージョンという位置づけだ。現在はベータ版が公開されており、日本語対応も年内には行われるという。そして、2009年第1四半期には正式リリースさせる予定で、そのときにはTypeKeyのサービスは終了することになっている。コメント管理機能では、複数のブログやtwitterなどのコメントを一括管理したり、新着コメントのメール通知機能などが強化される。

 blogs.comは米国でサイトがオープンしているが、ブログのポータルサイトのようなものだ。ジャンルごとに有用なブログが整理されており、読者は、ある出来事やニュースについてマスメディアサイトとの論調の違いなど比較できる。また、ブロガーにとっては自分のブログの認知を広げたり、トラフィックの誘導が期待できる。日本語版は、同じ機能を再現するだけでなくローカルなニーズや日米のブログの違いなどを考慮されたものになる予定だ。2009年第2四半期でのリリースを予定している。
《中尾真二》
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